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刻印編集

クオール王国を長年脅かした「煉獄の彼方」壊滅後、情報漏えいの責任を取る事となったダンを守る為に設立されたクラン。

命名はこのクランがジンクの付与魔法を利用する事が多く、バフをスタンプみたいに押すイメージが由来。

ギルドハウスは「煉獄の彼方」スパイ事件で左遷された貴族から買い叩く形で入手。冒険者ギルドの審査により「Aランク」で登録された。

現時点では13人と小規模。


今作の主人公。ロサルタ王国の槍の名門『ノンランド公爵家』の長男。14歳→15歳。

国外追放を言い渡されてからは隣国のクオール王国で冒険者と学生になった。

実は世界に数える程の人数しかいない付与術師である。また、前世は地球人。


  • ニーナ

ジンクの奴隷である少女。12歳→13歳。

ピンク色の髪と大きめの目、可愛らしい顔立ちをしている(当初はある理由で顔に大きな傷を負ってしまった)。

元は貧しい農家の娘であったが、冬を越す金を用意できなかった為に口減らしで売られた(漫画版では父親に「役立たず」と疎まれていた事も明らかとなった)。その見た目の良さから娼婦として売りに出す予定であったが、輸送中にワイルドドッグの群れに襲撃されて傷物となって一般終身奴隷として奴隷商館に売り出された。

素質B以上を持つ奴隷を求めたジンクによって金貨1枚と銀板3枚で購入された(その際ジンクに対して『絶対服従』『危害を加えない』『嘘をつかない』『情報を漏らさない』『不利益になると思う行動を取らない』事を指示され、それに違反しない限りは自由行動を認められた)。

「煉獄の彼方」スパイ事件の解決後、平民籍を獲得した事により正式に冒険者登録、クラン「刻印」に加入した。

ジンクと出会う前は生きる事に絶望していたかのように暗かったが、奴隷になった後のエクスポーションを渡されて顔の傷を治癒した後は明るさを取り戻した。ガメルでの迷宮ではレベリングをするとは言えモンスターを積極的に倒す戦闘狂な一面を見せ、オークすらも食材と捉えている。とは言え、基本的には素直であるのか、考えが表情や視線で読まれる事もある。

武術関連のスキルは平凡な素質が占められている為、戦闘には向いていない。ガメルの迷宮にて魔法を二種類会得したもののMPも少ないため、魔法を連発するにはマナポーションを飲む必要があった(当然、後先考えずにやったせいでガメル迷宮内にて尿意に襲われる羽目となった)。

しかし家事関連のスキルは高いものが並んでおり、取り分けに料理スキルはジンクからも「白金貨数枚の価値はある」と言わしめる程の規格外。実際、料理の練習をさせたら伯爵邸の料理人よりも上手くなる程に上達していた。その事もあってか、他のメイド奴隷5人を下につけて厨房の管理とジンク専属の料理人を担っている。後にガメルの迷宮で盾術を会得しており、その伸びはかなりのもの。

漫画版では「奴隷刑囚売買斡旋所」に送られたイアンを一目で信頼できる人物としており(ジンクはこれで購入に踏み切った)、ある理由で自害しようとした時には泣きじゃくっていた。

 

  • イアン

ジンクの奴隷である青年。18歳→19歳。

元はローレンツ商会会長ヨーキの嫡男であったが、父の後妻とは折り合いが悪く、廃嫡計画を立てられてしまう。それを知って後妻と諍いに発展、揉み合いの末にナイフで殺されそうに所を正当防衛で死なせてしまった。

不運な事故といえど殺人罪を犯してしまった事で「奴隷刑囚売買斡旋所」送りとなり、そのせいで貴族や大商人から忌避されている。

おまけに身内が買い戻す対策として売値の十倍も付けられていたが、意を決したジンクによって購入。

「煉獄の彼方」スパイ事件の解決後、平民籍を獲得した事により正式に冒険者登録、クラン「刻印」に加入した。

性格は優しく面倒見も良いものの、いかんせん生真面目で、メイド奴隷にからかわれるのが悩みの種。とは言え、商人の血が騒ぐ所もあり、鉱石を見ると心躍る場面がある。また、ジンクが敵対者を嵌める為の作戦の意図に気づき、それに乗るなど「黒い」部分を見せていた。

武術関連のスキルはジンクから「即戦力」と太鼓判を押す程に軒並み高く、伸び代もある(当然売値も白金貨53枚とものすごく高い)。

固有スキルの素材鑑定も規格外で、これを応用する事で鉱物を調べられる特性がある。剣術に関しては扱いが難しいであろう刀剣を使いこなしている。

また、地頭の方も良いのか、経済科二類に通常より7年早く飛び級で入学、卒業していた。


  • ダン

クオール王国ガメル支部・ギルド長→クラン「刻印」所属の冒険者。44歳。

彫りの深い顔立ちと左側に走る傷跡と薄い頭髪が特徴(若い頃はちゃんと毛髪があった)。

フォンカー公爵家の分家にあたる貧乏騎士爵家の妾腹の五男として生を受けたが、幼少時は金の問題で学者に行けず、野原で剣を振る日々を送った。

それでも才能はあったのか、ダニエルやフォンカー家は養子入りとして迎え入れようとしたが、貴族のコネを拒んで12歳で出奔。ガメルで冒険者家業を送ってギルド長になった。

剣術と解体スキル持ちで、剣の持ち方がモンスターを解体するときの剣の使い方と酷似している。緩急をつけながら執拗に相手の「関節」や「腱」を狙っており、生き方まま相手を「解体」するような攻め方から「捌き屋」の称号を持っている。


また、仮Bランクの試験官を担当しており、一定時間剣撃を耐え抜く「耐久試験」をジンクに課していた(ちなみにジンクは合格し、寧ろ自らの愛刀にヒビが入ってしまった)。

口は悪く、Sランクで無茶をしがちなジンクに小言をぶつける事もある。一方で懇意にしている商会長のヨーキが後述の理由で憔悴していた姿を見ていられず、ジンクに優位な取引契約を交わす便宜を図っている。


大規模クランである煉獄の彼方が黒い組織である事を知っていたが、向こうが力を付けすぎた故に自分一人では止められず、ただクオール出身の冒険者が犠牲になるのを見ているしかなかった(目にかけた後輩もその一人であった)。しかも自らも昇段試験で煉獄の彼方のジェイに深手を負わされてしまい、彼の持つギフト「感情移入」で思考や感情、それに付随する情報を随時煉獄の彼方に読まれてしまった。その事からジンク一行に疑われた事もあるが、自白剤により本心を打ち明かしたことでそれも解かれ、不信感を抱いたエスターも後に謝罪した(漫画版では煉獄の彼方と何らかの繋がりがあり、当人もその名前を聞いて心当たりがある反応を見せていた)。


