概要
メキシコのトラスカラ州で伝承されている吸血鬼で、その起源はナフア族の文化に根ざしているといわれる。
Tlāhuihpochtliという名前は、アステカ帝国のナワトル語で「輝く煙(靄)」または「照らされた若者」といった意味であると考察されている。
トラフエルプチは人間として生まれて家族と暮らしているが、呪いにより思春期になると自身が何者かを自覚して吸血鬼として目覚め、同様の者たちと独自のコミュニティを形成する。
ほとんどの場合は女性なので魔女でもあるといわれており、夜になると脚から身体を切り離して七面鳥やコンドルなどに化身し、家の屋根の上を北から南、東から西と十字に飛ぶ儀式の後に侵入して乳幼児の血を吸い、犠牲者の上半身に特徴的なあざを残す。
なお家族たちは彼や彼女から呪いが移らないように庇い、呪術師と協定を結んでいる者は犠牲者が死んでしまっても引き渡されることはないとされるため、退治するためには人を襲っている瞬間を捕らえその場で殺すしか無い。
鳥の他には炎や霧に化身することができ、蛍と関連があるといわれているが、一月に一回は吸血しないと死んでしまうという弱点を持ち、ニンニク、タマネギ、金属を嫌うとされる。