概要
2020年7月3日より少年ジャンプ+に連載開始。作者は松本直也で3作目の連載作品。
毎週金曜に更新され、現在は単行本10巻まで発売されている。
作品に登場する怪獣たちに名前は無いが、特に強大な怪獣や未討伐の怪獣には台風の様に番号を付けられ、「怪獣○号」とコードネームで呼ばれる。
毎週金曜日更新ではあるが、基本的に3週連続で掲載してから1週の休載を挟むペースとなっており、休載時には日常風景イラスト集である「怪獣百景」が掲載されている。
また、スケジュールの調整や単行本作業等の為に隔週連載が続く事もある。
現在は『SPY×FAMILY』に並ぶジャンプ+の看板作品となっており、2021年6月4日発売の単行本3巻によって、ジャンプ+史上で最速ペースとなる累計部数300万部(電子版含む)を突破している。
更に、同年9月3日発売の単行本4巻にて、400万部を突破。
『次にくるマンガ大賞 2021』において、Web漫画部門で堂々の第一位を獲得した。
翌2022年10月には怪獣『8』号に相応しい8巻が発売、この時点で累計発行部数は888万部を突破した。
あらすじ
怪獣発生率世界トップクラスの怪獣大国・日本。
主人公「日比野カフカ」は、幼少の頃に幼馴染「亜白ミナ」と一緒に怪獣を全滅させようと約束し、怪獣を退治する日本防衛隊に入る事を夢見ていた。
しかし、ミナは日本防衛隊第3部隊長というエリートコースを突き進んだのに対し、自身は資質の乏しさから入隊テストに10年以上落ち続け、現在は討伐隊が倒した怪獣の死体を処理する、怪獣専門清掃業者・モンスタースイーパーの社員として働いていた。
入隊の年齢制限である32歳を超え、夢破れてしまったばかりのある日、アルバイトで入ってきた「市川レノ」から年齢制限が引き上げられることを教えられる。
最後のチャンスと、再び夢に向かって歩き出すのだが、そんな矢先彼は襲来した怪獣に襲われたのを切っ掛けに怪獣8号となってしまった……。
登場人物
メインキャラ
声 :福西勝也
本作の主人公。性格は至って真面目かつお人好し。
ひょんな事から世を荒らす生命体「怪獣」になってしまったが、何故か人の心を保っており、そのまま自らの夢と約束を叶えるべく、元の姿に"擬態"し正体を隠しながら奮闘してゆく。
声:加藤渉
カフカの会社にアルバイトで入ってきた18歳の少年。かつてのカフカと同じ防衛隊に入る事を夢見ている。生意気な性格だが、根はまじめで素直。
最初は夢破れたカフカを見下していたが、彼のアシストでスイーパー業務の初日を乗り切れた事に加え、怪獣から助けられた事で彼の勇気と咄嗟の判断力を認めて態度は氷解。
防衛隊やその入隊に関する豊富な知識を活かして、カフカのサポートを行うようになる。その後はカフカと2人で防衛隊に出願する。
声:瀬戸麻沙美
本作のヒロイン。カフカの幼馴染あり。ヒロインの日本防衛隊員の27歳。隊員としては若いながらも、その実力を買われて第三部隊の隊長を務めており、隊長内での人気も高い事から、未来の師団長候補と目されている。
幼少期にカフカと交わした約束からか、怪獣の討伐に対して他の隊員以上に注力する面があり、部下からも「あなたは怪獣倒すことにしか興味ないでしょうけど」と言われている。
しかし実際には、夢を約束しながらも諦めたカフカに対して「うそつき…」と言葉をこぼしたり、入隊希望者の出願書類にカフカの名前を見つけるや、途端に興味を示す等、カフカと共に怪獣を討伐すると言う夢を、カフカ以上に捨てきれていない様子がうかがえる。
自宅に虎を飼っており、討伐の際にも引き連れている。
声:ファイルーズあい
カフカ、レノが防衛隊員選抜試験会場で出会った少女。防衛隊長官・四ノ宮功の娘であると同時に、カリフォルニア討伐大学を16歳の異例の若さで飛び級・最年少首席卒業し、史上最高の逸材と謳われている。
その実力は、他の有力受験者の援護すら追いつかないまま、試験会場の怪獣をほとんど一人で一掃し、普段ならそもそも入隊希望者自体に興味を示さないミナが「噂以上」と評するほどである。
実力に裏付けられた自信から、試験前に突っかかってきたカフカに対して、事ある毎にその吠え面を拝みに来る等、性格は高慢。しかしながら、長官である父親の期待に応えようとして完璧であろうとしたり、想定外の怪獣に対して自ら時間稼ぎに回ろうとする等、その本心には実直で素直な面も垣間見える。
声:河西健吾
副隊長にしてキノコ頭と糸目が特徴の防衛隊員。ミナとは対照的に多弁かつ御笑い上戸と対照的な性格をしているが、冷静かつ分析力に長けており、厳しさをにじませる一面も。副官と言う立場からかミナの補佐にも長けており、殆ど出さない彼女の感情を読み取れる模様。