煉獄の彼方の面々を捕縛させる事は出来たものの、「煉獄の彼方」スパイ事件での一件で自らも罰を免れず、ギルド長の懲戒免職並びに軽晒し刑、ジンクが立ち上げたクラン「刻印」の五年間所属となった(本来なら三日間の重晒し刑及び懲戒免職、ギルド除籍になるはずだったが、ジンクとダニエルの嘆願書だけでなく、国王からの報酬を寄付金にして煉獄の彼方で出た被害額の補填、そして迷宮都市に関わる殆どの要人が煉獄から情報を抜き取られた事もあってかこのような処分に落ち着いた。また、上層部も本心ではダンを手放したくはなかったようだ)。後にエスターの護衛と「煉獄の彼方」との落とし前をつけるべく、ロサルタ・ナザールとの報復戦争に参戦。


ちなみに既婚者であり、妻のアルファに尻に敷かれている模様(お小遣い制であり、酒も禁じられている)。後、夜の営みで結構搾り取られており、その主犯格であるジンクにゲンコツを見舞わせた(漫画版では簡略されたものの、やはり搾り取られた模様)。

HAYADAI氏によると、初期案では「ヒゲの生えたキューピー」であったが、原作者の御影氏から俳優のジェイソン・ステイサムを参考にして欲しいとアドバイスされて修正した。


  • アレクサンダー

Cランクパーティー『ドラゴンの涙』のリーダー。31歳。

Bランクと実力はそれなりにある事から、他のメンバーから『兄貴』と呼ばれている。

護衛依頼をこなした後、モービブルクに帰還する途中でAランクのモンスター『レッドオーガ』の襲撃に遭い、逃げおおせる最中に全財産が入ったマジックバッグを置いていった上に、メンバーも重傷を負ってしまう。途方に暮れたところを、ロサルタ王国から脱出する道中のジンクからエクスポーションを授かった事で事なきを得た(その事もあってか、漫画版ではジンクが国外追放された事を聞いて動揺した冒険者たちに「悪人ではない」と弁明した)。

ジンクにエクスポーションを貰った礼として、エスターにエンチャントを施した装備を送り届けるお使いを引き受けてジンクと別れた。この際、Aランクパーティー『聖なる焔』と同行する形で到着を果たしたが、様々なスキャンダルで大混乱になったロサルタ王国に見切りをつけて脱出。ジンクと再会して『刻印』に加入した。なお、ロサルタに関しては恩も愛着もないが、それでも祖国であるのかロサルタ戦には参加しない意向を示した。


  • *ドラゴンの涙

Cランクパーティー。メンバー全員がモービブルクの冒険者。

モービブルクに帰還する途中でAランクのモンスター『レッドオーガ』の襲撃により数名が重傷、逃走の最中に全財産が入ったマジックバッグを紛失してしまう。

そこに出くわしたジンクがエクスポーションを与えて事なきを得た。

祖国であるロサルタ王国に拠点を構えていたが、ある事情でクオール王国に拠点を移して『刻印』に加入。


ジンクの関係者編集

  • エスター・ノンランド

ロサルタ王国のノンランド公爵家の次男。12歳。

ジンクとは反対に優れた槍の才能を持っており、それでいて性格も良い。その事もあってか、使用人の人数もかなり多い。

中性的な見た目で、女装しても全く違和感がないほど似合っており、周囲に度々女性と間違えられた。しかし当人はそれにコンプレックスを抱いている。

貴族社会の嫌がらせに慣れているのか、ニーナがマナポーションで尿意に襲われる様に仕向ける事を看破していた。


ジンクの事を「お兄様」と呼んで慕っており、彼の悪口を耳にすると機嫌悪くする場面もあり、ジンクの追放を最後まで異議を申し立てていた(それも叶わなかった為、使用人にジンクの所持品の運びを手伝っていたが、ゴードンにバレてしまい暴行と50日の謹慎を食らってしまった)。一方で、槍の才能が優秀な自分のせいでジンクの人生を奪ってしまったという思い込みに駆られている部分がある。

後にカレン達との手引きでロサルタから脱出した際は、ジンクの追放を止められなかった贖罪としてエルザ共々自主的に奴隷となり、断罪される事を望んでいた(ちなみにクリスとマリアに普通の使用人と同じ扱いになるように説得されたが、それでも押し通した)。

しかしジンクは元より罰するつもりはなく、ロサルタの情勢が落ち着くまでは書類上はSランク冒険者であるジンクの奴隷という扱いとなった。後にジンクからロサルタ・ナザールとの報復戦争に参加する様に言われたが、これは戦功を立てる事で将来に有利に働けるようにする為である(その真意を読めなかったエスターは不要になったと思い込んで悲しんだが)。

父ゴードンと祖父ノーブルに関しては、ジンクを虐げた事を許しておらず、後に死体となって再会した二人が口論している最中に魔法で葬った(一方で漫画版では育てた恩があるとして最後の情として自らの手で引導を渡した)。


槍術と棒術の才能はかなり高く、ギフトもアイテムボックス(小)を授かっているが、剣術と身体強化・回復魔法、格闘術や火魔法・土魔法、水魔法は不得意となっている。細身ということもあってか、腕力も「突き」以外に不安を残していたが、この点は魔法を織り交ぜた斬撃で克服している。


  • マリナ

ジンクの奴隷である妖精族の少女。10歳。

翡翠色の羽が生えた小柄な風貌をしている。

後述の理由から、クラン「刻印」を立ち上げた事で必要な人員を確保するために十数名の奴隷を確保した後に購入した。

以前はガメルの貴族に所有されていたが、その貴族に虫籠を入れられただけでなく、機嫌が悪い時は腹いせに食事を抜かれるなど、酷い扱いを受けていた。妖精族は高価だという事もあってか暴力を振るわれずに済んでおり、例の「煉獄」事件で失脚して金銭面に困窮したのか商館に売り飛ばされていた。

また、両親も物心がつく前に死別しており(それ以前にマリナの故郷である小国も既に滅亡していたせいで奴隷として売り払われた)、長期間の奴隷生活の影響で読み書きもままならなかったが、一方で会話は成立している。

