ジンクとその関係者
今作の主人公。ロサルタ王国の槍の名門『ノンランド公爵家』の長男。14歳。
国外追放を言い渡されてからは隣国のクオール王国で冒険者と学生になった。
実は世界に数える程の人数しかいない付与術師である。また、前世は地球人。
- ニーナ
ジンクの奴隷である少女。12歳。
ピンク色の髪と大きめの目、可愛らしい顔立ちをしている(当初はある理由で顔に大きな傷を負ってしまった)。
元は貧しい農家の娘であったが、冬を越す金を用意できなかった為に口減らしで売られた(漫画版では父親に「役立たず」と疎まれていた事も明らかとなった)。その見た目の良さから娼婦として売りに出す予定であったが、輸送中にワイルドドッグの群れに襲撃されて傷物となって一般終身奴隷として奴隷商館に売り出された。
素質B以上を持つ奴隷を求めたジンクによって金貨1枚と銀板3枚で購入された(その際ジンクに対して『絶対服従』『危害を加えない』『嘘をつかない』『情報を漏らさない』『不利益になると思う行動を取らない』事を指示され、それに違反しない限りは自由行動を認められた)。
ジンクと出会う前は生きる事に絶望していたかのように暗かったが、奴隷になった後のエクスポーションを渡されて顔の傷を治癒した後は明るさを取り戻した。ガメルでの迷宮ではレベリングをするとは言えモンスターを積極的に倒す戦闘狂な一面を見せ、オークすらも食材と捉えている。とは言え、基本的には素直であるのか、考えが表情や視線で読まれる事もある。
武術関連のスキルは平凡な素質が占められている為、戦闘には向いていない。ガメルの迷宮では魔法を二種類会得したもののMPも少ないため、魔法を連発するにはマナポーションを飲む必要があった(当然、後先考えずにやったせいでガメル迷宮内で尿意に襲われる羽目に)。
しかし家事関連のスキルは高いものが並んでおり、取り分けに料理スキルはジンクからも「白金貨数枚の価値はある」と言わしめる程の規格外。実際、料理の練習をさせたら伯爵邸の料理人よりも上手くなる程に上達していた。その事もあってか、他のメイド奴隷5人を下につけて厨房の管理とジンク専属の料理人を担っている。後にガメルの迷宮で盾術を会得しており、その伸びはかなりのもの。
漫画版では「奴隷刑囚売買斡旋所」に送られたイアンを一目で信頼できる人物としており(ジンクはこれで購入に踏み切った)、ある理由で自害しようとした時には泣きじゃくっていた。
- イアン
ジンクの奴隷である青年。18歳。
元はローレンツ商会会長ヨーキの嫡男であったが、父の後妻とは折り合いが悪く、廃嫡計画を立てられてしまう。それを知って後妻と諍いに発展、揉み合いの末にナイフに襲われた所を正当防衛で死なせてしまった。
不運な事故といえど殺人罪を犯してしまった事で「奴隷刑囚売買斡旋所」送りとなり、そのせいで貴族や大商人から忌避されている。
おまけに身内が簡単に買い戻せないように売値の十倍も付けられていたが、意を決したジンクによって購入。
性格は優しく面倒見は良いものの、いかんせん生真面目で、メイド奴隷にからかわれるのが悩みの種。とは言え、商人の血が騒ぐ所もあり、鉱石を見ると心躍る場面がある。
武術関連のスキルはジンクから「即戦力」と太鼓判を押す程に軒並み高く、伸び代もある(当然売値も白金貨53枚とものすごく高い)。
固有スキルの素材鑑定も規格外で、これを応用する事で鉱物を調べられる特性がある。剣術に関しては扱いが難しいであろう刀剣を使いこなしている。
また、地頭の方も良いのか、経済科二類に通常より7年早く飛び級で入学、卒業していた。
- エスター・ノンランド
ロサルタ王国のノンランド公爵家の次男。12歳。
ジンクとは反対に優れた槍の才能を持っており、それでいて性格も良い。その事もあってか、使用人の人数もかなり多い。
中性的な見た目で、女装しても全く違和感がないほど似合っており、周囲に度々女性と間違えられた。しかし当人はそれにコンプレックスを抱いている。
貴族社会の嫌がらせに慣れているのか、ニーナがマナポーションで尿意に襲われるに仕向ける事を看破していた。
