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陽電子の編集履歴

2012-05-07 03:22:34 バージョン

陽電子

ようでんし

電子の反粒子。正の電荷を持っていること以外は電子と同じ特徴を持つ粒子。

ベータ崩壊のうち陽子が過剰で不安定な原子核が起こすβ⁺壊変(陽子が陽電子と電子ニュートリノを放出し中性子に変化する)により放出されたり、1.022 M[eV](≒1.637×10のマイナス13乗[J])以上のエネルギーの電磁波と電磁場の相互作用により電子と陽電子が生成(対生成という)される。

物質内に進入すると原子の核外電子と対消滅し数本のガンマ線となる。対消滅する前に陽電子と電子からなる異種原子(※1)を作る準安定状態(※2)をとることがある。これをポジトロニウムといい、元素記号はPsと表す。形としては水素原子の陽子を陽電子に置き換えたものとなっており、この状態をとっている時間は真空中で長くて1千万分の1秒程度。


※1・・・電子、陽子、中性子以外の粒子を含む原子。

※2・・・最も安定している状態のほかにいくつか存在する安定状態のこと。

用途

実用化されている分野では癌などの病変を見つけるためにポジトロン断層法とよばれる断層撮影法に使用されている。これは、β⁺壊変する同位体を含む化合物(※3)を患者に投与し、その同位体が原子核崩壊時にほぼ確実(96.7~99.9%)に陽電子を1個放出し、それが近くにある物質の電子と対消滅しガンマ線を放出するのでそれを観測してコンピュータで解析する。

患者に投与する化合物は同位体の半減期が短く、しかもβ⁺壊変しなければならないので病院内に設置されたサイクロトロン(円形加速器の一種)で陽子や重陽子を加速してそれを照射し作成する。半減期が比較的長いものについては放射性医薬品会社から供給を受けることが可能。


※3・・・目的となるものを追跡するための目標物の一種で「トレーサー」という。


関連タグ

電子・・・陽電子の反粒子

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