そんな過酷な境遇を経験したからか、年端もいかない年齢ながらも大人びている。

魔法系の資質は軒並み高く、召喚魔法と風魔法が優れている。また、ギフトも「MP増加(大)」とカノン以上に強力。流石に購入時は使えるスキルはなかったものの、育てれば確実に戦力になる。


  • エルザ

ジンクの乳母であり専属メイド。

元々は下級貴族の出で、豪商との政略結婚を蹴ってまでジンクの母に仕えたが、彼女も毒殺事件で失ってしまった(その場に同席した夫と息子も犠牲となった)。

幼少期の頃から面倒を見ていたジンクは彼女にとって自分の子供同然であったが、冤罪による追放を見ている事しかできず、一時期はロクに食事ができなくなった。

当然ながら生存を知った時は元気を取り戻して「聖なる焔」に毒殺事件を明かした後にエスター共々脱出し、同時に上記の追放で自らの非力を悔やみ、ジンクの奴隷となった上でレベリングに参加した(当初はジンクに断罪される事を望んだが、結局ジンクの意向により行われなかった)。


  • アンジー、モミザ

ジンクの奴隷である女性メイド。元は普通の農民であった。

スキルは不明だが、ジンクによって付与した武器を装備している。こちらもレベリングに参加。

漫画版では少し出番が増えている。


クオール王国編集

  • ニコラウス・ブランド

クオール王国大衆派に所属する伯爵。妻のマリアと息子のクリスがいる。

貴族特有の嫌な感じを持っておらず、ジンクに対しても分け隔てなく接している等、貴族らしかぬ貴族の言葉を体現している。

ロサルタ・ナザールとの報復戦争においてはクオルタ方面軍を率いており、クオルタの街を制圧。


  • クリス・ブランド

ニコラウス・ブランドの息子。15歳。

クオール王国高等学舎・騎士科二類に受験し、合格。

かなり活発でジンクとは男友達の様に接している。

ロサルタ・ナザールとの報復戦争においてはヒューズ兄弟と共に従軍する形で参加。


  • マリア・ブランド

ブランド伯爵夫人。

ジンクに対してかなり期待しており、王家に通して屋敷のプレゼントを働きかけていた。


  • ロイ・ヒューズ、ルイ・ヒューズ

ヒューズ騎士爵家の双子の兄弟。15歳。

クオール王国高等学舎・魔法科一類に受験し、合格。

ジンクを連れ戻そうとするプタニル侯爵一行に人質として狙われたが、護衛によって事なきを得た。

この出来事により「子爵位と領地、白金貨10枚の領地運営費、白金貨1枚の報酬」を獲得。更にはクリスとブランド伯爵夫人の紹介により大衆派貴族の伯爵令嬢二人と婚約関係を結ぶ事ができた(しかし、これが親兄弟より爵位が上がったため険悪な関係になってしまった)。

ロサルタ・ナザールとの報復戦争においては将来の出世の為に戦功を立てるべくロサルタ方面軍に参加。


  • ダスティ・ペナム

クオール王国侯爵。67歳。

クオール王立高等学者魔法学科入学試験では実技試験の審査を担当していたが、試験を受けたジンクの並外れた実力をクオール国王ノミールに報告した。

鑑定スキルの持ち主で、ジンクが冤罪をかけられて追放した事を見抜いた。


  • ノミール・クオール

クオール王国国王。外見は30歳程(ジンクの見立て)。

付与術師のジンクを国家規模で庇護すると表明している。一方で漫画版ではジンクがロサルタ王国から追放された事に関してロサルタ側に別の思惑があると分析している。

ロサルタによるジンク誘拐並びに密偵行為、ナザールによるスパイ並びに侵略行為に対して報復戦争を仕掛けた(その際、ロサルタ側の主犯であるプタニル侯爵を斬首した)。


  • ナジェンダ・クオール

クオール王国第一王女。クオール王立高等学者政治科・一類に進学した今学年の総合次席。15歳。

長い銀髪と美麗な容姿をしている美少女。

王族である事もあってか、学舎に通いながら国王の政務を手伝っている。内政向きの人材であるが、戦闘力はそこまで高くない。

ロサルタ、ナザール両国との戦争には方面軍のトップとして参加、戦後はロサルタの新たな統治者となる(あくまでも形式である為、実際の統治はノミールの叔父上の部下に任せ、ナジェンダ自身は重要な式典を除いてクオール王国に滞在している)。

 

  • ブロギー・ランドセル

ランドセル公爵家の跡取り。醜男というべき外見をしている。

中等部の頃は家柄を笠に来て横暴を働いており、何人もの学生を退学に追い込んだ(漫画版では、ジンクからはエリオット皇太子と同類として嫌悪されている)。

拳闘術を取得しているが、ジンクに一撃で倒されてしまった。

そんな問題児が三類とはいえ高等学者に進学出来たのは、父親が得意としている「揉み消し」と「詭弁」で誤魔化しており、王族さえも確たる証拠が見つからない事から注意喚起に留めていた。

それでも評判は最悪だったらしく、前述の通り撃退したジンクに対して教師一同から称賛された挙句に体罰を受けられ(web版)、王族はこの件を不問に処していた(漫画版)。

後にランドセル公爵家がナザール王国と通じた上にクーデターを企てた事がフォンカー公爵による調査で露見されて失脚、自身も鉱山奴隷となった。


  • アッシュ

イアンの弟。13歳。

義母に甘やかされて育った事もあってか、Sランクで付与術師の冒険者であるジンクを襲撃するなどの短慮さが目立った。

一方で義母を手にかけた兄のイアンに対しては思う所があるが、それでも自分より優れたイアンに対して誇りに思っているらしく、奴隷呼ばわりされている事に我慢できなかった。

ジンクに挑むも、スキルがあまり強くない事もあってか打ち負かされてしまい、冒険者ギルドの職員に拘束される。

数日間は独房で反省の後、厳しい再教育を課せられる事になった。


  • ヨーキ・ローレンツ

ローレンツ商会会長。40歳。

誠実な人柄でそれなりに優秀な商人である事からガメル支部と懇意にしている。

妻を亡くし、長男であるイアンは諸処の事情で奴隷堕ち、次男であるアッシュもイアンの主人であるジンクを襲撃するという不運に見舞われている。

当人はジンクに謝罪と命乞いをしていたが、ガメル支部長のダンとジンクの図らいで不問に付していた。


  • ダニエル・フォンカー

クオール王国公爵、元宰相。55歳。

幼少期の頃に領地経営を学ぶ為に分家の貧乏騎士家が収める領地を代理経営していた(ダンが生まれたのは11歳の頃)。

ダンとは知り合いであり、彼が「煉獄の彼方」スパイ事件でギルド除名になった時はフォンカー家に戻るように呼びかけたが、当のダンに断られた(そもそも事後処理を担当したのもダンを連れ戻すのが目的だった)。

