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概要

人竜戦役にて巧みな馬術により竜を退け、自身の愛したサカの大草原を守り抜いたとされる弓使いの女性。神騎兵ハノンその人。

八神将でも明確に女性とされているのは聖女エリミーヌと神騎兵ハノンの二人だけである。国家の建国や教えを説くなど戦後にその功績を活かして活動した他の英雄たちに比べ、大戦の功績に見返りを求めないなど地位や名誉に関心のない人物であり、同じ草原の出身者であるスーの後日談にて、戦いの中で大きな功績を残しながら何一つ栄進を望まず一人の遊牧民として生きた姿が神騎兵ハノンを彷彿させるものであった、との言及が存在している。

ハノンについて気になる要素としては、やはり同じ女性のエリミーヌとの関わりであろう。人竜戦役の終結後、エリミーヌはいくつかの教えを説いて大戦の傷痕の中で人々を導いていくことになるのだが、その中で説かれた人と人は協力し合うことで新たな何かを生み出すことができること、人は生まれながらにして七つのうちのいずれかの加護に守られて生を受けることなど、いくつかの点で各々が部族の団結と星々への祈りを説くハノンが生きた草原の掟と類似しているのである。

特に人は生まれながらにして七つのうちのいずれかの加護に守られて生を受けるという逸話については、エリミーヌ自身がどこでその着想を得たかについての言及がなく、ハノンを通じてエリミーヌがこれらの影響を受けたのか定かではないが、サカの掟とエリミーヌ教の関係は公式的にも意識されており、サイファで描かれたエレンの司祭衣装がやや草原の民族衣装と混ざったものになっている。

疾風の弓ミュルグレ

人竜戦役でハノンが竜を倒すときに用いた伝説の弓。「疾風の弓」の異名通りに使い手が素早くなるという特別な力を秘めている。

ハノンは後にその弓を草原の遺跡にある祭壇へと封印し、弓の存在は伝承となって草原の民の間で語り継がれているが、弓に秘められた特別な力に反し、他の神将器と異なり一般的な弓のように質素な見た目が特徴的な武器となっている。

隣国であるベルン王国によりサカが制圧された折り、ミュルグレが処分されなかったのはその特徴を利用して遺跡に多数のデコイを用意していたのかもしれない。