概要
Undertale原作の世界観をベースとし、「もしこうだったら」を描いたタイプの作品(原作軸AU)。
本作は、原作で言うPルートにおけるスノーフルで発生するパピルスとの戦闘をテーマとしている。
原作では、パピルスとの邂逅では「ロイヤルガードになれなくて、底なしの善性に反して友達も増えないことを悩んでいる」という場面が見えたが、本作では「相変わらずなかなか友達は増えないものの念願だったロイヤルガードに入隊しそれも本望であった戦闘部門に配属された」という仮定で組まれたストーリーになっている。
作風としては原作のPルートそのものと言って過言ではなく、「誰も死ななくていいやさしいRPG」がキャッチコピーの原作を元にした二次創作にもかかわらず、原作軸AUかつPルート準拠という意味ではAU界隈では意外なほど珍しい。
あらゆる意味で「パピルスの成長した姿」を描いた作品になっており、前座としてサンズとの戦闘もあったりする。
スノーフル
いせきを脱出して外に出たニンゲンは森に囲まれた雪道でサンズと出会う。そこで聞かされたのは、ロイヤルガードの一員となった弟パピルスの存在であった。ゲートでふさがれた道を迂回するため、得意の「近道」で案内をするサンズについて行くニンゲンは、その後エリアに仕掛けられたパピルス謹製のパズルを突破し、スノーフルの市街地を抜けようとしたが、待ち構えていたのはパピルスではなくサンズであった。
突如、再びニンゲンの背後から姿を見せるサンズ。最初はとぼけるが、パピルスから伝言を預かっているという本音を話す。パピルスが得意とする「あおこうげき」に対処できるスキルを身につけるため、戦闘を実践してくれるという。
丁寧にレクチャーしてくれるサンズとの戦闘。原作のサンズ戦を思いっきりゆるくした内容になっており、正真正銘「1ダメージしかあたえられない」ので純粋な練習ステージになっている。ちなみに会話を見ると、途中から弟語りしかしていない。
BGMは作者によるアレンジとなっており、「サンズとのバトルで流れるかもしれない曲」をベースに「MEGALOVANIA」を取り入れたゴキゲンなテイストになっている。
このサンズ戦に関しては映像作品のみ。ちなみに戦いの最初から終わりまで攻撃が19発しか来ないので、仮にゲーム化されたとしても負けようがなかったりする。
そしてパピルスはこのエリアで立ちはだかることはない。なぜなら彼は、次のエリアであるウォーターフェルにて、まるで隊長アンダインの前哨戦の中ボスといわんばかりの位置で待ち構えている。
ウォーターフェル
本作における本題。アズゴアの城を遠景に望む道で、ついにパピルスとの戦闘が始まる。地底に落ちてきたばかりのニンゲンの孤独や、パズルを突破してきた主人公が「いいやつ」であることを理解しながらも、ロイヤル・ガードとしての本分を果たすために戦いを挑んでくる。
お人好しの一面は残しつつも攻撃は緩くなく、Pルート準拠の難易度であることを念頭に置くものの決して弱くはない。下手をすると原作におけるPルートのアンダイン戦突破より難しい可能性まであり、アンダインが言う「パピルスは実はかなり強い」という評判をPルートの物語で実演する形になる。
こちらは「Papyrus Royal Guard」という名前で実際にプレイ可能。
動かないと避けられない青攻撃、原作でも言及されていたガスターブラスターによるスペシャルこうげきの発動、そして主人公のタマシイを赤色に戻そうとして失敗するハプニングからの難易度上昇、バトル中に出題するパズルを30秒以内に解けないと回避不能の攻撃に襲われるといった、色とりどりの内容になっており、かなりの長期戦になる。
その成長はほかにも、細部にわたって描かれている。それでいて、基本的な性格はおよそ変わっていない。
また、特殊能力を使う際に「眼が光る」というサンズとの共通性が描写されており、サンズの左目に対して彼は右目が光るなど構図が対になっている。
原作 | 本作 | |
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衣装 | カドのないデザイン | 多少威圧的なデザイン |
あお攻撃への切り替え | 単に色を切り替える | 予習を想定した罠を張る |
瀕死時 | 捕まえて戦闘終了。主人公は絶対にHPが0にならない | 回復させてくれるが戦闘は続行。残りHPと受けたダメージ次第では普通にHP0となりゲームオーバー |
パスタ作り | とても食べられない | HPが回復するほど美味しい |
スペシャル攻撃 | 犬に盗まれて発動失敗 | サンズよりも照射時間の長いガスターブラスターを連発 |
文字攻撃 | イカした こうげき | イカした きしだん(公式日本語風の解釈) |
犬に対して | スペシャルこうげきを盗まれて憤慨 | パスタを運搬させており、もっと給与をあげたいと考える(部下のマネジメントができている) |
和解した場合 | 友達になり、普段は自宅で待機している | 親友になり、主人公に同行する |
もしも殺害した場合 | 最期まで駄洒落を言って笑いながら死ぬ | ロイヤルガードとして皮肉を込めた最期の挑発をする |