落ち着いた物腰をしているが、かなりエゲつない方法を打ち出している。「煉獄の彼方」スパイ事件に乗じて政敵を一掃させてガメル領主の座を手中に入れ、考えを異にする分家の面々を公爵家に招き入れてハーバード達に始末させる事で「使者」を指名手配にさせた(勿論当人は事前に把握する事で迅速に避難した)。


  • フォンカー分家の面々

フォンカー公爵家の分家の者たち。外見を見るからに老人と考えられる。

ダニエルとは考えを異にしていたが、公爵邸を襲撃したハーバード率いる「使者」によって殺害される。そしてこの一件で「使者」は指名手配犯となり、分家の人間はその為に利用されてしまった。

漫画版ではガメル領主となったダニエルを煩わしく思っており、一方で家を招き入れたダニエルが来ない事を不審に思った所を「使者」達に襲撃される場面が描かれた。


聖なる焔編集

Aランクパーティー。クオール王国大衆派に所属している。

ウィルによってジンクの装備に『身体強化+8』が付与されている事からジンクが付与術師だと看破し、彼をクオール王国まで護衛をしていた。

その後はジンクをブランド伯爵の元に送り届けた後は、クオランドに向かうジンクを見送った。

ロサルタ・ナザールへの報復戦争では参戦。


  • カレン

Aランクパーティー『聖なる焔』のリーダー。229歳。

Sランク冒険者であるが、これは戦闘力はそこまで高くないものの、優れた回復魔法の腕を持っていることに起因している。称号もそれに因んで「治癒姫」となっている。

その美貌に見惚れた冒険者も少なくないが、種族がエルフであるので長命であるが年齢を気にしており、そこに触れた者には鉄拳制裁を食らわせている。

一方で(彼の方から「貴女の奴隷にしてください」と言ったとはいえ)エスターを女装させる暴挙(?)を行った。

漫画版ではチャイナ服のようなデザインになっており、第二巻での巻末コメントで作者もそれに言及している。


  • ボガード

Aランクパーティー『聖なる焔』のメンバー。41歳。

剣を得意としている筋骨隆々の男。職人気質で、実力主義者。


  • ウィル

Aランクパーティー『聖なる焔』のメンバー。33歳。

武器鑑定のスキルを有しており、ジンクの装備に『身体強化+8』が付与されている事から、彼が付与術師だと看破した。流石にジンクが施せるエンチャントの性能を耳にしたときは普段の冷静さが嘘のように驚愕していた(曰く「ジンクと対峙するくらいなら奴隷を選ぶ」)。

エスターにジンクのある事実を、軽い気持ちでバラして同業者にヤキを入れられる残念な一面がある。一方で漫画版では国外追放されたジンクがどんな逆転劇を見せるのかに興味を示しており、その為にジンクに肩入れをしている。


大樹編集

ガメルのクラン。自由を掲げており、その2つのクランのしがらみを嫌う者が集まっている。規模の方は200人と2つのクランに及ばないが、個々の実力は高い。

二つのクランをやめた「脱落者」を引き抜きたいが、両者に目に付けられて厄介な条件を押し付けられるジレンマに陥っている。

その二つのクランの壊滅後、ジンクが設立した『刻印』と協定を結んだ。

 

  • ルーク

冒険者クラン『大樹』のマスター。354歳。

エルフの種族に漏れず耳が長く尖っており、長命となっている。実力もクランを担うマスターに違わずレベルが289でSランク。弓術がかなり飛びぬけており、職業も『弓術士』とレアスキルではなく実力でSランクに到達していた。

ジンクと初めて対面した時には食料が底を付きそうである為一旦戻ろうとした所をモンスターの襲撃に遭ってしまう。(直後にちょうどジンク達が食べようとした時に遭遇した事から、オーク肉を使った料理を分けていただいた事で事なきを得た)。


  • レオン

冒険者クラン『大樹』の三軍リーダー。28歳。

Aランクであり、剣術に優れている。


ギルド・クラン関係者編集

  • スノウ

クオール王国クオルタ支部・ギルド長。36歳。

爽やかな顔立ちをした優男であるが、その外見とは裏腹にレベルが160でAランクの冒険者でもある等、かなりの実力者。

剣士でDランク以上の試験を受けるジンクの試験官を担当するが、そのジンクが「剣術レベル175相当(スキルとエンチャントを合計した数値)」であったせいで打ち破られた。

当初はジンクに敗北をした事にショックを受けたが、自らの努力不足を痛感して精進する事を誓う。同時に、ジンクが『付与術師』『鑑定士』である事は責任を持って認めた上で彼に仮Cランク昇格を告げた。


  • モナ

ガメル支部のギルド受付嬢。32歳。

ジンク・ノンランドの専属を担当している。

購入する時はギルド直売のものを勧めるなど商魂を見せていた。

しかしジンク達が大量に持ち帰ったドロップアイテムの光景に愕然し、web版ではその査定に他の職員共々魂が削られるレベルで苦労してしまった。

だが、その査定をバイトと称して冒険者に数えさせた結果「メンタルキラー」の称号を手にしてしまった。


  • アルファ

クオール王国ガメル支部・ギルド長(臨時)。

元冒険者であり、ダンが煉獄の彼方の一件で懲戒免職になった時は後釜が見つかるまではギルド長を務める事となった。

多少荒っぽい所もあり、ダンを尻に敷いている。一方でダンが「刻印」に加入してからは二人で過ごす時間が減った事に悩んでいたが、ジンクから精力剤と媚薬をプレゼントした事で事なきを得た(ダンの方は別であったが)。


「使者」討伐隊編集

フォンカー邸襲撃により指名手配となった「使者」を討伐するためのメンバー。

全員がSランクの冒険者でレベル200越えという実力派ぞろい。

漫画版では出番が増加し、ジンクやイアンと同行している。


  • カノン

Sランクの召喚士。409歳。

翡翠色の羽が生えた小柄な風貌をした妖精族であるが、上記の通り人間より長く生きている。

可憐な姿とは裏腹に、捕縛した「使者」のメンバーに対して笑顔で容赦なく拷問していく姿から『スモールデビル』という称号が付けられた。

実力もかなりのもので、風魔法や召喚魔法を得意としている。ギフトも「MP増加(中)」を持っている。

使い魔はAランクのモンスター「エンペラースライム」。体内に入った人間の部位を徐々に溶かしていく事に加えて頭も良いが、何週間も召喚し続けると負担がかかる。

 

