※この記事には単行本未収録のネタバレを含みます。
「殺す気でやらないと死んでから後悔するよ」
概要
死滅回游の泳者(プレイヤー)の一人。滞留結界は東京第1結界。
新宿のとあるマンションを拠点とし、仲間である麗美が誘い込んだ他泳者を狩っている。
所持得点は41点。
人物
初登場時はマンションの一室にパンツ一丁で、左腕に不退転の文字を刻んだ奇抜な姿で登場。
羂索と契約して呪物となって時を超え、受肉した過去の呪術師である。その為に羂索や天元の事を知っており、シン・陰流「簡易領域」の原型となる技を使用する事もできる。羂索や天元の事を知っている事や、シン陰の原型を使える事から、おそらくは1000年以上前の術師だと思われる。
後述の戦闘服のインパクトに騙されそうになるが、実際は怜悧で底知れない男。伏黒を誘い込んだ後その実力を見抜き仲間に勧誘、更に死滅回游の『永続』に関する法則(ルール)に関して具体的な根拠から羂索の本命ではない事を見抜いており、各コロニーに最低一人他と隔絶した実力の呪術師を配置している事から、早期の段階で膠着状態となり隔絶した強者のみが残ったコロニーに、羂索は何らかの「爆弾」を投下するつもりだと確信して手駒と得点をかき集めていた。
おしゃべりでしたたかな噓つきであり、巧みな言葉で相手を翻弄するという呪術師らしい性格をしている。羂索と契約した理由は語られていないが、本人曰く「自分は野次馬」との事であり、おそらく羂索が起こすであろう騒乱を見る為に契約したのではないかと思われる。ただし、別に羂索の思想や目的に共感している訳ではなく、本人も「別に羂索と仲良しこよしって訳じゃない」と言っている。
前述通り、羂索の落とす「爆弾」を警戒して仲間と点数を集めようとするなど、彼の事は全く信用してはいない。
ちなみに麗美はただの囮役で用済みになれば殺して点にするつもりだった(伏黒に指摘されると片言で否定していた)。
戦闘能力
その一見小物臭い言動やビジュアルに反して戦闘力は非常に高い。
身体能力も非常に高く、飄々とした言動で伏黒の攻撃を難なく躱したり、下記する術式で生み出した武器や、本来武器ではないような物まで巧みに扱って戦闘を行う。加えて一度見た伏黒の影からの不意打ちに瞬時に対応するなど、基本的に一度見た攻撃への反応速度も非常に速い。
前述通り羂索の思惑を見抜いたり、一度見ただけで伏黒の式神や影の各種特性を瞬時に見抜いたりと分析力・洞察力も非常に高い。さらにその飄々とした言動で相手を煙に巻いたり、術式の開示に平行してさり気なく嘘を混ぜ込んで相手の不意をつく、一見武器にはなり得ないような物を召喚してその中に武器を仕込んで不意をつく、戦闘で剥がれたように見せかけて任意のレシートをばら撒いて不意打ちを行う等々、彼の厄介な点は単純な術式や身体能力などではなく、あらゆる要素を巧みに利用して創意工夫を行い、戦いの流れを優位に組み立てて進める技巧の高さである。
この時点の伏黒がここまで苦戦した事から、最低でも一級呪術師相当の実力がある事は間違いない。
再契象(さいけっしょう)
レジイの生得術式であり、伏黒は「レシートの内容を具現化する術式」と予想していたが、本人曰く「表現が難しいが『契約の再現』」であるとの事。
正確な内容なレシートを初めとした契約書の契約内容を具現化するものであり、例えば通常の物販等で貰うレシートを使えば、そのレシートで購入された包丁やガソリンを出して攻撃したり、ドローンや原付を出して追跡や移動をしたり、加えて五つ星ホテルの二泊三日(オイルトリートメント付)の領収書を使えば、自身を「温泉に浸かってゆっくり体をほぐし、2日間体を休めた状態にして回復する」事も可能で、レシートや契約書さえあれば非常に万能である。
また、彼の術式で再現した物は式神に近く、簡単な命令で動かす事ができるので、包丁などを飛ばしたりする事ができる。命令を実行すると召喚した物はすぐに消えてしまうのだが、逆に命令を与えなければ長時間持続して存在し続け、それに後で命令を与えると言う使い方も出来る。
様々な契約を再現する事による手数の多さを最大限に活かす為か、戦闘時には大量のレシートで作った簑をパンツ一丁の上から羽織るという変態スタイルとなる。これは前述した戦闘でレシートが偶然剥がれたように見せかけて、任意のレシートを使って不意打ちを行う為でもあると思われる。
弱点としては、発動に「契約書を呪力で焼き切る」必要がある為に使い回しはできない事と、濡れるなどして焼けない状態の契約書は使用出来ない事が挙げられる。更に当然ながら他の手段で契約書が破壊されてしまえば使用不可能になる為、水以外にも単純な火などにも弱いと思われる。
ただし、発動条件が「呪力で焼き切る」なので、呪力によって発生した火であれば特に弱点にはならない他、あくまでレシートが使えなくなるのが問題なので、少量の水や火であれば問題はない。
彌虚葛籠(いやこつづら)
シン・陰流「簡易領域」の原型である技。
簡易領域同様に領域を中和して必中効果を無効化可能。
しかし他の簡易領域にも言える事であるが、あくまで無効化できるのは必中効果のみであり、術式そのものを中和・無効化する効果はない。
その為に、未完成であるが故にそもそも必中効果が付与されてない伏黒の「嵌合暗翳庭」に対して発動した際には、通常の必中術式だと思っていた為に虚を突かれ、大ダメージを負うハメになった。
余談
あまりにもインパクトが強すぎるビジュアルと典型的な小悪党と思われた言動から、当初は読者からは「虎杖と日車の戦いが終わって伏黒視点に移ったら、戦闘描写省略されて死んでそう」等ネタキャラorかませキャラと思われており、全く重視はされていなかったキャラである。
しかし実際はしたたかで侮れない人物であり、伏黒との戦いでは術式を含めた非常にオールラウンダーで高い戦闘力に加えて、術式の特徴と弱点を即座に見抜き対応する高い洞察力と対応力を発揮して彼を後一歩のところまで追い詰めるなど、見た目の印象と読者の予想をいい意味で裏切る強豪キャラであった。麗美が言っていた「レジィ様はマジ強いから」という台詞は嘘偽りなかったと言える。
その為に、伏黒戦後は読者からの評価は一転し、その非常に味のあるキャラクター性も含めてファンからは「レジィ様」という愛称で高い人気を得ており、彼の退場を惜しむ声も多い。