ジンクの事を「お兄様」と呼んで慕っており、彼の悪口を耳にすると機嫌悪くする場面もあり、ジンクの追放を最後まで異議を申し立てたようだ(それも止められなかったので使用人にジンクの所持品の運びを手伝っていたが、ゴードンにバレてしまい暴行と50日の謹慎を食らってしまった)。一方で、槍の才能が優秀な自分のせいでジンクの人生を奪ってしまったという思い込みに駆られている部分がある。ウィルからジンクの生存に加え、ある事情を知った時はロサルタ王国から脱出する形でカレンに自分を奴隷にするように頼み込んだ(おかげでメイド服を着せられて戦闘するハメになったが)。
クオラルトに到着した際は、ジンクの追放に加担したと思い込んでエルザ共々自主的に奴隷となり、ジンクに断罪される事を望んでいた(ちなみにクリスとマリアに普通の使用人と同じ扱いになるように説得されたが、それでも押し通した)。
しかしジンクは元より罰するつもりはなく、ロサルタの情勢が落ち着くまでは書類上はSランク冒険者であるジンクの奴隷という扱いとなった(当人はエルザ共々ジンクの奴隷として使えるようだが)。
槍術と棒術の才能はかなり高く、ギフトもアイテムボックス(小)を授かっているが、剣術と身体強化・回復魔法、格闘術や火魔法・土魔法、水魔法は不得意となっている。細身ということもあってか、腕力も「突き」以外に不安を残していたが、この点は魔法を織り交ぜた斬撃で克服している。
- エルザ
ジンクの乳母であり専属メイド。
元々は下級貴族の出で、ジンクの母に仕えるために豪商との政略結婚を蹴ったが毒殺事件で失ってしまった(その時に夫と息子もいたが犠牲となった)。
幼少期の頃から面倒を見ていたジンクは彼女にとって自分の子供同然であったが、冤罪による追放を止められることができず、一時期はロクに食事ができなくなった。
当然ながら生存を知った時は元気を取り戻して「聖なる焔」に毒殺事件を明かした後にエスター共々脱出したが、同時に上記の追放で自らの非力を悔やみ、ジンクの奴隷となった上でレベリングに参加した(当初はジンクに断罪される事を望んだが、結局ジンクの意向により行われなかった)。
- アンジー、モミザ
ジンクの奴隷である女性メイド。元は、普通の農民であった。
スキルは不明だが、ジンクによって付与した武器を装備している。こちらもレベリングに参加。
漫画版では少し出番が増えている。
クオール王国
聖なる焔
Aランクパーティー。クオール王国大衆派に所属している。
ウィルによってジンクの装備に『身体強化+8』が付与されている事からジンクが付与術師だと看破し、彼をクオール王国まで護衛をしていた。
その後はジンクをブランド伯爵の元に送り届けた後は、クオランドに向かうジンクを見送った。
- カレン
Aランクパーティー『聖なる焔』のリーダー。229歳。
Sランク冒険者であるが、これは戦闘力はそこまで高くないものの、優れた回復魔法の腕を持っていることに起因している。称号もそれに因んで「治癒姫」となっている。
その美貌に見惚れた冒険者も少なくないが、種族がエルフであるので長命であるが年齢を気にしており、そこに触れた者には鉄拳制裁を食らわせている。
一方で(彼の方から「貴女の奴隷にしてください」と言ったとはいえ)エスターを女装させる暴挙(?)を行った。
漫画版ではチャイナ服のようなデザインになっており、第二巻での巻末コメントで作者もそれに言及している。
- ボガード
Aランクパーティー『聖なる焔』のメンバー。41歳。
剣を得意としている筋骨隆々の男。職人気質で、実力主義者。
- ウィル
Aランクパーティー『聖なる焔』のメンバー。33歳。
武器鑑定のスキルを有しており、ジンクの装備に『身体強化+8』が付与されている事から、彼が付与術師だと看破した。流石にジンクが施せるエンチャントの性能を耳にしたときは普段の冷静さが嘘のように驚愕していた(曰く「ジンクと対峙するくらいなら奴隷を選ぶ」)。