  • ベンヤミン

Sランクの魔術師。55歳。

オールバックの髪型をした壮年の風貌。


  • ヨーゼフ

Sランクの剣士。41歳。

双子の兄で、髭を生やしていない。


  • シュルフ

Sランクの剣士。41歳。

双子の弟で、顎髭を生やしている。


  • ディートリッヒ

Sランクのメイス使い。55歳。

スキンヘッドに顎髭を蓄えた巨漢。


使者編集

ガメルを拠点とする大規模な冒険者クラン。紋章はドラゴンの骸骨に交差させたカトラス。

その実態は上下関係や地位争いが激しく、実力や実績の芳しくない者を容赦なく組織の底辺へと転落させていくブラック組織。それを恐れる低ランクの所属者は死に物狂いで迷宮の入り浸りを余儀なくされる。

組織の収入源である上納金を末端から厳しく取立てる為、それが原因で辞めてしまう者もいる。しかしそこから抜けた者に対しては「脱落者」という名の「裏切り者」として扱っていき、ガメルの他クランに所属できなくなってしまう(これはギルドの規約に書かれておらず、ガメルでの暗黙のルールとして罷り通っているのが現状となっている)。

こうなれば低ランクの所属者は居続けるしか他にないが、いずれ無理が祟って体を壊してしまい、クランを解雇されてそのまま借金奴隷に堕ちる運命をたどる。

こうした事から商人の間でも評判は最悪に等しいが、質の悪い事に知名度だけは突出しているので、このクランの実態を知らずに所属してしまう者も後を絶たない。

実際、クランマスターであるハーバードの存在が「使者」の地位を保っており、その強さに憧れて加入するが、半年も経てばすっかり彼に怯えてしまう。

一方でメンバーはハーバード含めて脳筋ばかりである為か、ライバルにあたる「煉獄の彼方」に情報を抜かれる事も度々ある。更にはジンク達を潰そうと策を講じても返り討ちにあい、自らの行為で指名手配されてしまった。追い詰められた使者の面々はガメルの迷宮を経由してヤマト王国へと逃亡し(その際、二軍のメンバーを切り捨てた)、更にはモグリの密航船に乗って脱出を図ろうとしている。しかし「砂漠エリア」と「火山エリア」の過酷な環境の前に手こずってしまい、最終的にはカノン率いる討伐隊に捕縛されてしまった。


  • ハーバード

Sランク冒険者・「使者」のクランマスター。35歳。

かなりの荒くれ者であり、一言で述べるならば「*戦闘に極振りしているが、知性も人望もない」人間。

少しでも気に入らない事があると暴力を振るう癖があり、ミスを犯した使者のメンバーに対しては容赦なく制裁を与えており、時には保身のためならば部下すらも切り捨てるような行動も取る。その苛烈なまでの暴力的な性分から「使者」のメンバーもハーバードにご機嫌取りしようと彼に同調しているが、内心不満を抱いていた。

初登場時には断罪される「煉獄の彼方」に罵声を浴びせながらも、「煉獄の彼方」に情報を抜き取られたメンバーに見るも堪えない傷を負わせた上で傍聴席に正座させている。

一方で脳筋なのか自らの立場を弁えずに自らの品格を下げる発言が多く、ジンクに嫌がらせをしかけるつもりが、その上を行く嫌がらせで返り討ちに遭ってしまう。そのせいで「ダン襲撃に噂が広まって元煉獄の彼方のメンバーを雇えない上に、フォンカー公爵に目をつけられる」「性癖を街中の人間にバラされて恥をかかされ、フォンカー公爵家お抱えの武器屋が投売りした事でシェアを奪われる」「フォンカー公爵の襲撃に失敗し、分家の人間を殺害した事でメンバー共々指名手配犯として認定される(当然ながら冒険者資格も剥奪)」事になった。

流石の彼もロサルタ王国やナザール王国に逃亡する訳にも行かず、ある秘密のルートを一軍のメンバーに教えた上で喪失させない様にする等、慎重な行動をとった。しかし逃走も空しくカノン率いる討伐隊に捕縛されてしまい、エンペラースライムに溶かされる形で御用となった。

漫画版ではミスを犯したメンバーに形だけの謝罪をした上で今月分の上納金を倍に支払わせているなど、わざわざ不特定多数の者に自らの力を見せつけている他、火山エリアでは自分だけ逃げおせるために嫌がる部下を無理やりアクロカントの亜種の巣穴に放り込んで食い殺させる暴挙を働いた。

実力の方は戦闘に極振りしただけはあって、レベルも200超えで槍術や身体強化、火魔法と格闘術を得意としており、ギフトも「頑強」と自らのステータスと相性の良いモノとなっている。

特に槍を得意としており、得物である槍も身の丈程にあるのか剣よりも間合いが広く、ジンクの見立てでは剣は不利になり、魔法を発動しようにも踏み込まれると分析していた。


  • 使者のメンバーA

漫画版ではヒゲの生えた中年男性の容貌で、立場からしてそれなりの地位にある。

煉獄の彼方に情報を抜かれたメンバーと「軽」晒し刑に処されたダンと共倒れにさせる策を打ち出した。しかし警備に当たったジンクや「大樹」「竪琴」により失敗。

この事がダンと繋がりのあるフォンカーに目を付けられてしまい、煉獄の彼方のメンバーだった者のスカウトもご破算。策が完全に裏目に出た事で怒り狂ったハーバードに半殺しになるまで制裁を受けた。