声:河本啓佑
防衛隊員選抜試験に参加している、優美な物腰の青年。注目株の有力候補者の1人で、東京討伐大学主席卒業と言う超エリートかつ体力試験も好成績を残す文武両道の人物。実際、入隊後も別格の四ノ宮キコルを除けば、同期で最上位の実力を発揮している。
カフカの長所を見ぬくなど人を見る目もある一方で、お茶目な一面を持ち、慰労会では率先して幹事を務めるなど、仲間想いな性格をしている。
バトルスーツを始めとした対怪獣兵器製造の国内最大手「出雲テックス」の御曹司だが、それを鼻に掛けることは無く、事業を継がず防衛隊員を目指すことについては『家の事情』と答えているが詳細は不明。
声:武内駿輔
陸上自衛隊の若手ホープ。出世の道を蹴って防衛隊への編入を希望した。褐色かつがっしりとしたいかにも軍人らしい肉体の持ち主であり、スーツ無しの体格面では選抜試験で体力測定1位を獲得している。
出雲ハルイチとは互いにライバル視し合っており、何かと二人で張り合っている場面が描かれている。
声:新祐樹
八王子討伐専を首席で卒業した秀才。中学生の時に亜白ミナに助けられて以来、彼女に憧れて防衛隊を目指していた。ギザ歯と三白眼が特徴で、活発で競争意識も強く、年の近い市川と張り合うことも多い。率直な負けず嫌いで、場の空気を明るくしてくれる同期のムードメーカーでもある。
防衛部隊第一部隊隊長。日本国の防衛隊の中では長官を除けば最強クラスの力の持ち主と思われる。
四ノ宮功(画像左)
防衛隊長官を務める四ノ宮キコルの父。
鋭い眼光をもつ初老の男性で素晴らしい成績を収めたキコルに対しても『完璧』であることを求めるなど非常に厳格。
怪獣
以下以外の怪獣については怪獣(怪獣8号)の記事を参照。
菌類のような頭部とむき出しになった歯が特徴のカフカ以外の初の等身大人型怪獣。相模原討伐作戦から存在が知られ、9号のコードネームを得た。人間サイズだが知能・強さ共に他の怪獣たちをはるかに上回っている。目的や正体に関しては謎が多く、神出鬼没かつ他の怪獣を操るなど各地で暗躍している。
怪獣9号に続く人型怪獣。非常に大柄で強靭な装甲を持つ、筋骨隆々とした体格。
見た目通りのパワーファイターで、実力が拮抗した相手との正面からの戦闘を楽しむ武人肌。
用語
怪獣関連
怪獣
古来より突如現れ、世界各地を襲う巨大生命体。強靭な肉体と異常な再生能力に加え、「余獣」と呼ばれる小型怪獣を無尽蔵に生み出す増殖力を持つ、この世界の災害。
動物が巨大化したようなものだけでなく、植物や菌類がベースになっているものもいるなど、その生態には謎が多い。日本はその出現回数がかなり多く、怪獣大国と呼ばれている。
現実で言うところの地震のような災害として扱われており、フォルティチュードという規模を示す数値が存在する。詳しい計測方法は不明だが※、地震のマグニチュードのようなもので0.1単位までの数値で表示され、数値が高いほど「強度」及び脅威度が増していく。
※戦闘能力で数値を推測しているシーンもあり、現実のマグニチュードの様な単なる(怪獣が持つエネルギー)という意味だけではない模様。
作中での計測内容によれば、
- 6.0以上あれば『本獣』クラス(本獣の強さはピンキリなので、5.0台以下も多いと思われる)
- 8.0以上あれば『大怪獣』クラス
- 9.0以上あれば『歴史に残る大怪獣』クラス
討伐後の遺骸処理事業や、遺骸を利用した化学技術・工業も発達しており、実際に防衛隊のスーツや兵器類もこれを利用して製造されている。
本獣
一つの怪獣災害において、その中核をなすメインとなる怪獣で地震でいう本震のようなもの。
余獣
メインとして発生した怪獣に付随して発生する怪獣で余震のようなもの。本獣の作った道を通ってきたもの、本獣に寄生していたもの、本獣が自ら創り出したものなど、一口に余獣といってもその種類は様々である。
怪獣の「号」
発生した怪獣が強大であったり、討伐が難航した場合に討伐庁が呼称するために付けるコードネーム。
物語開始までに計7体の大怪獣に付けられていたが、怪獣8号は防衛隊発足以来初の未討伐固体となった。
また、コードネームが付けられるクラスを総称して「識別怪獣(ナンバーズ)」とも呼称されており、この「識別怪獣」を素材とした兵器は特に強大な性能を有している(後述)。
防衛関連
日本防衛隊
怪獣から人類を防衛することを目的とした防衛チームで長官は四ノ宮功。
「討伐隊」ではなく「防衛隊」なので、注意されたい(防衛隊の上役に当たる機関として「討伐庁」が別個に存在する)。
