「誰がお前だ。お兄様と呼びなさい。」
概要
CV:小林千晃(ドラマCD版2~3)
「羅」の一族の一人。漢羅漢 の甥で二人兄弟の次男だが、羅漢の養子となったので一族の跡取り。文官であり、国の経理を司る部署に務めている。
人物
癖のある髪に丸眼鏡を掛けている、小柄な青年。基本的に温厚で、飄々とした物言いをする。一見善良そうに見えるが、打算的で計算高く、常に他者に貸し借りを作ることを考えている。
幼少期に羅の家のお家騒動の際、義父(羅漢)に加担。結果、祖父と実母を裏切って羅漢の養子になる。以降は羅漢を「義父(ちちうえ)」と呼び、振り回されながらもあくせく働いている。
また、かなりの「面食い」である。ただし彼の場合ただの面食いではなく、「中身も美しくないと許せない」との事。その点で、月の君(壬氏)は彼の理想像そのものらしい。
能力・特技
一言で言うと、数字に強い。というより、世界が「数字」に見えている。
羅の一族に恥じぬ「数字馬鹿」で、事ある毎に計算をする。世界を数字の集合と認識し、数字(帳簿)を「美しい、醜い」で表現する独特の感性の持ち主。祖父や実母を裏切った主な理由も「二人が醜い数字や美しくない数字ばかり産み出してしまうから」というもの。その理由を知った時、羅半の祖父と母(と兄)はその言葉の意味が全く解らず「下の子(弟)が(もともとおかしかったが本格的に)狂った」とそれはそれは激怒&絶望したという。
実は彼の言う「醜い(美しくない)数字」というのは、要は宜しからざる悪性要素のことであり、これがあるというのは高確率で不正や捏造、劣化、犯罪等が存在しているという事である。つまり「祖父と母が醜い数字ばかり生み出す」というのは普通に言えば「祖父と母が(決して笑えない)犯罪に荷担していた」という意味になる。裏切って当然であろう。
要するに、帳簿等の数字を見ただけで不正や矛盾を暴けるという、逸脱した才覚の持ち主。羅漢に次ぐ、羅の家の「天才型」。猫猫と羅漢曰く「算盤頭」。
家族との関係
義妹・猫猫との関係
作中の主人公である猫猫の事は、ほぼ「妹」だと思っている。正確には従妹であり「義妹」、一緒に暮らしていたわけでもないのだが…。上記の台詞の通り、自分を「お兄様」と呼ぶ様に強要し、常に兄貴面で接している。
その為、猫猫からは羅漢程ではないものの、基本かなりうっとうしがられる上にぞんさいに扱われている。よくつま先を踏まれている。
ただし性格自体はよく似ている…というか、かなり息の合った会話をしていることが多い。当人同士が気付いているか分からないが、実際の兄妹に近い関係に見える。猫猫は否定気味であるが、羅半にとっては「大変付き合いやすい」存在らしい。
それはそれとして、義父が猫猫に浪費したがるのは、なんとかして欲しいと思っている。
義父・羅漢との関係
羅の家の「家計」や「外渉(他の家との交流)」を預かっており、その奥向きを差配しているが、そのために義父の破天荒な行いに四苦八苦している苦労人。
義父が「強引グ・マイ・ウェイ」な、やらかし体質であるため、地味な部分で猫猫もろとも、そのフォローに心を砕く事も多い。
実父との関係
実父から羅の家の実権を奪った事になるので、周囲からは関係は悪いと思われがち……だが存外と良好。
というのも父親(羅漢の異母弟)も羅の一族として「農業」に才覚を持っていたのだが、それを武官であった実の父親(羅半の祖父)によって頭ごなしに否定され、親のコネで無理矢理に大好きな農業から引き離されて宮廷の官僚にされた過去があった。羅漢と羅半のクーデターは自身をそこから解放してくれた側面があるためやらかしてくれた事を、ものすごく感謝している。
クーデター後は、あらゆるプレッシャーから解放された反動ゆえにヒャッハー状態で鍬鋤を奮い嬉々として田畑を開墾するハイパー農家(農学者)として作物を作りまくっており、特にサツマイモにハマっている……がハマりすぎて国が蝗害に揺れる中でも我関せずで(そちらは上の息子に任せて)研究に勤しむものだから、息子たちからは農仙ないしは超ヤバい農家認定されてしまっている。