概要
CV:内山昂輝
漫画『怪獣8号』の登場人物。
日本防衛隊の第一部隊隊長。
髪の毛先のみを染めており、第1部隊には彼をリスペクトして髪を染めている隊員が多い。
人物像
基本任務に不真面目であり暇さえあればゲームに熱中するゲーム中毒者。加えてエゴサーチにも積極的であり、自己顕示欲は強め。特に防衛隊の顔として記事に取り上げられることの多いミナを大きくライバル視している。更に部屋が汚い、重度の買い物中毒、さぼり癖など問題点も多々あるが、実力は防衛隊の中でも高水準であり、現時点では最強戦力とされている。
その戦闘力はFt.7.2の巨大怪獣を苦も無く仕留め、Ft8.5の怪獣9号βを撃破、怪獣8号との即興での共闘を行う等、その戦闘力はかなりの水準に位置している。(この時点で怪獣8号はあらゆる攻撃が拳銃の弾より速い)。ただし最強戦力といわれているもののあらゆる分野において飛び抜けた能力を持つ訳ではない(詳しくは後述する鳴海の謎を参照)。
普段から狭量な言動の目立つ人物であり、物事に対して素直になれず何かと建前を用意する悪癖を持つ。学生時代に防衛隊と初邂逅した際には自分のゲームを取りに行く目的でシェルターを抜け出したと述べていたが、実際は施設の子供たちの玩具や形見を取りに行くための行動であったことや、ナンバーズを着用して演習室にこもり鍛錬していたことを徹夜でゲームをしていたとして隠した他、怪獣が出現した際には急用と言いつつ部隊が到着するより速く先回りして討伐し怪獣の逃亡を阻止するなど本心を徹底的に隠そうとする欠点がある。
side Bでは主役の一人として登場。過去に怪獣災害により両親を失い、以降は児童養護施設に引き取られたが本編開始より九年前に発生した怪獣災害にて防衛隊と邂逅する。怪獣細胞全般に対して高い適性を持つ特異な体質を持ち、1号兵器への高い適性を持つ可能性があることから当時第一部隊の隊長であった功に防衛隊へ勧誘される。努力ではなく実力と結果のみを求められる環境であったことから入隊試験に志願し合格したものの、命令無視に始まり単独行動および作戦行動を乱すだけでなく作戦中にゲームに熱中するなど協調性どころか防衛隊の一員である自覚が皆無である上、問題点を上回るほどの結果を出せていないことも相まって除隊を検討される危機に陥る。
挽回の機会を与えられたものの協調性が向上することはなく、作戦中にゲームに熱中する悪癖は治らず作戦内容も聞かずに命令無視による単独行動に出た結果、片腕を負傷したところを長谷川に救われ消沈するが、これまで人目につかぬよう努力し続けてきたことに言及され、功が自身の除隊を食い止め続けていたことを知り結果を出すべく奮起する。平常時より着用していたRT-0001の効果が発現し、長谷川の援護も相まって本獣の討伐に成功したことで除隊は免れ、第一部隊という居場所を得たことに安堵の表情を見せた。
専用武器
■RT-0001
日本最古の識別怪獣である怪獣1号の網膜から作られたコンタクトレンズ型の兵器。生物の運動時に脳から発せられる信号を視覚化し、疑似的な未来視を可能にすることで回避不能の攻撃を仕掛けることが可能。
■GS-3305
平たく言えば銃剣。トリガーを引くことで弾丸を発射することが出来、威力は大型怪獣の肉体を易々と破壊する程。その他に斬撃と同時に傷を焼く機能も有しており、再生を遅らせる効果もある。
凄まじく頑丈であり、空爆レベルの威力がある怪獣9号αの衝撃波すら無傷で耐え抜くほど。その大きさゆえに、盾として使う事も出来る。
鳴海の取り回しとしては上空にジャンプ➡上から刺す➡トリガーを引く➡内側から破壊といった戦法が多くみられるが、強力な装甲を持つ怪獣相手にはそもそも刃が刺さらず、先述の再生阻害も内側からの破壊にも繋げられないといった問題点も保有している。
■識別怪獣兵器1
怪獣1号より造られたスーツ。見た目は他の識別怪獣兵器同様に従来のスーツと異なる部分が多く、戦闘時には全身に施されたねじ穴のような部分からRT-0001と似た眼球が現れるのが特徴。他にもダボダボのジャージのようなものを中途半端に羽織っているが、これもスーツの一部。
基本的な戦闘能力が向上する以外はRT-0001と変わらず疑似的な未来視しかできないスーツだったが、鳴海自身の試行錯誤により電気信号に加えスーツ全身の眼球から電子の動き、温度変化、地形を把握し次に起こる現象をビジョンとして予知する文字通りの未来視が可能となり、水のような非生物の動きも予知できるようになった。欠点は脳神経への負荷が高く1分を超えると脳そのものが限界を迎えるため、その後はただ電気信号を読み取るだけでも目から流血するまでに戦闘能力が落ち込むことから長期戦には不向きであることが挙げられる。奥の手を使用する際は眼球の色が赤から緑に変化するのが特徴。