余談だが作中の台詞から自衛隊は別に存在するらしい。またシン・ゴジラ及びシン・ウルトラマンの様に怪獣素材そのものが諸外国にはある程度秘匿されており、政治交渉の材料として討伐条約が幾つか存在している模様。
モンスタースイーパー
カフカが務めている怪獣の死体を処理する企業。正式名称は怪獣専門清掃業者株式会社モンスタースイーパー。
社用車のナンバーから、多摩付近に位置すると思われる。
出雲テックス
対怪獣兵器を開発・製造している国内最大手。
防衛隊で使用しているスーツもこの会社の製品であり、肩にロゴマークが入っている。
識別怪獣兵器(ナンバーズ)
識別怪獣の素材を用いた兵器群の総称。
防衛隊の戦力をもってしても討伐に困難を要した怪獣の素材を用いているだけあり、通常の武器とは一線を画す強大な威力を持つ。
しかし適合者以外では使用できず、使用者に多大な負荷をかけるため扱いは困難を極める。
また、怪獣討伐の最前線に駆り出されることになるため使用者の大半が殉職している。
ナンバーズ1
Rt-0001。
回避不可能な攻撃を行う『未来視』の怪獣と呼ばれた1号。その網膜から作られた日本最古の識別怪獣兵器。
電気信号の流れを視覚化し、動きの先読みを可能とする。
ナンバーズ2
Fs-1002。
かつて札幌を壊滅に追い込んだ2番目の識別怪獣から作られた識別怪獣兵器。
形状は両腕に装着するガントレット。打撃に合わせて衝撃波を繰り出し、広範囲攻撃を可能とする。
ナンバーズ3
形状不明。ナンバーズ5、7共々適合者が複数いるらしい。
ナンバーズ4
Lc-0039。
形状は巨大な穂先を持つ槍。
ナンバーズ6
冷気を操る力を持ち、識別怪獣兵器のなかでも最も強力で最も危険といわれる。
ナンバーズ10
兵器化せず戦力下に置いた8号、ラスボス筆頭の9号を飛ばして数字が置かれた。
現状唯一自我を持った怪獣兵器。詳細は契約者の項目を参照。
小説版
『密着!第3部隊』の副題で2022年10月に本編8巻と同時発売された。
時系列は本編3巻収録の22話と23話の間に当たる。また、第3章では保科副隊長が回想で語った「時代遅れの『剣才』」をミナに見いだされたエピソードの真相が明かされている。
アニメ
2022年8月にアニメ化が発表された。
2024年春アニメとして、テレ東6局ネット、BSテレ東、AT-X、アニマックスほかにて全12話で放送された。また、テレ東6局ネットでの放送と同時にX(Twitter)で全世界リアルタイム配信が実施された。
最終話放送後には、続編の製作が発表された。
スタッフ
原作 | 松本直也 |
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監督 | 宮繁之、神谷友美 |
シリーズ構成・脚本 | 大河内一楼 |
キャラクターデザイン | 西尾鉄也 |
怪獣デザイン | 前田真宏 |
音楽 | 坂東祐大 |
怪獣デザイン&ワークス | スタジオカラー |
アニメーション制作 | Production I.G |
主題歌
ED OneRepublic「Nobody」
余談
本作はフランスで非常に人気が高く、なんとフランス国立図書館と公式コラボしたこともある。
また極めて余談であるが、この漫画では本筋には関わらない部分にデフォルメされたコアラのモチーフが多用されている。
初登場についてはカフカとミナよりも早い、1話1ページの3コマ目での登場を果たしているほか、その後もたびたび隠れ要素的に登場しているので、ぜひ探してみてほしい。これは、怪獣8号の背景制作を請け負っている小岩井おっさ先生のイメージキャラクターである、カラフルコアラというキャラクターである。
ジャンプ+のコメント欄ではエヴァンゲリオンとの類似性(というよりパクリ)が指摘されており、アスカやエヴァがNGワードとして指定されているとして炎上している。とはいえ、アニメではエヴァの版権を管轄する株式会社カラーがしっかり名を連ねているため、公式間ではそこまで気にしていないようである。
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関連タグ
個別 | 少年ジャンプ+ 松本直也 |
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ジャンル | 少年漫画 バトルアクション 怪獣 どう見ても悪役 |
users入り | 怪獣8号100users入り→怪獣8号500users入り→怪獣8号1000users入り→怪獣8号5000users入り→怪獣8号10000users入り |
棲み分け | 腐獣8号 怪8男女カプ |