概要
元々はGURPSを基礎として作成された前作「GURPS FW」を踏襲して製作された同人TRPGシステム。
“Filled With Online” を略して「FWO」、「フィルトウィズ」とも呼ばれる。
基本ルールブックがWebで無料公開している他、公式から追加データやSSで構成された有償サプリも存在する。
作れるキャラクターは人間の他に、多くの亜人、魔族など種類豊富な点が特徴。
使える攻撃にも剣、魔法、銃など幅広い。
世界観
舞台はサービスが終了した仮想現実体感型MMOPRG、「Filled With」で繰り広げられる。
プレイキャラクター(PC)は基本的に、そのゲーム世界で生きる電子データである「対話成長型NPC」、もしくは外部からログインしている「真実を知る者」のどちらかである。
- 対話成長型NPC 人と関わっていく中で成長するAIを搭載したゲームNPC。自然な会話、感情の発露も可能であり、ともすれば生身の人間と勘違いするほど。しかし当然、彼らは自分たちがゲーム世界の住人である事など知る由もない。人と同様のPCが作成できるが、一部メタ言語を理解できない仕様になっている。(例:メンテ、現実世界など)
- 真実を知る者 このFW世界がゲームであり、電子データである事を知っている者達。死んでもデスペナルティはあるが転生でき、マップを見たりスクリーンショットを取ったり、いざとなれば強制ログアウトすら可能。
地球に人が住めなくなった近未来。
人々は裕福層の所有していた簡易宇宙コロニー、及び小型宇宙船で生きながらえていた。
延命技術の発達により寿命が大きく伸びていたが、その生活環境の苦しさ故に精神異常をきたし死を選ぶ者も少なくない、そんな世界。
そんな中で1人のハッカーが「フィルトウィズ」のサーバーにアクセスした所、サービスが終了しているにも関わらず稼働を続けている事が発覚。その情報は誰ともなく瞬く間に周知され、人々はフィルトウィズにアクセスする方法を獲得。遠い昔に失われた暖かい世界を求めて、1人、また1人とログインするプレイヤーは増えていく。
ようこそ、満たされた世界「フィルトウィズ」へ!
ここには冒険、恋、安らぎ、そのすべてがあります!
公式メインシナリオ
─あなたには真実を知る権利がある。それが幸せなこととは限らないけど─
公式が用意したFW世界の真実に迫るストーリー。
物語の進展に伴って「EP1~3」という段階があり、一緒に遊ぶ時はEPの合ったPC同士が推奨されている。
EP1
このEPのFW世界では追い詰められている人間(亜人含む)側と、7体の魔将を中心にした魔族側で争いが続いている。基本的に和解するという選択肢はなく、人間は世界を取り戻す為、魔族は領土を広げる為、戦いが続いている。
常に全面戦争している訳ではなく、半年に一度、3日間にわたり行われる「大侵攻」の時のみ、魔族は人間を滅ぼしにくる。
EP2
FW世界で、魔族との戦いは収束した。新たな敵の出現、そして魔将の消失によって。
新たな敵は、“真実を知る者”すら蘇生も転生も不可能にするどころか、現実の身体にまでダメージを与える手段を持つ正体不明エネミー。
皮肉な事に、共通の敵が出現した事により、人側と魔族は手を取り合う事が出来た。
メインシナリオでは新たな敵の正体、そして地球が滅びた本当の理由へと迫る。(未完結)
EP3
EP1からの分岐によりEP2を飛ばす事が可能。
このFW世界ではフィルトウィズが正式稼働中だった頃の、NPCからすればチートじみた能力を持った冒険者(ワンダラー)たちが敵となる。彼らは別のサーバーから現れた過去のプレイヤーたち、もしくはそれの相手に足るエネミーであり、能力が限定されているPC達には雑魚敵すらボスレベルである。
しかし相手はただの(対話成長型AIもない)NPCであり、会話による和解は不可能。PC達の事を「異世界の侵略者」として戦いに来ている。
メインシナリオは未だ公開されていない。(EP2執筆後との事)
このEPでは大きくPCの強化、専用システムが入っており、こちらで使用したキャラクターはEP1~2で使用出来ない。
種族
人間クラス
人間クラスをメインクラスにすると種族は人間になる。
