以下、『takt op.Destiny』アニメ11話以降のネタバレが含まれています。未見の人は注意。
CV:三石琴乃
解説
オッフェンバック作曲のオペレッタ『地獄のオルフェ』を宿したムジカート。
2人のムジカート・天国と地獄が合体(融合)することで誕生した。
武器は白黒2台の巨大なハープ。銃撃を繰り出せる他、腐を繰り出しての妨害・拘束も可能。
桁違いの攻撃力のみならず再生能力も有しており、隙をついて高火力のダメージを与えない限り再生までのタイムラグを利用することは不可能。また、上半身を吹き飛ばされても復活できる圧倒的な生命力・回復力を有している。
当初はハープで朝雛タクトと運命を追い詰めるも、運命との契約で身体能力が底上げされていたタクトが蹴りを入れた隙に運命が零距離で銃撃。上半身を吹き飛ばされて動きが一時的に停止、タクトをザーガンの元へ向かわせた運命と復活後に激突する。
当初は右手で刃を造り出して運命と剣戟を繰り広げるが、徐々に拳での殴り合いに発展していく。
一見狂気的である彼女(達)もまた、ザーガンの歪みを理解しつつ支えてきてしまった存在であり、それを悟った運命は「貴方は救いたいものを諦めてしまった」と看破。
タクトの望む「音楽を奏でられる世界」を作り、また守りたいと前に進む希望を訴えながら戦う彼女の拳にオルフェの身体は徐々に白化。そして運命の拳から逃げることができず、正面から受け止めた。
この打撃が致命傷になったのか、運命の主張の前に自らの敗北を悟ったのか、最期はタクトに身体を貫かれたザーガンと時を同じくして活動停止。これまでの歪みから解放されたかのような、安堵したかのような笑みを浮かべ、白化した身体を風に乗せ朽ちさせていった。
その頬には、涙がつたっていた。
余談
元々「天国と地獄」は帝国劇場での初演時日本で付けられた題名であり、「地獄のオルフェ」はフランス語の原題を直訳したものである。
デザインや言動は曲の元ネタになったギリシャ神話の詩人『オルフェウス』に由来しており、ハープは彼の持っていたリラという楽器(こと座のモデルといえばお分かりいただけるだろう)が元ネタ、「決して振り返るな」というセリフはハーデスがオルフェウスの妻エウリュディケを冥界から連れ帰るための条件として提示したもの。冥界を出る寸前に振り返ってしまった為にエウリュディケは冥界に連れ戻されてしまったのだ。
ちなみに、身体が白化するという最期ははオルフェウスと同じく背後を振り返った為に妻が塩の柱と化したという旧約聖書のエピソード『ロトの妻の塩柱』に由来する。