概要
古典的なものとして有名なのはギリシャ神話に登場するおおぐま座になったニュンペーのカリストであろう(ただし、熊に変えられた後には外観上は美少女の要素は一切残っていない)。
現在普及した神話ではカリストは大神ゼウスに見初められ、純潔の誓いに背いた罰としてアルテミスに、あるいは嫉妬したヘラによって熊に変えられたことになっている。だが彼女は「アルテミス・カリステー」(最も美しきものアルテミス)というアルテミスの称号から派生した女神の分身的な存在と考えられており、熊がアルテミスの聖獣の一つであることも重ね合わせれば、元来は熊はアルテミスのいま一つの姿とも言えるものであった。
処女神として知られるアルテミスは元来は地母神が出自であり、同時に妊婦と出産の守護神としても崇拝されていたことから、その聖獣たる熊が母性の象徴のようにも考えられており、熊と女性的なものとの結びつきをこの神話の中に見てとることが出来る。