解説
なにかしらの被害を受けた者が、その加害者に対して報復することである。
相手に自分の怒りを分からせて仲直りしたい、自分の気が済むまで相手を潰したいなど、動機は人や状況によって変わる。
リアル、ネット問わず、仕返しする人や、「仕返ししろ」と言ってくる人は一定数いる。
一見、正論に思えるが、
- 仕返しは殆どが犯罪になるので、自分が犯罪者として逮捕されるかもしれない。最悪、実名報道される。
- 逆に加害者から反撃されるかもしれない。
- 加害者の攻撃に正当な理由を与えてしまう危険性がある。
- やったところで加害者が反省するとは限らない。
- 加害者から逆に一生逆恨みされるかもしれない。攻撃がエスカレートしたり、悪化したりする可能性もある。
- 加害者が逆恨みしてるかどうか関係なく、加害者から逆恨みの仕返しされるかもしれないという恐怖で怯えることになったり、加害者から仕返しされたと誤解したりするなど、逆にこちらが自滅したり、加害者への攻撃がエスカレートして、加害者は逆ギレも何もしてないのに自分から思い込みで状況を悪化させてしまうリスクもある。
- 加害者に恨まれ、粘着、ストーカーなどをされるかもしれない。
- 加害者のほうが上手だったら返り討ちにされ、泣き寝入りせざるを得なくなる。
- 加害者が上手だった場合、安全圏から一方的に攻撃され、こちらからの反撃が出来なくなるかもしれない。(例えば法的措置がとれなかったり、証拠が残りにくかったり、心理的に反撃しにくい手口の攻撃をしてきたりしてくる可能性もある。こちらが敵以上に反社にならないと反撃ができないという場合もある。仕返しに成功したとしても反社になったという過去をなくすことは出来ないため、どちらにせよその二次被害に苦しめられ不幸になるリスクは上がる。)
- 加害者から逆恨みされた場合、加害者側に攻撃する正当な理由を与えてしまい、最悪、そのままいじめに移行する。
- 加害者が仕返しされた理由を理解できていない(する気がない)場合は、仕返しされたのではなく、被害者が理不尽に自分を攻撃してきたと勘違いするため、勝ち負け関係なく両者の関係が悪化する可能性がある。
- 加害者だけではなく、加害者サイドから恨まれるリスクもある。
- 仕返しの理由が世間から見て大したことがない場合は、逆に仕返ししてる側が加害者という評価になるかもしれない(こうなると加害者側が立場的に有利になってしまうため、これが切っ掛けで、勧善懲悪を建前にしたいじめに移行する危険性すらある)。
- 仕返しの手口や度合いによっては、世間からの加害者と被害者の評価が逆転したりする可能性もある。
- 理由が正当だったとしても、仕返ししてることが世間にバレることで、こちらの評価も下がったり、ペナルティを受ける(学生なら退学、会社員ならクビなど)可能性はある。
- 仕返ししたことで、被害者もヤバいやつというレッテルを貼られ、人生に悪影響が出る可能性がある。
- 加害者がいい人ならともかく、反社会的な思考を持っていたり、本当に反社の人だったりしたら、色々と厄介なことになる可能性がある。関係のない仲間が騒動に巻き込まれたり家庭崩壊したりなどの大惨事になる可能性もある。(相手が反社かそうでないかは外見や第一印象だけで判別できるものではない)。
- 冤罪や勘違いだったら取り返しがつかない。
- 仕返ししたことで、余計に問題を拗らせるかもしれない。
- 仕返ししたせいで、大事になるかもしれない。
- 周りの人間関係や自分の人生を巻き込むかもしれない。
- 問題が長引くかもしれない。
- 勝てば官軍、負ければ賊軍という諺の通り、必ずしも被害者が勝つとは限らない。仕返しに限らず、争いとは勝者こそが正義で敗者こそが悪なのだ。
などなど、リスクが滅茶苦茶あるため、自分の身を守るために、やめたほうが無難である。
仕返しとはいえ加害行為なので、それが原因で相手から逆恨みされ、相手から仕返し返されるリスクはあるため、必ずしもそれで相手に勝てるとは限らないのである。
仮に勝てたとしても、それにより必ずしも世間が味方になるとも限らない(なぜなら仕返しした時点で、仕返しした人も加害者になるから)。
仕返ししない人に対して弱い、仕返ししないから攻撃されるなどと煽るやつもいるが、それは間違い。
仕返ししないやつはリスク管理が出来ている賢いやつなのだ。
そういう賢い人が仕返しするときは大概、警察や弁護士に相談するなど合法の仕返しをする。
そして攻撃してくる連中の言うことを聞いたからと言って攻撃がなくなる保証もない。
ゆえに、賢い人は攻撃してくる連中の言うことも聞かない。(ただし、攻撃してくる理由が客観的に見ても不愉快になる理由だった場合は別。その場合は相手が攻撃をやめるかどうかに関係なく、自分の今後の人生のトラブルを減らすために改善したほうがいい。)
基本的には自分の心の中で片付け気にしない、他の人に思っていることを言ってスッキリする。相手が逆恨みしない人だと分かっている場合は本人に直接思っていること(悪口などの攻撃ではなく、本当に思っていること)を本人に直接言うくらいにしておき、それでも無理なら、それ以上はその人と関わらないか、もしくは示談交渉に持ち込んだほうがよいであろう。
何のために法律があるのかを考えれば分かることである。
仕返しするのであれば、誰からも責められずに済む、合法の方法で仕返しすることを薦める。
仕返しするのに自分の名誉をわざわざ傷つく方法でやる必要など、まして、相手から返り討ちにされるリスクがあるような方法でする必要など、全くないのである。なるべく無傷で勝利する方法でやるほうが賢いと言える。
※加害者側は仕返しされた場合は、たとえどんな仕打ちを受けたとしても逆ギレせず、素直に反省、和解しましょう。当然ですが、ここで下手に逆ギレや仕返しをすると、相手や世間から反省してないと見なされ、余計に状況が悪化する可能性があります。
話しても分からないような相手とトラブルになった場合や、心底反省し更正するための努力をしているにも拘らず、それでも攻撃され続ける(更正の邪魔をされる)場合は、周りの人を味方に。必要なら弁護士を間に入れ、示談交渉を。
相手を変えることは難しいが、自分を変えることは相手を変えることと比べれば大分簡単なのである。
つまり、あなたの心掛けや行動次第で自分の人生に起こるトラブルを減らすことは可能なのである。