  • 情報を抜かれた使者のメンバー

「煉獄の彼方」に情報を漏らされた面々。その件で体中が傷だらけになるまでにハーバードに痛めつけられた挙句、その責任を取って脱退された。

その後は情報漏えいによる罰で「軽」晒し刑に処されたダンに金属ゴミを投げつけていくが、ジンク達の妨害にあって失敗。

しかも、脱退も表向きである上に、街中の武器屋を回って使用不能の武器を買い占めていた事がバレてしまう。

要は命令を下した「使者」に責任を問えないようにした上でダンを潰そうとした捨て駒同然であった(とは言え、金属ゴミを風魔法で迎撃したダンに野次を飛ばしたが)。

その事もあってか、漫画版ではギルドからの罰金が科せられると告げられてしまい、やむなく撤退した所で出番は終わった。


煉獄の彼方編集

ガメルを拠点とする大規模な冒険者クラン。紋章は翼の生えたドラゴンの背に鋭利な逆十字。

使者と同じく上下関係やポジション争いは熾烈となり、実力や実績のない者を容赦なく切り捨てていく。当然ながらこちらも商人の間での評判も最悪だが、知名度も突出している。

情報戦と狡猾さにおいてはトップクラスであるが、それもその筈、このクラン自体がクオール国内での諜報活動と物資の略奪を目的にナザール王国が組織したものであり、幹部全員がナザール王国からクオール王国へと送り込まれた諜報部隊。迷宮で獲得したアイテムもナザール王国の息がかかった商人(そもそもこちらも諜報員)に卸していた。また、クオール王国の勢力を低下させる為に、クオール王国出身の実力者を引き入れては利用し、用が済めば密かに排除していた(表向きは行方不明として処理されている)。

ナザール王国から脅威となるジンク暗殺の命令が下されており、敵対組織である「使者」の人間に偽装した上で任務を遂行し、失敗しても「使者」の仕業だと誤認させた上で、ジンクと「使者」とガメル支部のギルドの関係を険悪にさせようと試みる。


メンバー全員が諜報部隊の中で武術に秀でており、二軍と一軍のメンバーは高ランクの実力者ぞろいでギフトもスパイ向きが揃えられていた。しかし二軍の面々は長い期間の禁欲生活に加え、思考力を低下させる薬とジンクが発案したエグい作戦で「怒り」「食欲」「嫉妬心」を剥き出しにした所を突かれ、一軍の面々も特級魔法『ビッグウェーブ』の不意打ちで一網打尽にされて捕縛、全員ゴーレム牢で輸送された(尚、ジンクの狙いとして尋問の際に「素直に応じた者達」と「反抗的な者達」でゴーレム牢の中や食事の待遇を分ける事でチームの統率力を乱していく)。

その後、今までの悪行が「ギルドへの反逆行為」と「クオール王国に対する侵略行為」と見なされ、メンバーは「回復魔法を施しながらのムチ打ち千回」「顔面と腕に重罪人の刺青」「犯罪者奴隷として終身強制労働の刑」という重罰を下された(当然財産も没収、ジンクや被害にあった「大樹」の面々に分けられた)。


付け加えると、追い詰められた時はメンバーの殆どが命惜しさに組織や国家の機密情報を白状する、上記のゴーレム牢での待遇の差で仲間割れを起こすなど、スパイという危険な職に就きながら祖国への忠誠心や協調性は皆無であった。結局の所、ナザール王国はクオール王国に戦争を仕掛けられる大義名分を与えてしまった。


  • ジェイ

煉獄の彼方の一軍メンバー。

ギフトは「感情移入」。発動すれば相手の感情や思考、それに付随する情報を全て読み取ることが出来る。しかし精神力をかなり消耗する事から10日に1度しか使えず、尚且つ対象も「過去に重傷を負わせた相手」のみと限定されている。また、発動するタイミングを間違うと自らの精神にダメージを受けるデメリットがある(後述)。

昇段試験を逆手にとってギルド長のダンに重傷を負わせて5年以上もかけて情報収集をしていた。しかしダンがジンクと自白剤の飲み比べをしていたタイミングで発動した結果、ダンの精神的苦痛を直に受けて人格崩壊を起こしてしまう(当の煉獄の彼方はダンが感情移入のギフトに気づいて精神攻撃を与えたのではないかと推測された)。

しかも発狂したせいでワイバーンに嗅ぎつけられてしまい、煉獄の彼方のメンバーが逃走するための囮にされて食い殺された。


  • ネヴィル

煉獄の彼方の一軍メンバー。

パーティーの補佐役で戦闘力は二軍と大差ない(とは言うが、戦闘力はAランク相当であるため決して低くない)。

ジンクと同じく「鑑定」スキルを持っており、直接視界に入った相手のステータスを読み取れる。

しかし、対象者が目に入らなければ使えないため、そこを突かれて『ビッグウェーブ』と『エアーカッター』を食らって戦闘不能となった。


  • フォーブス

煉獄の彼方の一軍リーダー。

ギフトは「予知」。魔力を消費する事で数秒後の未来を見る事ができ、カウンターやフェイントであっても「予知」できる。

フォーブス自身も剣の腕は平凡であるものの、このギフトを戦闘中で使用し続ければ短期決戦においてはSランク相当の戦闘力を発揮出来る。

逆に言えば「予知」を発動していなければ不意打ちを防ぐ事は出来ず、また、視界の入っている範囲でしか「予知」出来ないため、広範囲攻撃にも苦手。

当然、「予知」を使い続ければ魔力を徐々に消耗する為、格上相手には長期戦に持ち込まれると不利に立たされる。

ジンクと戦闘になるが、『ビッグウェーブ』の発動に乗じて撒いたスライムローションのトラップでメンバーが足元を取られてしまい、やがて自らがジンク達に敗れる未来を「予知」したのかアッサリと降参。

こちらも簡単に寝返ったのか、一軍で一番良い待遇を与えられたものの、当然ながら仲間からのヘイトを一身に受けてしまった(漫画版では錯乱した三軍のメンバーが証人もろとも「大樹」やジンク一行を始末する「予知」を見たときは慌てふためいた)。


ロサルタ王国編集

ジンクが元いた国。首都はルタ。

あまり良い噂がなく、後述の宰相一家毒殺事件が起きた後はそれに拍車をかけてしまった。実際ルタでは一部の貴族と裏社会の連中が結託しており、麻薬や毒薬の売買や人攫いが度々行われている。それらが関係しているかは不明だが、クオール王国とは犬猿の仲であり、ヤマト王国からもいい感情を向けられていない。

貴族や役人が予算を中抜きしているせいで貧富が激しく、場所によっては衛生状態が劣悪となっており、それが原因でナザール軍内部で病気が蔓延していた。

このように負債が多いものの、国土の一部が海に面している為、内陸にあるクオール王国からすれば遠くの国からの交易と海上戦、更には「塩」を手に出来るメリットがある。

後に宰相一家毒殺事件がエリオット皇太子によって暴露された事により、メリッサとその祖国ナザール王国との関係も破綻。王家の失脚により空席になった王座を担ぎ上げる為にジンクを強引に連れ帰ろうと試みているが失敗。これにより、ナザール王国とクオール王国の2つと戦争する羽目になり、後にルタの陥落とエリッヒ国王の処刑により滅亡した。


