概要
上橋菜穂子の異世界ファンタジー小説『精霊の守り人』にはじまる「守り人シリーズ」の主要登場人物。
当代随一といわれる呪術師トロガイ師の弟子で、バルサの幼馴染み。
バルサより二つ年下で、原作小説「精霊の守り人」初登場時の年齢は二十八歳。
幼い頃から武術の稽古で傷だらけだったバルサの怪我を見てやっていたため、呪術よりも薬草治療に長けている。
バルサとは対照的に戦いはまったくの不得手。
お人好しでのんびりとした性格で、話す相手を安心させるような雰囲気を持つ。特に子供には優しく、近隣の村の少女からは「薬草師のおじさん」と呼ばれて親しまれ、バルサの保護対象であったチャグムのことも弟のように可愛がっている。
幼少期からバルサを大事に思っており、何度も命を危険に晒すような無茶をする彼女を心配している。
バルサに対し、今後もチャグムと三人で一緒に暮らさないかと言ったり、アスラとチキサを引き取って育てる提案をしたりと、共に落ち着いて暮らすことを望んでいる様子が窺えるが、基本的に彼女の生き方を尊重して待っている。
本編での活躍
『精霊の守り人』
追手から逃げる際に怪我を負ったバルサを手当する。その後はチャグムも交えて共に暮らしながら、精霊の卵について調査し、全面的にバルサとチャグムに協力する。
『夢の守り人』
夢に囚われた姪を救うために<魂呼ばい>を行い、花番の罠に嵌ってしまう。彼の肉体は支配され、バルサたちに襲いかかる。肉体に戻れないタンダは、夢の中から解決法を探り始める。
『神の守り人』
バルサと共に、草市にてタルの民の兄妹チキサとアスラに出会う。呪術師スファルやチキサと行動を共にしながら、バルサとアスラの助けになろうと奔走する。
『天と地の守り人』
トロガイと共に、ナユグの変化がサグに及ぼす影響を調査する。くじで草兵にあたった弟の代わりに徴兵され、タラノ平野にて左腕を負傷する。
『流れ行く者』収録「浮き籾」「寒のふるまい」
子供時代を描く短編。何かと理由をつけては山へ入り、トロガイやバルサと関わる様子が描かれる。「浮き籾」では、死んだ親戚筋のおじさんが取り憑いたという山犬を気にかけ、バルサとともに調べはじめる。
『「守り人」のすべて』収録「春の光」
本編終了後、バルサと共に暮らしている様子が描かれる。
『風と行く者』
冒頭にのみ登場。終戦から一年半後、バルサと共に草市に出向く様子が描かれる。
実写及びアニメ版について
容姿
原作小説では褐色に近い肌、ぼさぼさ髪と描写されており、実写版ではそれを再現したと思われる無造作な髪型、さらに唇から顎にかけて黒い紋様がある(ペイントか入れ墨かは不明)。
アニメ版では髪を一つの団子型にまとめた整った容姿に変更されている。
その他原作との相違点
戦で負傷し切断する箇所は、原作では左腕だが、実写版では右足に変更されている。
アニメ版には、目覚めなくなったサヤの魂を呼び戻すため、<魂呼ばい>を行い、夢から戻れなくなるという『夢の守り人』を意識したオリジナルストーリー(11話)が存在する。