伊集院茂夫による炭火責め
ぶんごうきどりのさつじんきとそのいぬをじっくりすみびやき
『私は彼の亡骸へ誓いを立てた……』
「野々村さん、あなた達の恨みは……必ず晴らして見せましょう」
『この嘆きと恨みを掬い上げずして、「拷問ソムリエ」たる資格はない!』
「何が芸術だ。人の皮を被ったケダモノとその狗め」
流川「とても許せません! 苦しんで死ぬべきだと思います!」
「今から始めるとも。貴様というゴミの始末をな」
「貴様のような外道が文豪など、笑わせるな」
「流川ぁ! 火を入れろ!!」
「じゃあ、ラストチャンスだ。実は俺は、漫画を描いているんだがな……焼け死ぬシーンがあるんだが、どうもリアリティが出ないんだ」
「なあ、どうしたらいい絵が描けると思う?」→流川「え……先生、そこに乗ったら燃えてしまいます!」
「お前らが焼け死ねば描けるんだろうがぁ!! コノ野郎!!!」
「まだ苦しめるだろうが!! ゴラァ!! 逝くのが早ぇんだよ!! オイ!!」→流川「先生、もう降りてください! 足が酷い火傷です!」
対象
自らの文学作品を作る際に殺人描写を再現するために8人もの女性を惨殺した猟奇殺人鬼の卜部利一と、その共犯者で依頼人である女性の兄を惨殺したボディーガードであるフィリピン武術・カリの使い手の殺し屋に執行。
概要
罪人の両手足を拘束して、木炭を敷き詰めた床の上に正座させ、足元の木炭を燃やして下から焼き殺す火炙りの一種で、罪人を足元から焼き続ければ罪人が苦痛のあまり倒れるが、炭火の上に倒れると焼かれる面積が増えてさらに苦痛が増すというもの。
過程
今回の罪人はその悪行の内容に加え、伊集院と面会した後の依頼人も同じように殺害しており、結果、伊集院は普段にも増して怒り狂っていた。
運送屋に扮して卜部邸に侵入した伊集院と流川は、まず護衛を伊集院が瞬殺し、その流れで卜部を確保した。
拷問室に連れ込んだ卜部と護衛を拘束して木炭の上に正座させた伊集院は、悔恨の念を訊ねるものの、返ってきたのは「私の作品に役立ったのだから寧ろ光栄に思うべき」と言う卜部の戯言と、それを全肯定する護衛の妄言だった。これに堪忍袋の尾が切れた伊集院は、即座に流川に命じて火を入れさせた。
炭火で足と胴体側面を焼かれる罪人達が苦痛のあまり都合良く命乞いを始めると、「実は自分は漫画を描いていて、人が焼け死ぬ描写の参考にしたい」などと理屈を付けて自ら炭火に足を踏み入れ、罪人達の顔面を赤熱する炭に叩きつけた。
すると連中はそのダメージに耐えきれず、すぐに事切れ動かなくなった。
結果、普段の様に長々と苦しまずあの世へ逝った事も伊集院の怒りに油を注ぎ、彼は足の火傷も構わず罵声を飛ばしながら焼死体に何度も蹴りを入れるという、1周年かつ50本目の動画に相応しい暴れっぷりを見せつけた。
この光景に流川も「もう降りてください!」と訴えていたが、この時の伊集院は怒りのあまり極度の興奮状態にあり、足に火傷を負っても大して痛みを感じていなかったものと推測される。
登場人物
- 卜部利一
今回断罪された悪人その1。サスペンス小説を手掛ける凄腕の小説家だが、その実態は殺人に手を染めながら小説を描いていた連続殺人鬼。殺し屋を通じ、自身の正体を迫ろうとする相手を口封じにすべく、抹殺していた。
最期は正座拘束された状態で炭火焼きにされ、その上で伊集院に強制土下座させられた状態で焼け死んだ。
- カリの使い手の殺し屋
今回断罪された悪人その2。表向きは卜部のアシスタントだが、その正体はカリを極めている殺し屋。本来は断罪対象ではないのだが、依頼主を口封じとして殺害した事が引き金となり、伊集院に目を付けられる事となった。卜部を守る為に伊集院に襲いかかったが、作中最強クラスの実力者である伊集院に比べれば雑魚同然で、一瞬で制圧された。
最終的に飼い主と同じ末路を辿った。
- 野々村(ののむら)
今回の依頼人。歳の離れた妹である桜と暮らしているコンピューターエンジニア。今回の件を探っていた所、卜部に目をつけられ、奴から命じられたカリの使い手の殺し屋に襲撃されて死亡。今際の際に伊集院に恨みを託し、伊集院はそれに応えるべく完全に鬼と化した。
モデル
普通に考えるとモデルは現実の事件の犯人であるクリスティアン・ベラだが殺害人数の多さから漫画『善悪の屑』の登場人物園田夢二とも考えられる。
余談
依頼人が殺害されたケースはガロットの回以降で、2回目となる。