概要
岡本太郎が1936年に描いた絵画「傷ましき腕」をモチーフとした奇獣。
赤い蝶ネクタイを身につけた黒色のボディから人間の右腕しか生えていないという奇々怪々なフォルムが特徴。
巨大な腕を使って人間を捕まえ、電磁カプセルの中に封印する能力を持つ。
活躍
突如現れるや日本中の著名な画家や作家を捕まえては電磁カプセルの中に監禁する事を繰り返していた痛ましき腕。
高津博士は痛ましき腕は人間を孤立させ、孤独から生み出されるアイデアや創作意欲を抽出・吸収していると推測し、CBGは日本の文化・芸術が破壊されるのを阻止すべく、これ以上被害者を増やさない為にも痛ましき腕の討伐に向かう。
その頃、タローマンとの出会いで芸術に目覚めた画家の男を捕まえようとしたところに邪魔が入り、道路標識を引き抜いてその闖入者に投げつけるが、相手の正体は動体視力日本一の巨人・タローマンだった。
人質たる作家達が入った電磁カプセルを投げつけ、ガソリンスタンドの天井を引っぺがしたタローマンと卓球のような戦いを繰り広げる。
そして近づいてきたタローマンに対し腕相撲を仕掛けるが、片手で繰り出された不意打ちの「芸術は爆発だ!」を至近距離で喰らい爆散した。
ところが、救出された作家達は「余計なことをしてくれたな」「もっと時間があれば、もっと凄いものが思い付いたかもしれないのに」と感謝どころかカプセルの中の方が快適だったと、地球防衛軍CBGやタローマンを口々に罵りだした。
生活を犠牲にしてでも芸術を追求するその心意気に感動したタローマンは、作家達を再び電磁カプセルに閉じ込め、誰にも邪魔されず好きなだけ創作活動に打ち込めるよう、宇宙に追放してあげたのだった。
作家達「お~い!帰してくれ~!お~~い!」
隊長「ハッハッハッハッ、心配した我々を馬鹿にして。いい気味だ」
孤独こそ人間が強烈に生きるバネだ。
孤独だからこそ、全人類と結びつき、宇宙に向かってひらいていく。
芸術とか哲学とか思想なんてものは、みんな孤独の生み出した果実なのである──そう岡本太郎も言っていた。