  • ゴードン・ノンランド

ロサルタ王国陸軍将軍・ノンランド公爵家当主。35歳。

父ノーブルの命令に従って正妻の暗殺、並びにジンクに廃摘と国外追放を言い渡し、独断で動いたエスターに暴行を加えただけでなく50日の謹慎を与えた。

一方で「貴族にしては甘い面がある」ようで、エスターにはジンクに最後の見送りを許した他、上記の暴行を回復させる為のポーションを置いていった事がそれにあたる。また、実の息子でないジンクを愛してはいなかったものの、情愛は持っていたのか追放刑にも反対していたらしく、子爵位を与えて辺境に住まわせておこうとしていた(結局立場が父と推進派よりも弱かったせいで止められなかった)。


そんな彼も、追放したジンクが付与術士であった事により敵派閥の貴族に糾弾され、エリオットがジンクの出自を明かした事で自らも犯罪奴隷となった。しかも奴隷になってからはひと際酷い扱いを受けた上に、ナザール王国との戦争では支給された装備品も粗末なものしか与えられず、最前線で肉壁として戦う日々を送っていた。最終的には指揮官にナザール王国の強者との戦いを強要され、父ノーブルの傀儡として生きた自らの人生を自嘲しながら戦死。

後にナザール王国の死霊術師によって「死体という名の駒」として再利用されるが、思わぬ形で再会したエスターに引導を渡された(Web版ではノーブル共々ファイヤ-アローで焼却され、漫画版では炎魔法で焼かれた)。


槍術と棒術、剣術と身体能力は高めであるが、実は格闘術はそこまで高くなく、魔法においても才能はあまりない。


  • ノーブル・ノンランド

ロサルタ王国陸軍総督・ノンランド家先代当主。

エスターを可愛がる反面、ジンクをあからさまに冷遇した上に悪評を流して評判を落とし、冤罪で国外追放させた。これはジンクがノンランド家の子ではない事が気に食わず、ジンクの母とその一族と関係者を密かに毒殺させていた。

そのジンクが付与術士であり、険悪であるクオール王国にたどり着いた事で敵派閥の貴族に追求されてしまった(ちなみに痔も悪化した)。エリオットがジンクの出自を暴露してしまった事がトドメとなり、自らは平民に罵声を浴びながら断首刑に処された。その死体はナザール王国によって回収され、死霊術師によって操られてしまうが、思わぬ形で再会したエスターによって潰された(Web版ではゴードン共々ファイヤ-アローで焼却され、漫画版では本体である頭蓋骨を槍で砕かれてしまった)。


  • エリオット皇太子

ロサルタ王国の皇太子。オークのような見た目をした肥満体の男。

護衛(という名の取り巻き)であるジンクを解任させて国外追放の遠因を作ったが、その理由が落ちこぼれと見下していたジンクが国王の落胤であることを国王とノーブルの密談で知った為。

そのジンクが付与術士であった事で糾弾されたが、ジンクの出自を暴露したせいで火に油を注いでしまい、離宮に軟禁。最期は怒り狂った国王に撲殺される事となった。

横暴かつ傲慢な人物であり、権力を振りかざして力ずくで欲望を満たそうとしている。自分を特別な人間だと思い込んでいる他、奴隷を物のように扱っていることが示唆されている。

一方で恐ろしく頭が悪く、上記の暴露もジンクが国王の落胤だという理由で自分も付与術師だろうという思い込みであった。それが自らの死がに繋がったと気づかぬままジンクに対して強い恨みを抱え、そこにたどり着いたガメル迷宮のオークジェネラルの魂と融合した。

しかし、頭の悪さと旺盛な性欲のせいでオークジェネラルは弱体化し、加えて幾度も復活する迷宮の性質から、経験値とアイテム稼ぎとして冒険者に狩られ続ける末路を迎えた。


  • エリッヒ・ロサルタ

現ロサルタ王国の国王。名前はWed版のみで明かされており、漫画版では単に「ロサルタ国王」となっている。

実はジンクの実の父親であり、宰相家の令嬢を無理やり致して身籠らせたのがきっかけ

その事実が明るみになれば国王の地位と正妻との婚姻関係が危ぶまれてしまう為、宰相家の令嬢をノンランド家に嫁がせていた。

しかし、宰相一家毒殺事件やジンクの冤罪追放を積極的に支援するなど、とにかく自己保身の為なら非道な所業を行っている。

そんな彼も、正妻の子であるエリオット皇太子の暴露により失脚(そのエリオット皇太子を逆恨みで殺害)、同盟相手であるナザール王国とその王族であるメリッサ王女から手を切られた。

後に、ロサルタ王国の首都ルタが陥落した事で取り巻きの貴族と共に釜茹でに入れられて処刑された(尚、死ぬまでジンクに対して罵詈雑言を垂れ流していた)。

 

  • プタニル侯爵

ロサルタ王国海軍総督、国王派の重鎮。

徹底的な身分主義者で、上には媚びへつらい、下には高圧的な態度を取り、平民に対しては相当残忍であった(web版ではジンクが把握しているだけで平民が100人犠牲となった)。

また、かなりの行動派であり、ノーブルの処刑とロサルタ王家の失脚により、ジンクをロサルタ国王に担ぎ上げようと身分を偽ってクオールに密入国をした。

4人組で商人の格好をしてクオルタの冒険者ギルドに護衛の依頼をするも、言動でボロを出してしまい、冒険者に護衛を兼ねて監視されていた。

ジンクの友人であるロイ、ルイ兄弟を人質に取ろうとするも現行犯で捕縛、拷問を掛けられた事でロサルタ王国の内情や内通している貴族等をすべて白状した。

しかし煉獄の彼方とは異なり、一行に有能な人材はいなかったのか市中引き回しの後に斬首された。そしてジンク誘拐計画と密偵行為によりクオール王国はロサルタ王国への宣戦布告を決定した。


ナザール王国編集

クオール王国の隣にある国。

国土こそ広いものの上層部は無能揃いで、賄賂やコネが横行したせいで十数年ナザール軍の戦力が落ちており、戦争にも負け続けているらしい。

しかし死霊使いの一族であるベルンハルト家が控えており、彼らのおかげで国力が維持されている。

ロサルタ王国と同盟を結んでいたが、「宰相一家毒殺事件」とジンクの出生が暴露された事で同盟を破棄。クオール王国に諜報部隊を送り込んでおり、大規模クラン「煉獄の彼方」として活動させた。

