概要
Youtubeにて配信されているインディーズカートゥーンアニメ。
ヴィヴィアン・メドラーノとブランドン・ロジャースが脚本を務めている。
同じくヴィヴィアン原作のアニメ『ハズビン・ホテル』のスピンオフ作品にあたり、世界観も完全に同一だが、『H・H』本編のキャラクターは一部を除きほぼ登場しない。
『H・H』の特徴である売春や犯罪、暴言などの過激かつお下品な要素やエログロ描写は一切衰えを見せておらず、公式でも前書きに注意がされているほど。
なお、『H・H』は「悪魔の償還」をテーマにしているが、本作は「地獄の住人と社会」つまり「地獄世界の日常」に焦点を当てている。
2019年11月にパイロット版が配信され、1年後の2020年11月から本編の配信がスタート。不定期ではあるものの1〜2ヶ月間隔で最新話が配信されている。スピンオフ元の『H・H』よりも現時点ではこちらの配信がメインとなっている模様。シーズン1は第7話フィナーレ・パート1をもって終了したが、シーズン2が7月から開始された。
ストーリー
本作の舞台である地獄。
その中でもインプという種族の地位は下層だった。
ある日、インプであるブリッツは「Immediate Murder Professionals(I.M.P)」(直訳すると「即暗殺プロ」)という企業を立ち上げる…。
登場人物
I.M.P社
- ブリッツ(Blitzo)
CV:ブランドン・ロジャース
大きな黒白の角と身体の所々にある道化師のような白い模様が特徴のインプ。年齢は少なくとも30歳以上。
名前のoは発音しないらしい。愛称は「ブリッツィ」。ただし、因縁のある人物からは嫌味混じりに「ブリッツォ」と呼ばれることも。
I.M.P社の創設者。
地獄の住人らしい頭のネジが吹っ飛んだお調子者で、汚いスラングを平気で飛ばしたり嫌いな相手は容赦なく罵倒するなど完全に我が道を征くタイプ。また、とある事件でヘマをしかけたモクシーに対し「次また同じようなヘマをしたら妻共々お前を始末する」という脅迫同然の言葉を囁くなど、パラハラ上司っぽい言動も垣間見える。しかし、いざというときは攻撃を受けそうになったモクシーを庇う優しさも見せる。
馬が好きらしい。イマジナリーフレンド説があったが、スピンドルという名のメスの馬と実際に生活を共にしていたことが判明(彼のインスタグラムより)
彼女はとある日に誘拐されたブリッツを救出したが、代償として彼の元を去った。
因みに、スピンドルという名前は彼女が名乗った名であり、その前にブリッツによりかなりの回数改名されていた。(ステラ、メイフラワー、ダイナマイト、ピローケース、アニマルクラッカーなどなど)
よく部下夫婦をストーカーしており、冷蔵庫に入ったり、寝ている様子を覗き込んだりしている。(彼いわく二人はお気に入りで、特にミリーは大好き)
養子のルナを溺愛しており、何かあるたびにえこひいきしている。
貴族のストラスとは肉体関係にあるが、その理由はストラスの持つ魔導書を借りるためで、これがないと人間世界に行く方法がない(=自社の仕事ができなくなる)。ブリッツとしては彼との関係をあくまでビジネスと割り切っているつもりだが、ストラスからはやたら好意を持たれており、セクハラ紛いの電話をしょっちゅう掛けてくることもあって忌避している。とは言え、ストーリーが進展するに従い、彼の心境にも変化が起きているらしく…?
