CV:井上喜久子
概要
『洋食のねこや』初代店主である山方大樹の妻で、現店主の祖母。
元は異世界の住人であり、本名は「ヨミ」。
かつて勇者として魔族と戦っていたが、召喚された邪神との戦いの末に相討ち同然で次元の狭間に飲み込まれ、太平洋戦争終戦直後の地球へと飛ばされた。
放り出された先が海の真っただ中であり、数日掛けて身一つで日本の海岸に流れ着いたところを大樹に保護される(彼からは、家族か恋人を失って身投げして死に損なったと思われていた)。戦後の混乱期ということもあり、役所には「大陸生まれで天涯孤独」と申告して戸籍を入手(※)し、元の名前は『黄泉』を想起させるとして『暦(こよみ)』へと改名。大樹にだけは自分が異世界人であることを打ち明け、後に結婚した。
※実際に、戦後は空襲などで戸籍が焼失・紛失していることが多かったらしく、そこに潜り込む形で戸籍を偽造、あるいは他人の戸籍を入手することは容易だったらしい。
結婚後は夫と二人三脚で屋台から初めて50年前に『ねこや』を開店。30年前に骨董品として異世界と日本をつなぐ魔道具の鈴を偶然手に入れ、大樹の提案でその鈴をドアベルにして『ねこや』の扉に魔法をかけたところ、扉からかつての仲間であるアルトリウスが来店。再会した彼の協力で『ねこや』のあるビルに結界(扉から来た異世界人が敷地の外に出られないようにするため)を張るなどの調整を行い、異世界食堂を始めた。
10年前に大樹が死んだことで店を閉めようとしたが、今の店主が経営を引き継いだことから、『ねこや』を彼に任せて自分は店主の兄夫婦と曾孫の早希と暮らすようになる。後に早希は大学進学を機に一人暮らしをするようになり、『ねこや』で修業することになる。
年齢はおそらく80代後半から90代くらいと思われるが、今でもロースカツ定食をご飯大盛りで食べられるくらいには元気。漫画やアニメ版では加齢による皺こそ目立つもののかなり若々しく描かれており、ぶっちゃけ60代でも通用しかねない見た目。
本来は特殊な交配により魔王たちを滅ぼすためだけに作られた存在であり、そのせいで感情が欠落しているかのように冷酷、特に当時敵対していた魔族には容赦なかったが、大樹に巡り合ったことから人間味ある性格に変わっていった。ただし、今でも魔族は条件反射的に警戒しており、アレッタに少しではあるが敵意を向けたりもしている。
彼女の正体を知っているのはアルトリウスと、同じく嘗ての仲間だったアレクサンデル、今は亡き夫くらいであり、店主をはじめとする孫や曾孫たちは彼女が異世界人であることを知らない。もっとも、後述のマスターキーの件もあることから、店主辺りは感づいていてもおかしくないが。
異世界食堂を「終わらせる」ことができるマスターキー(折って壊すと扉の魔法が消失する)を持っていたが、後に店主に託す。
自身の出自もあり異世界に愛着や未練はなく、一人の人間として亡き夫と共に生きた日本で穏やかに余生を過ごしている。そのため、『ねこや』に来店するときはともかく、店を出るときには裏口を利用し、扉から出ないようにしている(アニメ版では普通に扉を出入りしている)。
なお、早希曰く「料理が全くできない」とのこと。
アニメ版では第1期及び第2期の最終回で登場(ただし、第1期ではアルトリウスの回想で少しだけの登場)。
外部リンク
関連タグ
パウラ・A・エブナー:小説「終戦のローレライ」のヒロイン。原作のエピローグでは、暦と同様に終戦期の混乱に乗じて戸籍を手に入れている。