エスターにジンクのある事実を、軽い気持ちでバラして同業者にヤキを入れられる残念な一面がある。一方で漫画版では国外追放されたジンクがどんな逆転劇を見せるのかに興味を示しており、その為にジンクに肩入れをしている。
大樹
ガメルのクラン。自由を掲げており、その二つのクランのしがらみを嫌う者が集まっている。規模の方は200人と二つのクランに及ばないが、個々の実力は高い。
二つのクランをやめた「脱落者」を引き抜いてやりたいが、そうしたくても目に付けられて厄介な条件を押し付けられるジレンマに陥っている。
- ルーク
冒険者クラン『大樹』のマスター。354歳。
エルフの種族に漏れず耳が長く尖っており、長命となっている。実力もクランを担うマスターに違わずレベルが289でSランク。弓術がかなり飛びぬけており、職業も『弓術士』とレアスキルではなく実力でSランクに到達していた。
ジンクと初めて対面した時には食料が底を付きそうである為一旦戻ろうとした所をモンスターの襲撃に遭い、ちょうどジンク達が食べようとした時に遭遇した経緯となっている(勿論、オーク肉を使った料理を振舞われた事で事なきを得た)。
ギルド・クラン関係者
- スノウ
クオール王国クオルタ支部・ギルド長。36歳。
爽やかな顔立ちをした優男であるが、その外見とは裏腹にレベルが160でAランクの冒険者でもある等、かなりの実力者。
剣士でDランク以上の試験を受けるジンクの試験官を担当するが、そのジンクが「剣術レベル175相当(スキルとエンチャントを合計した数値)」であったせいで打ち破られた。
当初はジンクに敗北をした事にショックを受けたが、自らの努力不足を痛感して精進する事を誓う。同時に、ジンクが『付与術師』『鑑定士』である事は責任を持って認めた上で彼に仮Cランク昇格を告げた。
- モナ
ガメル支部のギルド受付嬢。32歳。
ジンク・ノンランドの専属を担当している。
購入する時はギルド直売のものを勧めるなど商魂を見せていた。
しかしジンク達が大量に持ち帰ったドロップアイテムに引いており、web版ではその査定に他の職員共々魂が削られるレベルで苦労してしまった。
だが、その査定をバイトと称して冒険者に数えさせた結果「メンタルキラー」の称号を手にしてしまった。
- ダン
ベテラン冒険者であり、クオール王国ガメル支部・ギルド長。44歳。
彫りの深い顔立ちに左側に走る傷跡と薄い頭髪が特徴(若い頃はちゃんと毛髪はあった)。
剣術と解体スキル持ちで、剣の持ち方がモンスターを解体するときの剣の使い方と酷似している。緩急をつけながら執拗に相手の「関節」や「腱」を狙っており、生き方まま相手を「解体」するような攻め方から「捌き屋」の称号を持っている。
また、仮Bランクの試験官を担当しており、一定時間剣撃を耐え抜く「耐久試験」をジンクに課していた(ちなみにジンクは合格し、寧ろ自らの愛刀にヒビが入ってしまった)。
口は悪く、Sランクで無茶をしがちなジンクに小言をぶつける事もある。一方で懇意にしている商会長のヨーキが後述の理由で憔悴していた姿を見ていられずにジンクに優位な取引契約を交わす便宜を図っている。
大規模クランである煉獄の彼方が黒い組織である事を知っていたが、向こうが力を付けすぎた故に自分一人では止められず、ただクオール出身の冒険者が犠牲になるのを見ているしかなかった(目にかけた後輩もその一人であった)。
しかも自らも昇段試験で煉獄の彼方の所属者に深手を負わされてしまい、彼の持つギフト「感情移入」で思考や感情、それに付随する情報を随時煉獄の彼方に読まれてしまった。
その事からジンク一行に疑われた事もあるが、自白剤により本心を打ち明かしたことでそれも解かれた(不信感を抱いたエスターも後にダンに謝罪した)。
漫画版では煉獄の彼方と何らかの繋がりがあり、当人もその名前を聞いて心当たりがある反応を見せるなど、より掘り下げられている。
ちなみに既婚者であり、尻に敷かれている模様。
HAYADAI氏によると、初期案では「ヒゲの生えたキューピー」であったが、原作者の御影氏から俳優のジェイソン・ステイサムを参考にして欲しいとアドバイスされて修正した。
その他
- ニコラウス・ブランド
