チャグム
ちゃぐむ
概要
上橋菜穂子による異世界ファンタジー小説「守り人シリーズ」の登場人物である。『虚空の旅人』『蒼路の旅人』では主人公。
物語開始時11歳。新ヨゴ皇国の第二皇子だったが、精霊の卵の事件の直後に第一皇子が死んだため皇太子となる。
もともと気骨のある賢い少年であったが、数奇な経験による精神的成長を経たことにより、若くして名君の器と言われる。たまにナユグが見え、タンダのおかげで少しだけ呪術も使える。一時宮を離れ庶民の暮らしに触れたため、民を思う気持が強い。父帝との間には消せないわだかまりと相容れない気質の違いが、越えられぬ壁となっている。異母の弟妹がいる。
作中での活躍
『精霊の守り人』
初登場時11歳。終了時12歳。精霊の卵を体に宿す。
新ヨゴ皇国の第二皇子でありながら水妖に取り憑かれたとして、父帝に命を狙われていた。母二ノ妃の依頼を受けた女用心棒、短槍使いのバルサに連れられて宮から逃亡し、精霊の卵が孵る夏至まで、バルサ、タンダ、トロガイと共に過ごす。
最終章にて、兄死亡の知らせを受け、宮に戻り皇太子となることを決める。
『虚空の旅人』
14歳。弟が生まれている。
サンガル王国の新王即位ノ儀に、シュガを伴って参列し、同年の第二王子タルサンやその姉サルーナと親交を結ぶ。呪術師と島守り達による王家転覆の陰謀を知り、巻き込まれたタルサンらを救うため、ロタ王やカンバル王と一時的に同盟するほか、シュガと共に呪術師と戦う。
『蒼路の旅人』
初登場時15歳。年明けに成人済。終了時16歳。
父帝とそりがあわず、疎まれている。タルシュ帝国と戦争中のサンガル王国に、海軍とともに送られ、捕虜となる。タルシュ帝国の密偵ヒュウゴによって帝国に連れていかれ、第二王子ラウルと邂逅する。帰国の折に、帝国の目を欺くために一計を案じ、北の大陸の同盟に向けて動きだす。
『天と地の守り人』
登場時16歳。最終登場時17歳。
ロタ王国にたどり着き、北の大陸同盟を目指す。
ロタ王に謁見し、同盟を打診する。バルサと合流しカンバル王国へ向かう。(第一部)
カンバル王に謁見し、ロタとカンバルの同盟を打診。そこに新ヨゴも加わり、援軍を率いて旅立つ。(第二部)
ロタ王国を経由し軍を率いて新ヨゴ皇国に帰還。タルシュ帝国の侵攻を食い止めると共に、天変地異を警告。父帝と決別する。(第三部)
容姿と性格
きつい眉と鼻筋は父に似る。よく動く黒い瞳は母親似。
南の大陸に由来する伝統的なヨゴ皇族の顔をしている。
気骨があり、率直。鋭い知性と人を思いやる感性を持つ。気性は激しく、作中では炎や火の玉に例えられる。
国が抱える欠点や歪みを見過ごせず、帝や老臣と対立するが、一方で若者を中心に支持者も多い。
皇族であるにもかかわらず、バルサたちと過ごした経験から、宮の外に対する穢れの意識がない。また呪術への嫌悪感も持たない。