バスの形態の一種である。特徴はエンジンが運転席の前面にあることで、初期のバスの特徴でもある。
日本では1950年代まで主力であったが、その後はキャブオーバー式(運転席真下にエンジンを置くタイプ)やセンターアンダーフロア式(車体中央床下にエンジンを置くタイプ)やリアエンジン式(車体後部にエンジンを置くタイプ:現行のバス車両はマイクロバスを除いたほとんどがこの方式)に取って代わられた。これはボンネットがあると、その分乗車定員が減ってしまうためで、昭和20年代後半から昭和30年代にかけては、ボンネットバスの車体を解体し、シャーシだけの状態にしてから新しくキャブオーバーバスに造り替えるといったことも行われていたくらいである。
2024年現在は動態保存で運行されているに過ぎないが、例外的なものとして、岩手県北自動車が冬季の八幡平線にて、4輪駆動車のいすゞTSD40型を定期運行している。
アメリカではスクールバスなどで主力となっている。
ちなみに、日本ではいすゞ自動車製のボンネットバスが多く残っている。これは同社が製造していたものが、BXD型で1967年、TSD型で1979年と、割と遅くまで製造されていたことによる。ゆえに、Pixivに投稿されたイラストも、いすゞ製の車両を描いたものが圧倒的に多く、箱型のバスが主流の現代においては、これらがボンネットバスの代名詞と化しているといっても過言ではない。
近年では、排出ガス規制に対応したトラック用のシャーシをベースにして、ボンネットバスのレプリカを作成したり、マイクロバスをレトロ調ボンネットバスとして仕立て上げ、定期観光バスなどに使用されるケースもある他、FFミニバン(ミニバス、商用バン)系のコンポーネンツを利用した超低床ミニバスを地域住民の移動手段を確保するために地方自治体等が運行する「コミュニティバス」に使用(現在は純国産のボンネットを持たない小型ノンステップバスが登場したため、ほとんどがそれに置き換えられている)されている。