クオール王国大衆派に所属する伯爵。妻のマリアと息子のクリスがいる。
貴族特有の嫌な感じを持っておらず、ジンクに対しても分け隔てなく接している等、貴族らしかぬ貴族の言葉を体現している。
- クリス・ブランド
ニコラウス・ブランドの息子。15歳。
クオール王国高等学舎・騎士科二類に受験し、合格。
かなり活発でジンクとは男友達の様に接している。
- マリア・ブランド
ブランド伯爵夫人。
ジンクに対してかなり期待しており、王家に通して屋敷のプレゼントを働きかけていた。
- ダスティ・ペナム
クオール王国侯爵。67歳。
クオール王立高等学者魔法学科入学試験では実技試験の審査を担当していたが、試験を受けたジンクの並外れた実力をクオール国王ノミールに報告した。
鑑定スキルの持ち主で、ジンクが冤罪をかけられて追放した事を見抜いた。
- ノミール・クオール
クオール王国国王。外見は30歳程(ジンクの見立て)。
付与術師のジンクを国家規模で庇護すると表明している。一方で漫画版ではジンクがロサルタ王国から追放された事に関してロサルタ側に別の思惑があると分析している。
- ナジェンダ・クオール
クオール王国第一王女。クオール王立高等学者政治科・一類に進学した今学年の総合次席。15歳。
長い銀髪と美麗な容姿をしている美少女。
王族である事もあってか、学舎に通いながら国王の政務を手伝っている。
年端もいかないながらも知的で大人びている。
- ブロギー・ランドセル
ランドセル公爵家の跡取り。醜男というべき外見をしている。
中等部の頃は家柄を笠に来て横暴を働いており、何人もの学生を退学に追い込んだ(漫画版では、ジンクからはエリオット皇太子と同類として嫌悪されている)。
拳闘術を取得しているが、ジンクに一撃で倒されてしまった。
そんな問題児が三類とはいえ高等学者に進学出来たのは、父親が得意としている「揉み消し」と「詭弁」で誤魔化している為(確たる証拠が見つからない故に王族さえも注意喚起がやっとだが)
それでも評判は最悪だったらしく、前述の通り撃退したジンクに対して教師一同から称賛された挙句に体罰を受けられ(web版)、王族はこの件を不問に処していた(漫画版)。
- アッシュ
イアンの弟。13歳。
義母に甘やかされて育った事もあってか、Sランクで付与術師の冒険者であるジンクを襲撃するなどの短慮さが目立った。
一方で義母を手にかけた兄のイアンに対しては思う所があるが、それでも自分より優れたイアンに対して誇りに思っているらしく、奴隷呼ばわりされている事に我慢できなかった。
ジンクに挑むも、スキルがあまり強くない事もあってか打ち負かされてしまい、冒険者ギルドの職員に拘束される。
数日間は独房で反省の後、厳しい再教育を課せられる事になった。
- ヨーキ・ローレンツ
ローレンツ商会会長。40歳。
誠実な人柄でそれなりに優秀な商人である事からガメル支部と懇意にしている。
妻を亡くし、長男であるイアンは諸処の事情で奴隷堕ち、次男であるアッシュもイアンの主人であるジンクを襲撃するという不運に見舞われている。
当人はジンクに謝罪と命乞いをしていたが、ガメル支部長のダンとジンクの図らいで不問に付していた。
敵対勢力一覧
使者
ガメルを拠点とする大規模な冒険者クラン。紋章はドラゴンの骸骨に交差させたカトラス。
その実態は上下関係や地位争いが激しく、実力や実績の芳しくない者は容赦なく組織の底辺へと転落してしまう。それを恐れる低ランクの所属者は死に物狂いで迷宮の入り浸りを余儀なくされる。
また、組織の収入源である上納金を末端から厳しく取立てる為、それに耐え切れずに辞めてしまう者もいる。しかしそこから抜けた者に対しては「脱落者」という名の「裏切り者」として扱っていき、ガメルの他クランに所属できなくなってしまう(これはギルドの規約に書かれておらず、ガメルでの暗黙のルールとして罷り通っているのが現状となっている)。
こうなれば低ランクの所属者は居続けるしか他にないが、いずれ無理が祟って体を壊してしまい、クランを解雇されてそのまま借金奴隷に堕ちる運命をたどる。