その他、種族問わずサブクラスとして使用可能。
- ウォリアー
- ガーディアン
- ローグ
- ハンター
- ソーサルギア
- ドライブギア
- サスライ
- ニンジャ
- タオシー
- アカシャアーツ
- ケイヴウォーカー
- カラクリギア
- アルケミスト
- デスペラード
- パティシエ
- ピアニスト
- パイレーツ
- サイキック
- マーチャント
サプリ1“バンザイアズマ”掲載
- アヤカシギア
- トモエ
- シャーマン
サプリ2“電子の国のアリス”掲載
- フォートレス
- トーチャー
- フェンサー
亜人クラス
亜人クラスはメインクラスのみ設定可能であり、サブクラスには設定できない。
人間と違い基礎能力に偏りが存在する。(合計値は一緒)
また、外見が大きく人間と違う個体もいれば、殆ど人間のような個体もいる。
- ドラコニアン
竜の特性を持った亜人。翼は持たないが、火炎に対して無敵の鱗を持つ。
基礎能力が高く、自尊心が高い個体が多い。その分、他の種族に比べて成長が遅い。
- リザード
トカゲの特性を持った亜人。水中を自在に泳ぐことが出来る。戦闘民族であり、身体の傷は誇りの形である。
尻尾を使った格闘、更にはセルフ尻尾切りをして敵の目つぶしなども出来る。
- ワイズマン
亀の特性を持った亜人。甲羅を持つ。動きはゆったりとしているが、その知力とポーション作成能力は高い。
- フラウ
花妖精ともよばれる、身長平均が100cmほどの小柄な亜人。
この種族のみ人間にも魔族にも属さず、気に入った相手の味方をする。
- シルヴァテイル
猫の特性を持った亜人。しかたないにゃあ。
- グラント
岩石や宝石の特性を持った亜人。イメージとしてはゴーレムよりは背の高いドワーフと言った方が近い。
身体のどこかに宝石の核と言われる心臓部を持っている。
- ストームコーザー
鳥の特性を持った亜人。空を飛ぶことの出来る翼を持つ。
空を奪った魔族を怨敵としている。
- ホムンクルス
タオシーなどに作成された生きた死体。身体に貼られた符が燃えると死に直してしまう。キョンシー。
- ナインテイル
狐の特性を持った亜人。最大で9本にもなる尻尾を持ち、狐の耳により聴覚も鋭い。
犬が苦手。エネミーも含め、マイティハウンドとか近寄らないで欲しい。
- マイティハウンド
狼の特性を持った亜人。鋭い牙と爪を備えるが、色が認識できない。
- インセクター
虫の特性を持った亜人。この種族のみ、更に3種族から選択する。
共通点として、進化システムを備えている。幼虫から蛹、そして成虫へと変態する事が可能。(戦闘後に戻る)
「ダイナスト」
カブトムシ、クワガタムシなどがモチーフ。
「パピリオス」
蝶、蛾などがモチーフ。
「タラント」
蜘蛛、百足などがモチーフ。
- デモニカ
人が霊獣に目覚めた亜人。人間として生まれた後、先祖である霊獣の力に目覚めて行くのが一般的。
「火」「水」「風」「地」のいずれかの力を強く宿している。
- シェイフィ
羊の特性を持った亜人。毛深いとは限らないが、一部そういう個体もいる。
- アルテミス
人造ロボット。背丈は50cmほどが一般的で、人間型から球体、戦闘機型など様々なタイプが存在する。
- ウィッチドクター ※EP2以降推奨
海底都市ジャンナで生み出された実験体。異形な事も多く、ペストマスクに黒ローブを身に付けている事が多い。特殊行動で欠損が発生する。
とある目的のために造られた種族である為、使用シナリオはEP2以降が推奨されているが、EP1時点で開発は進んでいる模様。
- リーフラクーン
狸の特性を持った亜人。物を変化させる、どこからともなくアイテムを出すなど、さながら青狸の様な事も出来る。
- ナイトコーザー
蝙蝠の特性を持った亜人。ストームコーザーが暗い洞窟内で独自進化した姿と言われている。
サプリ1“バンザイアズマ”掲載
- ワラシ
座敷童がモチーフの亜人。人の姿もしているが、その本体は鞠であり、その付喪神のような存在。子供の姿が多い。
- イバラキ
日本の鬼がモチーフの亜人。小柄の鬼から大柄の鬼まで様々な個体がいる。
- ヌエ
鵺(ぬえ)がモチーフの亜人。頭や腕が人以上に生えていたり、自身の姿を曖昧にする事が出来る。
