概要
ベイコク、ベイコック(baykok)もしくはパウグク(pau'guk, paguk)とは、アメリカ大陸の五大湖周辺に住むオブジワ族の神話・伝承に登場する悪霊で、オジブワ語やアニシナーベ語ではバカアク(baguck)、アルゴンキン語ではパカク(bakaak)と呼ばれる。
皮膚が半透明なので骨が透けて見えるという、目が赤く輝く痩せ細った姿の悪霊であり、森の中を飛び回って甲高い声で啼くと言われている。
透明な弓矢で戦士のみを殺す、もしくは棍棒で撲殺して肝臓を喰い散らかすと恐れられており、伝承によっては眠っている狩人の胸を気付かれないように切り裂いて、胃の一部を持ち去っってしまうともいわれている。
19世紀に活躍した詩人ヘンリー・ワズワース・ロングフェローが、オブジワ族の酋長から聞いた伝承を再構成し1855年に出版した叙事詩『ハイアワサの歌』において、「死」そのものであると描写されたことで広く知られるようになった。