こうした事から商人の間でも評判は最悪に等しいが、質の悪い事に知名度だけは突出しているので、このクランの実態を知らずに所属してしまう者も後を絶たない。
また、末端の者が鉱石エリアで互いに抗争を引き起こし、他の冒険者パーティー達やジンク一行に迷惑行為を働いた事でガメルのギルドからクレームを入れられてしまう。
- ハーバード
「使者」のトップを務める冒険者。
かなりの荒くれ者らしい。
煉獄の彼方
ガメルを拠点とする大規模な冒険者クラン。紋章は翼の生えたドラゴンの背に鋭利な逆十字。
使者と同じく上下関係やポジション争いは熾烈となり、実力や実績のない者を容赦なく切り捨てていく。当然ながらこちらも商人の間での評判も最悪だが、知名度も突出している。
情報戦と狡猾さにおいてはトップクラスであるが、そもそも幹部全員がナザール王国からクオール王国へと送り込まれた諜報部隊。
この組織に所属していたクオール王国出身の実力者が行方不明になるなど、黒い噂が付きまとっている。
ナザール王国からジンク暗殺の命令が下されており、敵対組織である「使者」の人間に偽装した上で任務を遂行し、失敗しても「使者」の仕業だと誤認させた上で、ジンクと「使者」とガメル支部のギルドの関係を険悪にさせようと試みる。
- ジェイ
煉獄の彼方の一軍メンバー。
ギフトは「感情移入」。発動すれば相手の感情や思考、それに付随する情報を全て読み取ることが出来る。しかし精神力をかなり消耗する事から10日に1度しか使えず、尚且つ対象も「過去に重傷を負わせた相手」のみと限定されている。また、発動するタイミングを間違うと自らの精神にダメージを受けるデメリットがある(後述)。
昇段試験を逆手にとってギルド長のダンに重傷を負わせて5年以上もかけて情報収集をしていた。しかしダンがジンクと自白剤の飲み比べをしていたタイミングで発動した結果、ダンの精神的苦痛を直に受けて人格崩壊を起こしてしまう(当の煉獄の彼方はダンが感情移入のギフトに気づいて精神攻撃を与えたのではないかと推測された)。
しかも発狂したせいでワイバーンに嗅ぎつけられてしまい、煉獄の彼方メンバーの囮にされて食い殺された。
ロサルタ王国
ジンクが元いた国。首都はルタ。
あまり良い噂がなく、後述の宰相一家毒殺事件が起きた後はそれに拍車をかけてしまった。実際ルタでは一部の貴族と裏社会の連中が結託しており、麻薬や毒薬の売買や人攫いが度々行われている。それらが関係しているかは不明だが、クオール王国とは犬猿の仲であり、ヤマト王国からもいい感情を向けられていない。
宰相一家毒殺事件がエリオット皇太子によって暴露された事により、メリッサとその祖国なザール王国との関係も破綻。王家の失脚により空席になった王座を担ぎ上げる為にジンクを強引に連れ帰ろうと試みている。
- ゴードン・ノンランド
ロサルタ王国陸軍将軍・ノンランド公爵家当主。35歳。
祖父の命令に従ってジンクに廃摘と国外追放を言い渡し、独断で動いたエスターに暴行を加えただけでなく50日の謹慎を与えた。
一方で「貴族にしては甘い面がある」ようで、ジンクに最後の見送りを許した他、上記の暴行を回復させる為のポーションを置いていった事がそれにあたる。
また、実の息子でないジンクを愛してはいなかったものの、情愛は持っていたのか追放刑にも反対していたらしく、子爵位を与えて辺境に住まわせておこうとしていた(結局立場が父と推進派よりも弱かったせいで止められなかった)。
そんな彼も、ジンクが付与術士である事が広まった事で敵派閥の貴族に糾弾され、エリオットがジンクの出自を明かした事で自らも犯罪奴隷となった。
槍術と棒術、剣術と身体能力は高めであるが、実は格闘術はそこまで高くなく、魔法においても才能はあまりない。
- ノーブル・ノンランド
ロサルタ王国陸軍総督・ノンランド家先代当主。
エスターを可愛がる反面、ジンクをあからさまに冷遇した上に悪評を流して評判を落とし、冤罪で国外追放させた。これはジンクがノンランド家の子ではない事が気に食わず、ジンクの母とその一族と関係者を密かに毒殺させていた。
