岐阜県の国道418号、四国の国道439号（通称、ヨサク）と並んで日本三大酷道とまでいわれる国道。俗称で「死にGO！」などと呼んでいる人もいるが、決して一般的ではない。
和歌山県の御坊市から印南町辺りは道路整備が進んでおり、かつて別の意味で酷道（分岐が多すぎてトレース困難だった）は鳴りを潜めた。
概要
三重県の尾鷲市を起点とし、和歌山県の御坊市を終点とし、全長約170km。しかし、その区間の大半がろくに整備もされていない紀伊半島の険しい山道を通る、名ばかりの国道である。また、一部は広い国道と供用区間になったりもしているが、そのせいでややこしい分岐点が多く、素人が物見遊山で訪れたりすると、冗談抜きで山道に迷い込み遭難する恐れがある。
ガソリンスタンド？商店？そんな文明の利器は殆どのエリアで存在しないどころか、民家すらめったに見られない。
酷道たる所以
牛廻越（うしまわりごえ）
和歌山県の田辺市龍神村と奈良県の十津川村の間を結ぶ峠道。この一体は片側１車線の上、ガードレールも設けられていない場所が多く、その上勾配、カーブが連なっているという、バイクでさえ通行をためらうような道である。そして有名な「転落 死亡」の看板が置かれているのもこのエリア（かつてこの看板は死亡の二文字が逆さまで書かれていた非常にシュールなものだった）。
また、和歌山県側からは観光客が間違って通行しないように、「迂回してください」という巨大な看板が設置されており、この先は危険であることを警告している。これにはもう一つ理由があり、奈良県側には温泉地に近いため、そこそこ交通量があり、奈良県から和歌山県に向かって車を走らせる地元ドライバーが比較的多い。そのため、和歌山県側から車を走らせると事故を誘発しかねない離合（すれ違い）が発生するためである。
なお、この牛廻越の南には県道735号線という上に負けず劣らずの険道があるが、こっちは谷を抜けていくルートなので、景色は優れない上に、林業用のトラックやダンプカーが通ったりもするので、別の意味で危険。
坂本ダム
奈良県の上北山村にある、本当の意味での通行困難な区間であるが、ここはダムの湛水によって通行規制がかかるためである。一帯は林業で栄えた廃墟の無人集落が点在し、一帯には放置されたような森林が多く、枯木や枯れ草、砂利が無数に転がっており、バイクでも走行は注意を払う必要がある。加えて、この一帯は天気が非常にコロコロと変わる。晴天だと思っていたら、数分後に土砂降りに遭ったなどは日常茶飯事である。
