概要
首切り王が木星から買い取ったファントムのフレームをベースに、10年の間にフランク・オズに完成させた機体。
元サナリィの技術者であるフランクが十分な時間をかけて組み上げたため、冷却システムが完成しておりファントム・ライトの連続展開可能時間が冷却材無しでも1時間以上と大きく伸びている。
冷却システムを全身に組み込んだ分、全高は18m級のMSと同等と原型に比べて1周り大型化しており、外見上の特徴も注視すればファントムに似ている部分がなくはない程度に別物で、フォントもファントムライトが展開されるまで全く気付けなかった。
また最初から首がない独特の形状をしており、これはただのハッタリの類ではなくメインカメラに限らずセンサーの類が一切組み込まれていない(一説ではミダスのミダス・タッチ・フラッシュ・システムの対策とされている)。
だが、パイロットである首切り王が超越的な感覚により外の世界を直接認識するゆえ、通常のMSの域を越えた感知能力と回避性能の発揮が可能。
そしてこの機体の一番の特徴は、右腕に搭載された全長40Mにも達するガンダリウム合金製の大剣である。
これは芯の部分に繋ぎ止めるワイヤーが通っている以外は、ガンダリウム合金の削りだしとなっている超重量の質量兵器で、実弾装備が主流のUC.0160年代のMSでは防御も破壊も至難の業。
しかも切っ先のブロックにはミノフスキー・ドライブの推進器が組み込まれており、剣の重さで機体の動きが鈍らず、振り回す速度も非常に速い。
むしろこの大剣こそが兵器としてのバロックの本体であり、MSとしてのバロックはそのコントロールユニットである。
また正式な武装はこの大剣一本であるバロックだが、元がファントムであるため、フォントがゴーストガンダムでやったように、Iフィールドの制御により、全身のファントム・ライトをビーム砲としての転用が可能であり、攻撃においては遠近共に、防御においては実弾とビームの両面に隙のない機体に仕上がっている。
ヴァリエーション
バロック改
破損したバロックに原型機ではなくガラハドの左腕に変更した機体。
オリジナルのガラハドの左腕は有線制御式だったが、バロック改のそれは首切り王の高いニュータイプ素養により、サイコミュによる無線制御式に変更されている。
更に左腕はクロスボーンガンダムX3のようにIフィールド発生器を内装しており、事実上のMAを武装にしている。
バロック改・改
バロック改に更なる火力増強を施した機体。
左腕にガラハドに加えデスフィズの左腕を増設した。
本来の構想では敵に合わせ左腕を使い分ける運用だったが、首切り王は自身の能力に加え、バロック各所に内装されたバイオ脳のサポートにより、同時併用を可能にしている。
メルト・バロック
バロックをコアユニットにして運用する、全長50m超過のMA。
専用武装にガンダリウム合金で精製されたダガー・ファンネルに加え、Iフィールドを併せ持つ。
ダガー・ファンネルは質量兵器として敵MSに直接ぶつけるのが基本運用だが、ダガー・ファンネル自体の自重により、頻繁に本体であるメルト・バロックに戻り、推進材を補充しなければならないのが弱点。