そのジンクが付与術士であった上に険悪であるクオール王国にたどり着いた事で敵派閥の貴族に追求されてしまった(ちなみに痔も悪化した)。
エリオットがジンクの出自を暴露してしまった事がトドメとなり、自らは断首刑に処された。
- エリオット皇太子
ロサルタ王国の皇太子。オークのような見た目をした肥満体の男。
護衛(という名の取り巻き)であるジンクを解任させて国外追放の遠因を作ったが、その理由が落ちこぼれと見下していたジンクが国王の落胤であることを国王とノーブルの密談で知った為。
そのジンクが付与術士であった事で糾弾されたが、ジンクの出自を暴露したせいで火に油を注いでしまい、離宮に軟禁。最期は怒り狂った国王に撲殺される事となった。
横暴かつ傲慢な人物であり、権力を振りかざして力ずくで欲望を満たそうとしている。自分を特別な人間だと思い込んでいる他、奴隷を物のように扱っていることが示唆されている。
一方で恐ろしく頭が悪く、上記の暴露もジンクが国王の落胤だという理由で自分も付与術師だろうという思い込みであった。それが自らの死がに繋がったと気づかぬままジンクに対して強い恨みを抱え、そこにたどり着いたガメル迷宮のオークジェネラルの魂と融合した。
しかし、頭の悪さと旺盛な性欲のせいでオークジェネラルは弱体化し、加えて幾度も復活する迷宮の性質から、経験値とアイテム稼ぎの為に冒険者に狩られ続ける末路を迎えた。
- ロサルタ国王
現ロサルタ王国の国王。
実はジンクの実の父親であり、宰相家の令嬢を無理やり致して身籠らせたのがきっかけ。
その事実が明るみになれば国王の地位と正妻との婚姻関係が危ぶまれてしまう為、宰相家の令嬢をノンランド家に嫁がせていた。
しかし、宰相一家毒殺事件やジンクの冤罪追放を積極的に支援するなど、とにかく自己保身の為なら非道な所業を行っている。
そんな彼も、正妻の子であるエリオット皇太子の暴露により失脚、同盟相手であるナザール王国とその王女であったロサルタ王妃から手を切られた。
そのエリオット皇太子を逆恨みで殺害した。
- プタニル侯爵
ロサルタ王国海軍総督、ノーブル・ノンランドに次ぐ国王派の重鎮。
徹底的な身分主義者で、上には媚びへつらい、下には高圧的な態度を取り、平民に対しては相当残忍であった。
また、かなりの行動派であり、ノーブルの処刑とロサルタ王家の失脚により、ジンクをロサルタ国王に担ぎ上げる為に身分を偽ってクオールに密入国をした。
4人組で商人の格好をしてクオルタの冒険者ギルドに護衛の依頼をするも、言動でボロを出してしまい、冒険者に護衛ついでに監視されていた。
ナザール王国
クオール王国の隣にある国。
ロサルタ王国と同盟を結んでいたが、「宰相一家毒殺事件」とジンクの出生が暴露された事で同盟を破棄。クオール王国に諜報部隊を送り込んでおり、大規模クラン「煉獄の彼方」として活動させた。
ジンクが付与術師である事を把握しているが、自国の見方になりえない上に脅威になるとして始末を指示。
- メリッサ王女
ナザール王国の王女・ロサルタ王国の元王妃。
元はナザール王国の王女でロサルタ国王と婚姻を結んでいたが、その時期に自分に隠れて国王が宰相家の令嬢と隠し子を作っていた。その事実をエリオット皇太子の暴露を知るや国王と離縁し、祖国もロサルタ王国との同盟を破棄、宣戦布告をした。
ちなみに義理の息子にあたるジンクに対してはナザール王国に取り込めない上に、クオール王国につけば驚異になりかねないとして煉獄の彼方が暗殺に踏み切った。
その他
- 斉藤甚九郎
ジンク・ノンランドの前世である日本人。
孤児院育ちで両親がおらず、バイトをしながら定時制の高校に通い、地元の会社に就職をした(大学は学費の都合で行けなかった)。
しかしその15年後にその会社が何らかの理由で倒産、ハローワークに行った帰りにガードレールを吹き飛ばして突っ込んできたトラックに轢かれて死亡。享年30歳。
ジンクが体を酷使する傾向があるのは、彼の社畜成分が大いに影響しているようだ。
- ドラゴンの涙
