概要
1963年に、高尾自動車・五王自動車・奥多摩振興【旧青梅電気鉄道(現・JR青梅線)のバス部門が発祥】の3社が合併して誕生した。営業エリアはJR中央線立川駅以西および以北の多摩地域である。
メインエリアは八王子市内各所(JR中央線以北エリア)だが、日野市・あきる野市・昭島市・福生市・羽村市・青梅市・奥多摩町・日の出町・檜原村にも路線を持っている。東京都以外では奥多摩町に接している山梨県北都留郡丹波山村・山梨県北都留郡小菅村にも路線を持っている。
【かつては、奥多摩駅~丹波山村経由塩山駅行きの急行バスを山梨交通と共同運行していたことがある】
また、深夜バス限定ではあるがJR立川駅北口にも乗り入れている(立川駅北口発河辺駅北口行き)。
かつては、『多摩バス』という分離子会社を運営したことがあったが、再び西東京バスに吸収合併された。【近隣の立川バスでも同じ事例が起きた】
高速バスでは、独自の路線(八王子・渋谷金沢線、新宿・八王子大阪線)と、かつて親会社である京王電鉄が運行していた路線(八王子・高松丸亀線)・(新宿・松山八幡浜線)を引き継いだ路線がある。2021年11月から、『高崎・伊香保・四万温泉号(八王子線)』(2往復。八王子発1便は中之条駅入口止まり)を関越交通との共同運行で新設された。
かつては、八王子から京都行き・仙台行きの高速バスを運行していたことがあった。
京王バスの富士五湖線の運行委託も行っているが、ロゴ以外遠目からでは区別が付かない。
また、羽田空港・成田空港へのリムジンバスも運行している。【羽田空港:高尾・八王子・河辺発着。成田空港:八王子発着】
深夜急行バスでは、新橋から銀座・新宿西口経由の八王子・高尾(恩方営業所)行きが運行されている。
また、青梅線の終電を乗り逃がした乗客対応で立川駅北口始発の河辺行き深夜バス『楽帰ぃ』も運行している。
年末には高尾駅から八王子駅に向かう終電寝過ごし客救済バスも運行。
通勤時間帯に八王子市内(北八王子駅入口経由)・日野駅と新宿を結ぶ『通勤ライナー』も登場した。(朝・横川【陣馬街道沿いのバス停】→新宿駅西口、夜・新宿駅西口→高尾駅南口)
※河辺(かべ)=青梅線の駅で、青梅駅の2つ手前に位置しており青梅マラソンのスタート地点最寄として有名。西東京バスのターミナルでもある北口は都営バスや西武バスも乗り入れている
(青梅線の電車で少数ながら河辺行きが存在する。)
車体カラー
旧京王帝都電鉄時代【ただし昭和30~40年代】の塗装をベースにしたオレンジ系の塗装と、かつての分離子会社多摩バスで採用された紺と白をベースにした塗装とがある。後者はかつて多摩バスの営業所だった恩方営業所と青梅営業所に多い(最近は転属で氷川車庫にも少数入っている)。
高速・空港リムジン・深夜急行・貸切の各車は京王グループ標準カラーを採用しており、社名ロゴがなければ京王電鉄バスと区別がつかない車両もある。
営業所・支所・車庫
※2022年10月に青梅営業所と氷川車庫が五日市営業所の支所に改組された。これにより青梅営業所は格下げとなってしまった。
楢原営業所【所属略号A。主に中央線以北の八王子市全域(高尾地区を除く)・あきる野市(サマーランドおよび雨間地区)・昭島市(拝島地区)・日野市(栄町および日野駅)を担当】
楢原営業所中野学園車庫【所属略号M。スクールバス専用】
恩方営業所【所属略号D。主に八王子市高尾地区を担当。高速バス・貸切バスの車庫も同居。旧多摩バス営業所】
五日市営業所【所属略号C。主にあきる野市・福生市・日の出町・檜原村を担当。八王子市にも路線が乗り入れている】
五日市営業所下町車庫【旧・五日市営業所。あきる野市五日市70番地・五日市バス停に所在。現・五日市営業所はJR武蔵五日市駅前に所在するが、整備工場・給油所は下町車庫にある。】
五日市営業所青梅支所【所属略号B。主に昭島市(深夜急行バスに限る)・あきる野市・日の出町・福生市・羽村市・青梅市(河辺地区)を担当。旧多摩バス営業所】
五日市営業所氷川支所【所属略号E。青梅市(御嶽地区)・奥多摩町、山梨県丹波山村・小菅村を担当】
※氷川車庫は車庫と整備工場がそれぞれ別の場所に存在する。(車庫は奥多摩駅前、整備工場【車庫兼用】は奥多摩町氷川686番地・奥多摩中学校バス停前に所在。なお、給油は氷川車庫【奥多摩駅前】で行われる)
ほかにも八王子市明神町にある本社(旧・八王子営業所敷地)向かいにも車庫があり、八王子駅北口・京王八王子駅折り返し系統に用いられる。
車両番号
おおむね京王バスと同じ付番法則だが、営業所略号アルファベットの後に高速車は「H」、貸切車は「K」、特定輸送車は「T」が付く。
【例・恩方営業所の高速車→「DH」、青梅営業所の貸切車→「BK」、楢原営業所の特定輸送車「AT」】
余談
東京都で唯一ボンネットバス(いすゞBXD50 1967年式・北村製作所ボディ。伊那バスより譲受)を1982年から定期運行(京王八王子駅~陣馬高原下)していたバス事業者であったが、東京都の排気ガス規制(※1)や車両の老朽化により2007年に引退してしまった(※2)。
現在は八王子市に寄贈され、同市内にある「夕やけ小やけふれあいの里」に静態保存されている。
同車は八王子ナンバー制定前(※3)に営業運転を始めたため、引退時は西東京バスで唯一の多摩ナンバー車であった。
日本初のモバイル充電機能付き路線バスを採用した。現在では新車では標準装備となっている。ただし、充電プラグ(コンセント・USB両方対応)があるのは中ドアより後方の座席とクーラー吹き出し口付近のみ。
※1 一応、排ガス対応【DPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)装着】はしてはいたが、規制対象外地域である奥多摩の氷川車庫に在籍し、運行の都度八王子市内まで回送していた。
※2 同時期に伊那バスから他社へ譲渡された同型車はドア位置を変更する改造(中ドア→前ドア)を受けたものの、2020年現在愛知県内の貸切バス会社で現役で活躍している。
※3 八王子ナンバーは1985年に制定
学園都市八王子らしく、京王八王子駅や八王子駅北口から通学時間帯に大学の多い地域へ急行バスや直行バスを運行している。
バス会社としては珍しく、霊園の販売代行も行っている(八王子上川霊園)