「それは もウ 見慣れた」
CV:吉野裕行
概要
『怪獣8号』に登場する敵性怪獣。下記数多の特異性から、倒される事なく超長期に渡って活動している本作のメインヴィラン。
高い知能を有し他の怪獣の死骸を操る能力を保有する危険な怪獣であり、大怪獣認定をうけ怪獣9号のナンバリングがふられた。
基本的には人間と大差ないサイズの二足歩行タイプであり、頭部はキノコのような形状をしている。口元には皮膚が無く全て同じ形状の臼歯が顎までビッチリと並んでいる(有体に言えば『進撃の巨人』の超大型巨人のような口)。
非常に高い生命力・学習能力を有し、銃の弾道すらほんの数回の会敵で見切るほど。後述する通り自在に変身する力を用いて人間に擬態し、普段は人間社会の中でスパイ活動を行っている。
喋る際には訛りなのか時折言葉にカタカナが混じることもある。
目的の為には手段を択ばず、人間の「心の弱さ」を踏みにじる外道な策も厭わない。一方で人心を介さぬが故「人間」という生物の愚かさや矛盾点を指摘する場面も存在し(とある例)、ニヒルながらも鋭い視点を持っていると言えなくもない部分もある。
能力
上述した通り人間と遜色ない高い知能を有しており、7号以前の怪獣には見られない計画的・組織的な行動原理はおろか、人間の言語や社会の仕組みをほぼ完全に習得し利用している。
下記数多の迷惑かつ危険な能力を備えた9号だが、それをスペック以上にフル活用でき、引き際も見誤らない知能・判断力こそが人類最大の脅威といえよう。
核さえ残っていれば欠損した部位を即座に修復でき、首をもがれても、体の大部分がそぎ落とされても、すぐに生えてくる。
再生をくりかえすうちにより学習した「驚異」に適合した自己進化を遂げる。ある程度時間があれば昆虫が殻を脱ぎ捨てるように脱皮することでより強化された姿に変態することが出来る。
- 変身能力
身体を膨れ上がらせたり縮めたりする能力。下記の衝撃波を放つ腕などを増やすことが出来る。
上記の変身能力により殺害した人間の姿を模倣し、擬態する事が可能。
ただし擬態の際には対象を捕食して取り込むため、擬態直後は拒絶反応により体にやや不調が出る。
- 通信阻害
人間社会のスマートフォンなどの通信技術を「学習」したことにより会得した能力。自身を中心とした円形(半球?)の空間において、電波通信を遮断する。
上記の通信障害を起こす能力から派生。指先をブクブクと膨れ上がらせ、衝撃波を弾丸のように発射する。腕を増やすことで威力・弾数共にアップする。
怪獣の死体をゾンビのように操る事が可能で、しかも生前よりフォルティチュードが上昇する。この能力により攻撃を防ぐ肉盾や相手を捕まえる重しとして使う事も出来る。
品川戦においては蟻型怪獣と融合しており、上記の変身能力を併用し広範囲への衝撃波攻撃を行った。
自身と意識・感覚を共有する分身を作り出す。テレパシーのような物で遠隔通信可能。
この培養能力と人間のバイオテクノロジーを掛け合わせる事で、望む能力を持った新たな怪獣を開発することができ、10号以降の識別怪獣はほぼ彼(?)の手によって生み出されている。
擬態していた人物
- 穂高タカミチ(CV:杉田智和)
主人公日比野カフカの元勤務先である怪獣清掃業者「モンスタースイーパー」の新入社員。
Episode:1~2まではこの姿で暗躍していた。
- 長嶺カンジ(CV:上田燿司)
「タカミチ」を車で跳ねそうになり文句を言っていた眼鏡のドライバー。「タカミチ」の面が割れ、防衛隊から追われる身となった9号が即座に殺害し成り代わる。享年34歳。
品川戦終盤で会得した形態。
作中での動向
Episode:1『怪獣になった男』
西東京基地での二次試験会場に出現。試験終了直後、一息ついていた四ノ宮キコルを衝撃波で攻撃。続けて怪獣の死体をゾンビ化させ、すぐに離脱した。
Episode:2『夜明けの相模原討伐作戦』
相模原を襲撃した菌類怪獣の黒幕として登場。
防衛隊により菌類怪獣たちが全滅した直後、作業員に扮して菌類怪獣がやられた原因を探るも、そこを古橋伊春・市川レノ両名に発見され、口封じのために本性を現し2人を生け捕りにしようとする。伊春・レノ両名を圧倒し重傷を負わせるも、駆け付けた怪獣8号=カフカと戦闘。怒りに燃えるカフカには能力が全く通用せず、超スピード&超パワー&超タフネスでボコボコに叩きのめされてしまう。
しかし、8号を敵性怪獣と誤認した防衛隊による横槍が入った為、隙をついて逃走した。
この事に伴い、防衛隊から怪獣9号の名が与えられた。
9号は逃走した先で長嶺カンジを殺害して成り代わり、暫く鳴りを潜めることとなる。
Episode:4『囚われた怪獣8号』
終盤に登場。国立市のマンションで「脱皮」を行い、準備が整った事で防衛隊に奪われた大怪獣たちの力の奪還に向かう。
Episode:5『怪獣兵器』
蟻型の地底怪獣を用いて品川区に巨大な陥没を作り、数千人規模の虐殺を敢行。蟻型怪獣を用いて周辺地域の人々を手当たり次第に襲い、防衛隊が分散し対処に当たったのを契機に3体に分裂し、蟻型怪獣と融合したアラクネのような姿となって各自任務を遂行する。
γ
・任務:8号の奪還
8号=カフカ及びキコルの前に出現した個体。
蟻型と融合したことで壁を自在に登る3次元的な駆動が可能となり、2人を追い詰めたが、四ノ宮功との決闘で成長した8号の敵ではなく、あっという間に蟻部分を潰され、更にボコボコにされてしまう。
推定フォルティチュードはβ共々8.5。
β
・任務:鳴海の持つ1号兵器の奪還?
鳴海弦と交戦するも、彼の凄まじいまでの状況判断力と成長性により自身の進化を上回る速度での攻撃を受け続け、バラバラに焼き切られて絶命する。
時同じくしてγも8号に討滅される。
α
・任務:四ノ宮長官の持つ2号兵器の奪還
β、γに隠れ暗躍していた本命。蟻型怪獣と合体しておらず、以前の倍近い巨体を有する。
本陣を襲撃し、四ノ宮功長官を襲撃し、壮絶な肉弾戦を展開。2号の全エネルギーを結集した雷撃パンチを受けそうになり、球状の防御形態に変身するも、2連撃を喰らい背後の高層ビルごと吹き飛ばされる。これにより身体の大部分を喪失するも…。