家族には、サーカスの長の父親、妹または姉のバービー・ワイヤ、母親のティラがいる。
実は『H・H』パイロット版にも一瞬だけ登場しているが、デザイン最終決定前だったため少しだけ見た目が違う。
- モクシー(Moxxie)
CV:リチャード・ホーヴィッツ
白髪と黒白の角が特徴のインプで、ブリッツよりも背が低い。I.M.P社の社員。
同じく社員のミリーとは夫婦であり、円満の様子。…というか隙あらばイチャついている。とはいえただのバカップルではなく、ミリーを守るために危険を顧みないなどやる時はやる男。新婚らしく、第7話で1年目の結婚記念日を迎えている。
ブリッツからのストーカー被害に悩まされていたり、ルナからは下ネタ交じりの挑発をされていたりと苦労人。
インプには珍しい頭脳派で、武器に関する知識が豊富。また、地獄のルールでご法度になるためか、暗殺対象ではない人間に危害を加えないように行動するなど、良心的な面も覗かせる。
音楽が好きで、ミリーには自作の歌をプレゼントしている。
コーヒーへのこだわりが強い。
- ミリー(Millie)
CV:ヴィヴィアン・ニクソン(本編)、エリカ・リンドベック(パイロット版)
黒髪と黒い角が特徴のインプ。I.M.P社の社員で、同僚のモクシーは夫。モクシーとは強い夫婦愛で結ばれており、ただ守られているだけではなく、彼が危機に陥った際には自ら救出に乗り出す勇敢さを持ち合わせている。
ブリッツからのストーカー被害に遭っているが、モクシーほどは気にしていない様子。また、場面によってはモクシーよりもブリッツの意見に賛同することもある(上司なので当然と言えば当然だが)。普段のノリがブリッツと似ているため、割と馬が合っているのかもしれない。
身体が小さく身軽なため、隠密活動やそれに伴う対象者の暗殺に長けている。また専用の武器に巨大な鎌を持っている。
- ルナ/ルーナ(Loona)
CV:エリカ・リンドベック
灰色と白の毛並みに、白目の部分が赤く白い瞳の目が特徴のヘルハウンド(イギリスに伝わる犬の姿をした悪魔。オオカミではない)。主要メンバーの中では大柄な部類に入る。IMP社の社員で受付業務担当。また、ブリッツたちを人間世界に送り出す際に、魔導書を使って地獄とのゲートを開く役割も担っている。こうした役割のためか、基本的に彼女だけ会社に残り留守番をしている模様。
愛称は「ルーニィ」。
クールかつ飄々とした性格で、同僚(特にモクシー)に対してはやたら反抗的な態度をとるが、本心から嫌っているわけではない。
一方、ポップスターのヴェロシカ・メーデーを目撃したときは驚きの表情を見せたり、彼女のボディガードであるヘルハウンドのヴォルテックスに一目惚れしたときは普段とは違ったウブな反応を見せた(しかもこのとき、思いきり尻尾を振っている)。
スマホを常にいじっていて、モクシーが酷い目に遭う映像を延々と見ていたり、彼を倒すゲームをプレイしていたりとかなりの依存症の模様。
ブリッツの養子で、18歳になる少し前に養子縁組を結んでおり、本編開始時からそこまで時間は経っていない模様。彼から溺愛されているが、ルナ本人はやたら子ども扱いされることも相まって鬱陶しく感じている模様。ただし彼と喧嘩になった際は後に気まずそうな反応を見せており、また一瞬だけ「お父さん」と言いかけるなど血縁はないものの親子の情が垣間見える。実の両親については一切不明。
犬というだけあり、怪力とスタミナの高さを活かしたパワフルな戦い方をする。実際に作中では脚力で相手を翻弄したり、鎖鎌を咥えてそのまま相手を投げ飛ばす芸当を見せた。
メインキャラの中で唯一人間態を持っており、自身が人間世界に行く際はこの姿に変身する(逆にブリッツたちが変身もせずに人間と接触していたことを知ったときは呆れていた)。
ツーブロックとロングヘアーを組み合わせた髪型と、目の色が普段と反転している点が特徴(ただし、パイロット版では作画ミスによりワンカットのみ獣人態なのに目の色が反転している場面がある)。
パイロット版での発言から、恐らく梅毒持ち。
ちなみにパイロット版のみ、ルナ役のエリカ・リンドベックがミリー役も兼任していた。
貴族
- ストラス(Stolas)
CV:ブライス・ピンカム(本編)、ブロック・ベーカー(パイロット版)
地獄世界の貴族であるフクロウの悪魔。
フクロウらしくない華奢な身体付きで、メンフクロウのように白い顔と青味がかった羽毛が特徴。普段は赤眼だが、時折白い瞳が映るときがある。また、額の辺りにもう一対の目が存在する。
人間世界へのゲートを召喚できる魔導書を所有しており、それと引き換えにブリッツと肉体関係を持っている。ブリッツから忌避されているが、ストラス本人は彼にゾッコンでしょっちゅうセクハラ電話を掛けている。
誰が呼んだか「ファッ○ンメンヘラおっ○てバード」。
家族に妻ステラと娘のオクタヴィアがいる。
