ガイノイドとは
ガイノイド(英:gynoid)とは、女性型のロボットやアンドロイドを意味する1980年代中盤に提唱された比較的新しい造語である(ギネス・ジョーンズ 『聖なる堅忍』1984)。
サイバーパンクとフェミニズムが融合したサイボーグ・フェミニズム的視点から、ギリシア語で「男性」を意味する「andro」を語源とするアンドロイドが男性型・女性型を問わず使用されている事に異議を唱える形で、ギリシア語で「女性」を指す「gynaecoid」と、「もどき」を意味する「oid」を組み合わせて作られた。
日本では、AIBOのデザイナーである空山基氏が画集のタイトルに使用した事で、一部の人間に知られるようになった。
一般的な知名度は低く、業界では専ら「アンドロイド」「ロボ娘」等の呼称が用いられており、下記のような理由から著者に特に拘りがある場合を除き、使用例はほとんど無い。
- そもそもアンドロイドという単語が世界で最初に用いられた例は、女性型人造人間を指すためであり(ヴィリエ・ド・リラダン『未来のイヴ』)、後の作品もそれに倣った。
- ちなみに『未来のイヴ』はミソジニー全開の小説であり、文章の大半が「現実の女性がどれだけ醜いか(ゆえに、機械仕掛けの女性を欲する)」を描くことに割かれていたりする。
- SFのサブジャンルのサイバーパンクから派生した言葉であり、現実世界のインターネットによる変革によりサイバーパンクが急速に普遍化、あるいは陳腐化したため、普及する機会が得られなかった。
- anchormanをnewscasterに、看護婦や看護士を看護師に言い換える原因となったような、リベラル派の動きが無い。
- 特に日本語においては、男性形と女性形の区別が希薄。さらに外来語として「ガイ」が、「タフガイ」、「ナイスガイ」などと「男性(Guy)」の意味で幅広く使われ定着しており、誤解、誤用を避けるため、この単語を知る者でも使用を避ける傾向がある。その間にロボ娘の表現が定着した。
逆に用語の知名度の低さを逆手に取り、ヒロインにガイノイドと自称させる→周囲には理解できないというような演出を施した作品もある(僕の彼女はサイボーグ)
pixivではロボ娘の補助タグで使用されているのが大半を占める。