概要
日本円と外貨との為替相場(円相場)で円の価値が外貨に比べ安くなる状態、主に対米ドルレートが参照される。日本国内製品(外国人の訪日旅行などのサービスを含む)の競争力が増し、海外での売り上げの多い企業の黒字額が(見かけ上)多く計上されるかわりに、燃料や食品、日用品などの輸入製品の価格が高騰し、国民生活が圧迫される傾向がある。
日本政府にとっては長年の円高による工場の海外移転などの産業空洞化が悩みの種だった。2012年ごろから円ドル為替レートは円安方向に転換。円高は是正されたが、政策当局者が期待した製造業の国内回帰は(ほとんど)実現しなかった。
円相場は2022年6月13日に20年ぶりに1ドル135円台に達し、同年10月には151.9円まで急騰。その後も1ドル=150円前後で一進一退が続いている。円安は、ポストコロナの石油価格の高騰とあいまってインフレ要因となり、日本国民の生活に重大な悪影響を及ぼしている。