ステラとはブリッツの件もあってかなり険悪な仲となっている(ストラス本人にその気はないが)。オクタヴィアのことを「ヴィア」と呼び溺愛しているが、ブリッツの件に加え彼女自身複雑な年頃ということもあり微妙な関係ではあるが、何だかんだ親子愛はある。
その他の悪魔
- ヴェロシカ(Verosika)
地獄と人間の世界両方で人気を博しているサキュバスの歌手。実はブリッツの元カノで交際していたが、上手くいかず破局してしまった以降は、ブリッツとは犬猿の仲となっている。シーズン1第3話から初登場。
- ヴォルテックス(Voltex)
ルーナが一目惚れしたヴェロシカのボディガードのヘルハウンド。強面な見た目だがとても社交的。しかし人間界のライブでステージに上がろうとした迷惑な観客を力ずくで排除するなど容赦無い一面もある。
- ストライカー(striker)
シーズン1第5話で登場した悪魔。
カウボーイハットに金の牙が特徴の殺し屋。ステラにストラスを始末するように雇われた。
声を務めたのはなんとあのノーマン・リーダス。
- フィッザ・ローリィ(Fizzarolli)
ブリッツの幼馴染のインプ。地獄で大人気のピエロ。愛称はフィズ
幼少期にブリッツと同じサーカス団に所属しており当初は仲も良かったが、とある事故から現在は二人の仲は険悪なものとなっている。手足を機械に改造しており、伸縮自在のパフォーマンスを繰り広げる。アスモディスの仕切るオジーの店で働いている。
ピエロらしく飄々と人を食ったような言動をするが、パフォーマーとして真摯に取り組んでおり、難聴の子供のファンに手話で対応するなどファンサービスも欠かさない。
彼の外見を模したロボットが量産され、サーカスで使われているらしい。
恩人であるマモンの期待に応えることと、アスモディアスに相応しくありたいという重圧に神経をすり減らして行くが…
- アスモディアス(Asmodeus)
七つの大罪の内色欲を支配する古代の悪魔。フィッザ・ローリィの恋人。
青い炎のような体の巨体をしており、髪には牛と山羊の顔が浮かんでいる。
色欲をアートと捉え、堕淫に溺れるようなことはなく自身のディルドメーカーで新製品の開発に勤しんでいる。
フィズのパフォーマーとしての直向な姿勢と才能に心底惚れ込んでおり、彼が誘拐され会社の権利を要求された際には、怒り狂いながらも迷わず誓約書にサインしようとしたほど(彼ら原初の悪魔の契約は半永久的な拘束力を持つ)
自身のイメージもあり自分たちの仲は隠している……つもりだがあまりのイチャイチャぶりに周りからは暗黙の了解となっている。
- マモン(Mammon)
七つの大罪の内強欲を司る古代の悪魔。四本腕を持つ肥満体で、あちこちにドルマークをあしらった緑色の道化師の衣装を着ている(緑はドル札のシンボル)
その名に違わず強欲な拝金主義者。怒ると額に三対の目が現れ蜘蛛の下半身となる。
毎年開催するピエロコンテストでフィズを見出しスターへと祭り上げた。フィズの義手義足とクラウンハットを仕立てたのも彼であり、それゆえフィズからは尊敬と恩義を向けられている。
フィズを「息子同然に育て上げた」と豪語するが、実際は自身が荒稼ぎするために搾取しているだけであり、彼のセックスロボットを安価で売りさばき、演目中自身の幻影に踏みつけられるフィズを見て大笑いする等、フィズ自身のメンタル等は全く考慮しておらず、その本性は原初の悪魔らしく傲慢で邪悪そのもの。しかし演目が始まれば特等席で(フィズのロボを侍らせ)観覧したり、名指しで中指を立てられても演目としてウケているので渋々スルーする等、彼のパフォーマンス自体は評価している。
各話リスト
シーズン1
No. | タイトル |
---|---|
0 | パイロット |
1 | Murder Family/殺人家族 |
2 | Loolooland/ルールーランド |
3 | Spring Broken/ブチ壊し春休み |
4 | C.H.E.R.U.B/ケルブ(智天使) |
5 | The Harvest Moon Festival/月見祭 |
6 | Truth Seekers/真実の探求者達 |
7 | OZZIE’S/オジーの店 |
8 | Queen Bee/女王蜂 |
シーズン2
No. | タイトル |
---|---|
1 | The Circus/サーカス |
2 | Seeing Stars/星が見える |
3 | Exes and Oohs/元カレとため息 |
4 | Western Energy/西部の力 |
5 | Unhappy Campers/不幸なキャンパー達 |
6 | OOPS/おっと |
7 | Mammon’s Magnificent Musical Mid―season Special (ft Fizzarolli)/マモンの華麗なミュージカル ミッドシーズンスペシャル(ftフィザローリ) |