■ブレードとアサルトライフル(仮称)
side Bにて使用していた兵器。正確には専用武器ではないがここに記載する。当時はGS-3305を所持していなかったためか銃と剣を持つことで近接攻撃と遠距離攻撃を使い分けていた。特殊な効果は秘めてはおらず、威力は並程度。
有明りんかい基地 第1部隊
鳴海を筆頭とした部隊の一つ。日本最強の基幹部隊であり知名度は大きく、かつてキコルが居を据えていた米国にも名が轟いている程。
隊員それぞれのスペックも高水準であり、キコルの見立てでは第1部隊の隊員全員が兵器の解放戦力40%以上という小隊長クラスの実力を有しているが、識別怪獣クラスの相手は些か厳しい。
鳴海の方針として礼儀や身なり、品位や勤勉さを度外視した実力主義な部隊である為か、中々に個性的な隊員が多く揃っており、他の部隊よりも縄張り意識が非常に強いという欠点も持ち合わせている。加えて鳴海を含めた個々のプライドも非常に高く、怪獣の早期討伐という防衛隊本来の目的よりも手柄を優先する傾向があり、過去に第3部隊が第1部隊の管轄で本獣を討伐したことについては討伐よりも先に許可を取るようにクレームを入れているなど部隊の垣根を越えた連携が碌に取れておらず、強力な力を有してはいるが鳴海の方針が良くも悪くも機能している部隊。
鳴海の謎
防衛隊最強戦力とされる鳴海だが作中では以下のように他の隊員に劣る面が頻繁に描写されている。
・討伐演習ランキングの小型怪獣部門は保科が保持
・遠距離射撃部門はミナが保持
・怪獣の討伐数は四ノ宮ヒカリが歴代トップ
・大型相手はミナに分がある
・近接戦闘は保科と並んでトップ2
・大量の怪獣組織と種類を用いた兵器から高い水準で力を引き出せるのは世界で見てもミナ一人
・成長スピードはキコルが上
・解放戦力の高さは保科が上
・最速のナンバーズは識別怪獣兵器4
・既に肉体的な全盛期を過ぎている四ノ宮功にどんな勝負を仕掛けても勝てなかった
よく言えば万能型だが逆に言えば器用貧乏の域を出ず、事実作中でも識別怪獣クラスや特異な力を持つ怪獣が相手の場合は苦戦する場面が多く見受けられる。戦闘能力に関しても未来視を前提とした戦い方であるためか非生物である水を用いた怪獣の攻撃には終盤にて奥の手を発動するまで対応できておらず、攻撃を当てることすらできずにいた。このように最強戦力と呼ぶには些か疑問が残る描写が作中で頻繁に見られるが、これについては以下の可能性が考えられる。
■総合的にみて最強
保科とミナはそれぞれの得意分野ではトップに君臨している反面、保科は銃器の解放戦力が低く、ミナは近接武器が扱えないという大きな欠点が存在している。これに対し、鳴海は近接武器と銃器の双方を高い水準で扱っている。つまり極端に秀でたものはないが近接武器も銃器も一定の水準で扱えるバランスの良さがある為、総合的な意味合いで最強と呼ばれているという考察。
■封印されている1号スーツの性能
現時点で鳴海が装備している識別怪獣兵器1は作中にて"封印"されているという描写が存在しており、実際に9号との戦いでは理由は不明ながらRT-0001のみを装備し、ノーマルスーツを着用した状態で戦場に赴いていることから、鳴海が最強の称号はこの封印されていたという識別怪獣兵器1の性能の高さに由来しているという考察。しかし、これについては作中にて識別怪獣兵器6が『最強の兵器』『最も強力で最も危険』と言及されていることから可能性としては低く、後にスーツ固有の能力として完全な未来視という特異な力を秘めていることが判明したものの、他の識別怪獣兵器に比べて攻撃力など基本性能が突出している訳ではなく、未来視についても9号が言及しているように有効性が対少数に限られ、怪獣側の防御性能が上回る場合は無力であるなど最強の兵器とするには物足りない点が多い。
■鳴海自身の特異体質
side Bにて怪獣細胞全般に対して高い適性を持ち、兵器化されていない怪獣の死骸から力を引き出すことが可能な特異体質の持ち主であることが判明している。ただし本編の76話にて既に大量の怪獣組織と種類を駆使して作成された怪獣兵器の力を高いレベルで引き出させる唯一の存在としてミナの名が挙げられていることから鳴海に限った体質ではない他、怪獣細胞を用いた装備からどれほどの力を引き出せているかの指標である解放戦力は保科が100%を記録しているため、特異体質が最強の称号に起因しているとは考えにくい。
※上記の考察についてはあくまで憶測の域を出ない。今後作中で何故鳴海が最強と呼ばれているか明言されるかもしれないため注意。