ジンクが付与術師である事を把握していながらも、自国の脅威になるとして「煉獄の彼方」に始末を指示させる。しかし「煉獄の彼方」もジンク一行によって壊滅した挙句、メンバーが保身の為に国家の情報を自白したせいでクオール王国に宣戦布告されてしまった。


  • メリッサ王女

ナザール王国の王女・ロサルタ王国の元王妃。

元はナザール王国の王女でロサルタ国王と婚姻を結んでいたが、その時期に国王が宰相家の令嬢と隠し子を作っていた。その事実をエリオット皇太子の暴露を知るや国王と離縁し、祖国もロサルタ王国との同盟を破棄、宣戦布告をした。

ちなみに義理の息子にあたるジンクに対してはナザール王国に取り込む事が出来ず、クオール王国につけば驚異になりかねないとして煉獄の彼方に暗殺を命じた(結局は失敗に終わったが)。


ベルンハルト家編集

ナザール王家と繋がりが深い由緒ある一族。

100人に一人程の割合で死霊魔法の適性を持つ者が生まれる事から可能な限り子供を作り、その中で死霊魔法の才能を持つ子供だけを一族の人間として育てている。

人数こそ8人と少ないが、マナがある限りは死体を操れるため、保有している死体の強さによっては敵に凄まじい脅威を与える。

腐乱死体や骸骨であっても四肢の部分さえ揃っていれば、生前と同じ力で戦える。死体に魔法を使わせることはできないが、毒が効かない上に痛みや疲労も無関係である事が示されている。対処法は死霊魔法を使える死霊使いを殺害、或いは死体を潰す必要があるが、死体が潰されても別の死体で補填でき、そもそも死体が動く事自体が相手側の精神と戦意を削がせるようなものであり、場合によっては動かされる死体となった身内と戦わされる事も余儀なくされる。

マナが枯渇すれば死霊魔法が使えなくなるものの、それまでに相手側が死亡すれば、死体としてそのままベルンハルト家の駒になってしまう。

その為、クオール王国はジンクとフォンカー公爵の提案通り「ある程度の損耗を割り切りつつも、ナザール軍全体の士気を徹底的に削ぐ作戦」を取る事を選択した。


その他編集

  • 斉藤甚九郎

ジンク・ノンランドの前世である日本人。

孤児院育ちで両親がおらず、バイトをしながら定時制の高校に通い、地元の会社に就職をした(大学は学費の都合で行けなかった)。

しかしその15年後にその会社が何らかの理由で倒産、ハローワークの帰りにガードレールを吹き飛ばして突っ込んできたトラックに轢かれて死亡。享年30歳。

ジンクが体を酷使する傾向があるのは、彼の社畜成分が大いに影響しているようだ。


モンスター編集

ここでは代表的なものを取り上げる。

  • オークジェネラル

通常のオークよりも強力なモンスター。

Bランクに匹敵する強さを持っており、ジンクも装備なしで一撃を食らったらやられた旨を分析していた。一方で頭が悪い上に動きが単調という弱点がある。

ガメルの迷宮15階のボス部屋にも出現しており、こちらでは一時間事に復活する(肉体こそドロップアイテムを除いて迷宮に回収されるが、魂はそのまま留まる)。


初遭遇時にはエンチャント装備をしたジンクに倒され、ガメルの迷宮の個体もジンク一行に食料扱いで幾度もなく狩られた(web版では肉に飢えたイアンとニーナによってたった10秒で屠られ、漫画版ではやられるまではそれなりに戦っていた)。その結果、ジンク達に深い恨みを抱き、ロサルタ国王に殺害されたエリオット皇太子の魂と混ざり合って「ネームドモンスター」となった。

しかし憑依した人間の影響で弱点がより悪化しており、女性を見ると盛りがついて突撃する為、その性質を利用して女性冒険者を囮にする戦法で討伐される(しかも女装が似合うエスターを女と勘違いする有様)。

そんな感じで大幅に弱体化したので冒険者から「アホーク」と渾名が付けられていたが、一方で16階層以降に踏み入れる冒険者が渋滞を起こしており、それに纏わるトラブルが起きる懸念が出てきた。


かなり美味である肉をドロップするが、たまに睾丸をドロップする事もある(漫画版ではニーナに知らせない様に尻子玉と誤魔化した)。しかしエリオット皇太子に憑依されてからは睾丸のドロップ率が上がった。


  • アント

ガメルの迷宮「草原エリア」に生息する蟻のモンスター。

他のアントを指揮する中隊長役のジェネラルアント、アントの女王であるクイーンアントがいる。

捕縛した冒険者を巣に持ち帰って食料としているが、オークの肉等も狙いをつけている。

前足の爪と酸を武器としており、硬い殻に覆われている。一体の強さはさほどではないが、群れで襲撃する上に女王を守る個体は更に凶暴となっている。

火属性が弱点であるが、初めて遭遇した頃のジンク一行は火魔法を修得していない(もしくは、覚えたてである)上に、五千規模の群れで襲撃した事もあってか苦しめていた。

しかし、オークの肉を囮にする習性を突かれてジェネラルアントをイアン達に各個撃破され、最終的にはクイーンアントもジンクに関節と触覚を切り裂かれた上で討伐された。

とは言え、襲撃されたBランクパーティー「竪琴」を逃がすために五千規模のアントと戦闘した為、その無茶な行為をモナやダンに咎められてしまった。


  • アクロカント

ガメルの迷宮「極寒エリア」30階層のボス部屋に出現する龍のモンスター。

特殊能力こそないものの、噛み付き攻撃は即死レベルの威力(ジンクの見立てでは身体強化で付与した装備品であっても例外ではない)、鱗も硬いため物理攻撃が効きにくい。その為、的確に回避しながら魔法をぶつける必要がある。

漫画版ではこのモンスターの亜種が「火山エリア」に生息し、こちらでは火の玉を吐き出す能力も加わっており、30階層にいた「原種」とは別物と言ってもいい強さを誇る。

更にその親玉を怒らせると番を呼び出す習性があり、番同士と戦った場合だとSランク冒険者数名であっても苦戦を強いられる。


幼体は魔石のみを落とすが、親玉だと高確率で肉を落としていく。


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