声:慶長佑香(アニメ版)
概要
『逆転裁判3』第2話『盗まれた逆転』に登場。年齢23歳。身長166cm。
「怪人☆仮面マスク」の正体・天杉優作の妻。夫とは同い年である。仮面マスクの正体には気付いておらず、優作は仮面マスクへの憧れを拗らせる余り、仮面マスクを自称しているだけと思い込んでいる。夫の私室は、作中での場所名が『怪人のアジト』であり、そうとしか言い様がない、怪しさ満点の内装なのも、どこ吹く風である。この思い込みは「夫が悪事に手を染める訳が無いという信頼」は元より、「気弱な夫に、大胆不敵な犯行が出来る訳が無いという見解」の2つで成り立っている。
バイク愛好家で、スタイルの良さが際立つ、真っ赤なライダースーツに身を包んだ美人妻。健康的な色香を放つ、巨乳と脚線美を合わせ持つ。頭にはゴーグル、両耳にはタイヤのイヤリングを着けている。
明朗快活で、誰にでも分け隔てなく接する、さっぱりとした性格。曲がった事や卑怯者を嫌う、強い正義感の持ち主で、法廷にて優作に窃盗、殺人等の罪を着せようとした哀牙を「こういう奴が一番嫌い」と評した。この台詞は2日目の探偵パートで「哀牙の人物ファイル」を突き付けると読める。
その反面「スリルが大好物な怖いもの知らず」という困った一面があり、趣味のバイクで速度違反レベルの爆走を繰り返したりしている。また浪費癖があり、本人曰く「目玉が飛び出る程、高い買い物をするのが趣味」とまで語る。「愛する妻に不自由をさせたくない」と願う、優作が一切咎めないのもあって、全く浪費を自重しておらず、天杉家の財政を圧迫する原因ともなっている。「妻には裕福な生活を送って欲しい。好きなだけ、買い物を楽しませてあげたい」この2つが優作が仮面マスクとなって、犯行を重ねる動機となっている。彼が本来の勤務先であった『KB警備』を解雇されてしまったのも、希華の買い物費用の捻出を目的に、会社の情報を闇ルートで売り捌いてしまったからである。
上述の性格からか、基本的に誰が相手でも物怖じせず、ありのままに振る舞う女性で、年上かつ初対面である筈の成歩堂龍一を遠慮なく「リューイチくん」と呼ぶのだが、少々フレンドリー過ぎるその接し方のおかげで、成歩堂は春美から「人様の奥方に手を出そうとしている」とまで誤解されてしまい、普段にも増して彼女からの疑惑や攻撃を受ける羽目となった。
数年前は銀行員だったが、結婚後は専業主婦をしている。もしかしたら、何かしらの仕事はしているかもしれないが、それらに関する描写は作中でも、関連書籍でも見られない。以前、勤務先の銀行に強盗2人組が入り、持ち前の正義感から2人に物申した、希華は人質にされてしまう。この時ばかりは本気で彼女は恐怖したが、そんな時に当時は銀行の警備隊長だった、優作の勇気ある行動によって救出されて、一目惚れした希華は優作との交際を始め、結婚に至ったというのが「天杉夫婦の馴れ初め」である。
夫への愛情は本物であり、「今度は私が助ける番だから」と、初日の法廷では仮面マスクとして、窃盗罪で被告人となった彼を救う為、突如として乱入する。正式な証人となる事は無かったものの、『哀牙探偵事務所』に保管されていた、盗難品の『倉院の壺』を奪還し「哀牙の事務所にあったから、彼こそが仮面マスクの正体」と訴え出た。希華の活躍で、行方不明だった『倉院の壺』は綾里家の人々の元に戻る事となった。
しかし、普段は常に余裕ある彼女も、この時ゴドーから「お前も夫の共犯者じゃないのか」と疑惑を向けられた時は、珍しく動揺し、成歩堂に助けを求めた。その後、成歩堂の働きかけで、自身も難を逃れて、優作は窃盗罪に関しては無罪となるが、哀牙が仮面マスクだと立証された事で、同時刻に発生した毒島黒兵衛殺害事件の容疑者として、優作は再逮捕されてしまう。この為、希華は「夫を助けられたと思いきや、新たな窮地へと追いやってしまった事」に激しく後悔する事となった。
事件解決後は、めでたく窃盗罪でも殺人罪でも、無罪判決を勝ち取った優作だが、妻には正体を知られてしまい、「別れを切り出される」と怯えていた。ところがは希華は、夫の動機が曲がりなりにも、妻である自分に尽くす為であった事や、仮面マスクとしての活動時、必ず予告状を送っていた事から「正々堂々と、敵陣に勝負を挑んでいて格好良い」と予想外の反応を示し、優作の全てを受け入れて、これからも夫婦関係を継続すると宣言。彼女の器の大きさに救われた、優作は感動するのであった。
エンディングでは、夫婦揃って『怪人コンサルタント』という企業を発足し、新事業を始めて、荒稼ぎしている。この企業は「町に住む人達の中で、適正のある相手に悪役を演じて貰い、それを仮面マスクが退治する事で富や名声を得るという、マッチポンプありきの実態」となっている。自分達夫婦を危機に陥れた、哀牙と同様の悪事に及んでいるのだが、何故か希華の方が「スリルを味わえるから」とノリノリであり、優作は「本当にこれで良いのか?」と疑問を呈している。