- レイゲンブレード
武器の付喪神がモチーフの亜人。本体が武器であり、普段は人の形を取っている。種族名はブレードとあるが、その種類は剣から銃、果ては魔道書など千差万別。
人型のまま戦う事も出来るが、その真価は自らを武器にし、主人に揮われてこそである。
サプリ2“電子の国のアリス”掲載
- ワンダーアリス
兎の特性を持った亜人。ウサギ耳を持ち、懐中時計を持っている。更にはカードを扱うなど、そのモチーフは名前の通り不思議の国のアリス。
また、FW世界では兎という動物は特別な意味を持つため、時間を止める、味方の攻撃をリプレイして威力を倍増させるなど変則的な能力を持つ。
魔族クラス
基本的に敵勢力である魔族ではあるが、物語が進むと味方になる事もある。
能力は基本的に高めに設定されている、との事。
また、各種族には所属している師団(魔将が率いる軍)が存在する。
- ブラックナイト
黒い鎧を纏った魔族。身体的特徴はないが、魔族の中ではそれこそが特徴とも言える。
戦いの技量高いが、冗談が通じないような個体が多い。
第三師団所属。
- ヴァルキリー
翼を持った女騎士の魔族。この種族には基本女性しか存在しない。
戦闘の他に、死者の魂を収集するという唯一無二の能力を持つ。
第三師団所属。
- ヤシャ
四本の腕を持ち、鬼の面を付けた魔族。面の下は人間に近い姿だが、小さい角を持っている。
元第五師団だが、とある理由で師団未所属。
- サーバント
黒尽くめメイドの魔族。赤い瞳を持つこと以外は種族特性がなく、人間と似ている。
支援が得意な他、ガトリング銃(種族専用装備)を扱った攻撃が出来る。
第七師団所属。
- オウルセージ
モノクル(片眼鏡)を付けた機械仕掛けの梟(ふくろう)。鳥なので腕がなく、武器や盾を装備出来ないが、専用装備である羽ペン(弓扱い)だけは装備できる。
第六師団所属。
- ゴースト
死した貴族のような魔族。青白く透き通った身体をしていて、煌びやかな服装をしている。
第二師団所属。
- マッドクラウン
道化師のような魔族。ピエロのようなフェイスペイントをしている事がおおく、ギャンブル系の技を多く備える。
助っ人として馳せ参じる事が多く、師団未所属。
- セルキー
動物の被り物をした少年少女の魔族。被り物はアザラシや白熊、ペンギンが人気らしい。水中行動が得意。
恋に恋した個体が多く、気に入った相手にはすぐちょっかいを出す、らしい。
第?師団所属。
- マナート
蛇の特性を持った魔族。顔のみ蛇、下半身が蛇、腕の先から蛇など、身体の一部が蛇になっている。
第四師団所属。
- リッチ
人間であった魔法使いが求道のあまり道を外したり、第二魔将に心酔した成れの果て。
第二魔将の魔力により転生しており、魔法と最も親和性の高い肉体を手に入れている。(何故か少女の形で、精神もそれに引っ張られ少女に寄る)
未躯体の多くがギアになっており、さながらアンデッド人形のような外見が多い。
第二師団所属。
- ベルセルク
獣の皮を被った戦士。中には長時間付け過ぎていたせいで一体化している個体もいるとか。
知力が低い代わりに腕っぷしがとても強い。
特定の配下ではなく、戦いがある場所であれは赴いて行く。
- カロン
いわゆるセーラー服を身に付けた魔族。FWでは数少ない水軍の主力であり、健康的に日焼けしている個体もいる。アンデッドだが。
第二師団所属
- ゴーレム
第六魔将によって製造された大型ギア。高性能にし過ぎた故か見た目を人間に似せる事がほぼ不可能。
第六師団所属。
別名・表記ゆれ
公式HP(基本ルールブック)
関連作品
- 公式サプリ ルールの追加は無いが、クラス、アイテム、エネミーの追加、新コンテンツが遊べる。また、公式メインシナリオに関連したSSも付属しており、よりFWの世界を知る事が出来る。
- 「バンザイアズマ」
- 「電子の国のアリス」
- 「蘇る伝説」 EP3にて使用可能になる各クラスごとの上位、「レジェンドクラス」が掲載されている。
- 公式ゲーム
- 「ロシェの長い夜」 フリーゲーム
- 「グレートウォール行進曲」 ※R-18
- 「グレートウォール行進曲FA」 無印の全年齢版+追加要素