Cランクパーティー。メンバー全員がモービブルクの冒険者。
恐らくはロサルタ王国に拠点を構えていたが、後にクオール王国に拠点を移した。
- アレクサンダー
Cランクパーティー『ドラゴンの涙』のリーダー。31歳。
Bランクと実力はそれなりにある事から、他のメンバーから『兄貴』と呼ばれている。
護衛依頼をこなした後、モービブルクに帰還する時にAランクのモンスター『レッドオーガ』に襲撃に遭い、逃げおおせる最中に全財産が入ったマジックバッグを置いていった上に、メンバーも重傷を負ってしまう。途方に暮れたところを、ロサルタ王国から脱出する道中のジンクからエクスポーションを授かった事で事なきを得た(その事もあってか、漫画版ではジンクが国外追放された事を聞いて動揺した冒険者たちに「悪人ではない」と弁明した)。
ジンクにエクスポーションを貰った礼として、王都にいるエスターにエンチャントを施した装備を送り届けるお使いを引き受けてジンクと別れた。この際、Aランクパーティー『聖なる焔』と同行する形で到着を果たしたが、様々なスキャンダルで大混乱になったロサルタ王国に見切りをつけて脱出。
モンスター
ここでは代表的なものを取り上げる
- オークジェネラル
通常のオークよりも強力なモンスター。
Bランクに匹敵する強さを持っており、ジンクも装備なしで一撃を食らったらやられた旨を分析していた。一方で頭が悪い上に動きが単調という弱点がある。
ガメルの迷宮15階のボス部屋にも出現しており、こちらでは一時間事に復活する(肉体こそドロップアイテムを除いて迷宮に回収されるが、魂はそのまま留まる)。
初遭遇時にはエンチャント装備をしたジンクに倒され、ガメルの迷宮の個体もジンク一行に食料扱いで幾度もなく狩られた(web版では肉に飢えたイアンとニーナによってたった10秒で屠られ、漫画版ではやられるまではそれなりに戦っていた)。その結果、ジンク達に深い恨みを抱き、ロサルタ国王に殺害されたエリオット皇太子の魂と混ざり合って「ネームドモンスター」となった。
しかし憑依した人間の影響で弱点がより悪化しており、女性を見ると盛りがついて突撃する為、その性質を利用して女性冒険者を囮にする戦法で討伐される(しかも女装が似合うエスターを女と勘違いする有様)。
そんな感じで大幅に弱体化したので冒険者から「アホーク」と渾名が付けられていたが、一方で16階層以降に踏み入れる冒険者が渋滞を起こしており、それに纏わるトラブルが起きる懸念が出てきた。
かなり美味である肉をドロップするが、たまに睾丸をドロップする事もある(漫画版ではニーナに知らせない様にする為に尻子玉と誤魔化した)。しかしエリオット皇太子に憑依されてからは睾丸のドロップ率が上がった。
- アント
ガメルの迷宮「草原エリア」に生息する蟻のモンスター。
他のアントを指揮する中隊長役のジェネラルアント、アントの女王であるクイーンアントがいる。
捕縛した冒険者を巣に持ち帰って食料としているが、オークの肉等も狙いをつけている。
前足の爪と酸を武器としており、硬い殻に覆われている。一体の強さはさほどではないが、群れで襲撃する上に女王を守る個体は更に凶暴となっている。
火属性が弱点であるが、初めて遭遇した頃のジンク一行は火魔法を修得していない(もしくは、覚えたてである)上に、五千規模の群れで襲撃した事もあってか苦しめていた。
しかし、オークの肉を囮にする習性を突かれてジェネラルアントをイアン達に各個撃破され、最終的にはクイーンアントもジンクに関節と触覚を切り裂かれた上で討伐された。
とは言え、襲撃されたBランクパーティー「竪琴」を逃がすために五千規模のアントと戦闘した為、その無茶な行為をモナやダンに咎められてしまった。
- アクロカント
ガメルの迷宮「極寒地帯」の30階層にいるボス部屋に出現する龍のモンスター。
特殊能力こそないものの、噛み付き攻撃は即死レベルの威力(ジンクの見立てでは身体強化で付与した装備品であっても例外ではない)、鱗も硬いため物理攻撃が効きにくい。
その為、的確に回避しながら魔法をぶつける必要がある。