概要
『怪獣8号』に登場する組織。自衛隊とは別組織扱いだが、一部部隊は訓練所を借用している。
要するにウルトラシリーズの科学特捜隊のような怪獣撃滅組織であるが、東宝自衛隊とは違ってスーパーメカによる機甲師団などは描かれず、殆どが隊員自身の白兵戦で怪獣を倒すため、どちらかと言えば『ゴジラファイナルウォーズ』に登場するミュータント兵団や『スターシップ・トゥルーパーズ』の機動歩兵に近い。
漫画的に白兵戦の方が映えるからというメタ視点を除却すれば、本作の怪獣は「本獣」と呼ばれる巨大怪獣だけではなく、その子分のような小型の「余獣」が大量に出現するので、戦車や戦闘機で戦うと市街戦時に建物や河川に逃げ込んだ余獣の殲滅が難しいからと思われる。
古来より世界一の怪獣大国であった日本では、怪獣退治のノウハウが他の国に比べ高い水準にあった。
日本防衛隊は的確に怪獣を補足、付近住民を迅速に避難させ、たちどころに殲滅するというその手際から、市民にとってヒーロー的存在であった。しかし、ここ数十年は識別怪獣と称される超強力な怪獣の出現が相次ぎ、それに伴い被害は増える一方であった。
そこで防衛隊は怪獣の死骸からその科学を超越した能力を研究し、対怪獣用スーツや炸裂弾・凍結弾、更に対怪獣用スーツの適合率の高い隊員に付与する専用装備等を開発。
これにより、100mを超えるような巨大怪獣すら瞬く間に討滅する優秀な隊員が増え、怪獣がどこに現れようが一瞬のうちに鎮圧…できる筈であった。
物語開始時には怪獣災害は更に二次関数の如く頻発し続け、入隊試験の年齢制限も33歳まで引き上げられる(更に、飛び級したとはいえ16歳の隊員までいる)こととなった。かくして、主人公日比野カフカ(32)は、幼き日の夢と約束を果たすべく、日本防衛隊への最後の切符を手にすることとなるのである。
所属
中枢
第1部隊
第1~4部隊は関東・中部地方(福井県除く)を管轄する『東方師団』所属となる。
隊員全員が解放戦力40%を超えるエリート集団であり、防衛隊の基幹部隊。本部は有明。主に東京湾沿岸部を守護する首都防衛の要。
部隊章は「羽の生えた短剣」
第2部隊
本部は金沢市。
第3部隊
本部は立川市。基地は自衛隊と共有。怪獣10号による本部襲撃後は一時隊員を研修の名目で他部隊に出向中。
部隊章は「三つ巴」
- 亜白ミナ:隊長。超大型砲の使い手
- 出雲ハルイチ:カフカの同期。対怪獣兵器製造大手出雲テックスの御曹司
- 神楽木葵:カフカの同期。男。元陸自
- 水無瀬アカリ:カフカの同期
- 五十嵐ハクア:カフカの同期
- 斑鳩亮:小隊長
- 中ノ島タエ:小隊長
- 小此木このみ:オペレーター部隊リーダー。名前を憶えていなくても本作の読者なら「丸眼鏡の女の子」と言えば多分通じる
第1部隊御預
- 日比野カフカ:主人公。元怪獣解体業出身の見習い隊員。怪獣8号になってしまった男
- 四ノ宮キコル:最年少隊員。四ノ宮長官の娘。4号兵器を継承
第4部隊御預
- 市川レノ:副主人公。カフカと同じく元怪獣解体業出身。6号兵器適合者
- 古橋伊春:カフカの同期。八王子討伐高専主席卒。
第4部隊
本部は松本市。
部隊章は「四葉のクローバー」
- 緒方ジュウゴ:隊長
第6部隊
関西の支部。宗四郎もモトはここ出身。
第5~8部隊『西方師団』は近畿(福井県含む)・中国・四国を管轄。
- 保科宗一郎:隊長
その他
第13~16部隊『南方師団』は九州・南西諸島を管轄している。
武装
対怪獣用スーツ
(システム音声:関智一)
