概要
広義の意味では伝統芸能を披露する人を含むが、現代では舞台芸術からマスコミへの移行に伴う大衆娯楽の変化で、20世紀以降に観客と直接対面せずテレビ、ラジオ、映画、レコードなどで芸を披露する人々の事を指すのがほとんどである。
現在日本で主に「芸能人」と呼ばれるのは、後者の中でも特に、テレビや映画、ミュージックシーンで芸を披露する人々である。特に芸がなくてもテレビで有名になった人なども現在では芸能人と呼ばれたりする。
pixivにおいても沢山の有名人、芸能人の似顔絵やデフォルメ化したイラストが投稿されている。
職業としての立場
ほぼ全ての芸能人は芸能事務所に所属しているが、事務所と雇用契約を結んでいる芸能人はほんの一握りである。大半の芸能人は専属マネジメント契約という委託契約を結んでおり、税法や労働基準法上では「事業所得者(個人事業主)」に当たる身分となる。
これは芸能人の労働時間が一定ではなく、報酬の支払形態も原則完全歩合給制度が定着しているなど、雇用制度に馴染まないためであると考えられる。芸能人の立場から見ても、売れた分に比例して報酬が伸びていくため、自分の商品価値に見合った報酬が得られるというメリットがある。しかし、裏を返せば雇用保険制度や最低賃金制度のような保証が全く無いため、売れない限りずっと副業(アルバイト)で稼ぎながら日々食いつないでいくしかない羽目になるリスクも孕んでいることを意味する。
立場上は個人事業主であるため、所属事務所からの指揮監督を直接的に受けることはないが、原則的に所属事務所の従業員であるマネージャーが常に付き添うため、実質的には間接的な指揮監督を受けていると言えることや、大衆の目に常にさらされる職業であるため、契約書上で公私にわたり様々な制限を課されることが多いなど、自由業者でありながらその身分はサラリーマン以上に拘束されていると考えることもできる。しかし、年収が億単位のスターになるためにはそれだけの覚悟が必要である、ということなのであろう。