怪獣の皮膚や筋肉を元に作られた量産型バトルスーツ。筋力の増強、バリアの展開等の機能がある。ちなみに非戦闘員であるオペレーター部隊などにも配備されており、後述する能力は1%解放しただけで作業効率が段違いに上昇する。
対怪獣用スーツの能力をどれだけ引き出せるかは本人の資質と努力次第であり、その解放戦力がおおよその戦闘力の目安となる。
基本的に鍛錬しても30%代くらいが限界であるが、40%の壁を越えられる資質を有する者は小隊長、あるいはその上の隊長も夢ではない。隊長級ともなれば銃の弾丸を発射後に避ける小型怪獣と互角に戦うくらいのことができるようになる。
また本人に遠距離向きか近距離向きかの向き不向きはあり、例えばミナは遠距離特化、宗四郎は近距離特化となる。基本的に遠距離特化型は対大型怪獣、近距離特化型は対小型怪獣の適性が高い。
大まかな解放戦力の目安
下記は量産型スーツの解放戦力一覧表。識別怪獣を元としたスーツは勝手が異なる為、ここでは割愛する。
パーセンテージ | 実測 |
---|---|
0 | めったにないポンコツ |
1桁代前半 | 新米の大体の水準 |
8 | 新米上層(入隊試験時のレノ) |
10代前半 | 新米トップ層(入隊試験時の葵、ハルイチ、伊春他) |
20 | 一般隊員平均 |
24 | 伊春(群発災害時) |
30 | ベテラン隊員級 |
36 | ハルイチ(立川防衛戦) |
40 | 小隊長級、第一部隊の足切点 |
40代前半 | 集中時の伊春(土竜67型討伐時) |
48 | キコル(入隊試験時) |
73 | りん(群発災害時) |
88 | 集中時の伊春(群発災害時) |
90 | 隊長級 |
92 | 宗四郎(立川防衛戦) |
96 | ミナ(立川防衛戦) |
98 | 鳴海(品川戦争) |
拳銃
オートマチック式。通常弾だけではなくユニソケットを装着することで特殊弾を作り出せる。
アサルトライフル
対怪獣用のもっとも一般的な携行兵器。
ユニソケット装備により、怪獣2号を基に開発され命中すると敵に大穴を開ける炸裂弾、怪獣6号を基に開発され物体を瞬時に凍てつかせる凍結弾、相手を痺れさせる電撃弾等を使い分けることができる。
漫画版はM4カービンベースで、アニメ版はクリス・ヴェクターCRBにSCARや20式小銃のようなストックを付けたデザインになっている
コンバットナイフ
近接戦用の武器。よほど小さい敵以外は戦闘で使う機会は無いが、怪獣の死体を解体し、弱点を見分けるのに使用される。
榴弾砲
第1部隊等が使用する遠距離砲撃用固定兵装。
専用兵器
識別怪獣の体組織等で作られた、一部の隊員にのみ使用が許可されている強力な兵器。
- 四ノ宮功:2号兵器。電撃を纏った波動を打ち込むガントレット型の装着近接武器。高層ビルすら破壊するほどの威力がある。
- 四ノ宮ヒカリ:4号兵器。鎧及び薙刀型の大斧Lc-0039
- 鳴海弦:1号兵器。相手を斬ると同時に焼き払う巨大銃剣GS-3305と、相手の生態電流を読み取り攻撃を先読みするRt-0001。
- 長谷川エイジ:ガンキャノンのようなバトルスーツ。
- 東雲りん:ガトリングガン。
- 亜白ミナ:巨大砲T-2510。更に巨大なケラウノスも。
- 保科宗四郎:専用の日本刀大小二本SW-2033、居合刀SW-1023並びに、怪獣10号そのもの
- 四ノ宮キコル:専用の大斧Ax-0113並びに、怪獣4号の鎧。
- 市川レノ:6号兵器。冷気を操る戦用スーツ並びに、冷凍光線を発射するオールレンジ兵器FN-0006。
- 古橋伊春:発雷ショットガンSG-1108。
- 出雲ハルイチ:毒矢AW-0027。
- 神楽木葵:パイルバンカーPB-3115