概要
『アルカイック シールド ヒート』とは、任天堂から2007年10月4日に発売されたシミュレーションRPG。開発はミストウォーカー。
正式名称は「ASH -ARCHAIC SEALED HEAT-」で公式略称は「A.S.H.」。
豪華声優陣やDSトップクラスのグラフィックにもかかわらず、操作のほぼ全てをタッチペンに依存する(何故かキャンセルのみBボタンが使える)という偏った操作性のため、中古市場では500円硬貨1枚で流通している何とも不遇なタイトル。
ストーリー
プロローグ(CHAPTER1)
大陸歴112年9月・ミリニア国。
その日は17歳の誕生日を迎えた王女・アイシャの王位継承の儀が執り行われていた。
アイシャに先代の形見でもある「ミリニアの腕輪」が授与されようとしたその時、突如として炎を纏った異形の怪物・火炎蛇が出現し城は一瞬で焼き尽くされた。
ただ一人生き残ったアイシャが手に入れたものは灰と化した人々と廃墟となった王国だった。
そんな嘆き悲しむ彼女の前でなぜか蘇る家臣達。
アイシャは涙を剣に変えて「灰の戦士」と化した家臣を率いて火炎蛇を追い始める。
それが、やがて世界の存亡をかけた壮大な旅の幕開けになることも露知らず…。
第1章
パルスの村~青の森(CHAPTER2~CHAPTER4)
アイシャ達は焼け跡となったパルスの村で村長・ジャッカルと出会う。
そこでは、村人全員灰の体で蘇っていた。
目前に現れた火炎蛇を討伐すべく果敢に挑むアイシャ一行はどれだけ攻撃を加えても一向に倒せる気配がなく苦戦する。
そこへミリニアの隣国・サムネルシア軍が輸送車に乗って現れ、火炎蛇を封印し去っていく。隊長を務める魔導士の青年曰く「王から命令を受けている」という。
その彼らを追ってやってきた秘境「青の森」では壊れた鉄のからくりが横たわっていた。
「ミツケタゾ」と言いながらアイシャに襲ってきたものの、何を見つけたのだろうか…。
森の奥の湖畔ではサムネルシア軍が「機導兵」なる鉄のからくりに襲われていた。機導兵の狙いが火炎蛇を封印していた箱だと知り、アイシャ一行がサムネルシア軍の救援に向かった矢先、輸送車が爆発し火炎蛇が逃げ出した。
子供をかばって爆風に巻き込まれた青年はアイシャ一行に「この場を切り抜けるために力を貸してほしい」と懇願し、「ダン」と名乗る。
その後、ダンのチームは他の兵士に任務失敗を責められるが隊長のジーカウェンは「『森の民』の末裔を里から連れ出してきたものの、人の道に反するから里に返す」とダンの言い分を見逃してくれた。
その夜、ダンはアイシャ達に語る。
2ヶ月前、サムネルシアとエースシンが戦争を始めた。エースシンが投入してきた兵器が火炎蛇と機導兵という。ミリニアが襲撃され、人間が皆灰の戦士として蘇った謎についてはよく分からないという。
ダンが連れていた子供・エミュは彼が連れ去ったことで心を閉ざし、何も話してくれなかった。
森の民の末裔と古の憎悪、そして…(CHAPTER5~CHAPTER7)
翌日、アイシャ一行は火炎蛇の足跡と思われる焼け跡を辿ってエミュの故郷である森の民の隠れ里に着いた。
里はすでに焼き尽くされ、ダンは激しい後悔に暮れる。
その惨状を見て泣き叫ぶエミュに呼応するかのように魔物を召喚するが、アイシャになだめられ落ち着きを取り戻す。「アイシャも自分と同じ境遇にいる」という。
そうして本来の快活な性格を取り戻したエミュの案内で森を抜けていく一行。その時エミュが邪悪な気配を感じとる。
その予感は現実となり、彼らの前に憎しみの感情を糧とし千年以上も生き続けているという伝説の魔物・古の憎悪こと「エルガムント」が姿を現す。
何とか勝利したものの、エルガムントはその場で復活して逃げていった(ブルネク曰く先人達もエルガムントを倒しきれず森の奥深くへ封印したという)。
サムネルシアへと続くマレア街道を進んでいく中、ブルネクは化石についてロマンある話をしていると、自らを「正しき歴史を導かんとする者」と称する機導将軍バミュガラン(CV:中田譲治)が出現。
「恐竜は人類と同じである」と兵を差し向け、ブルネクはアイシャをかばってバミュガランの凶刃に倒れる。そんな絶体絶命のピンチに颯爽と助けに来たのはジーカウェンだった。
その後、ブルネクの魂はアイシャと一体化し彼女に多大な力を与えた。
第2章
未来から来た機導兵とエースシンの皇女(CHAPTER8~CHAPTER12)
アイシャ達はマレア街道を抜けた先にて風変わりな機導兵を見つける。
彼の通称は「クットロラン」。「自分は機械が人類を支配する絶望的な未来からやってきた。未来の歴史を正しい方向へ導くために航時機に乗って過去へ来た」と自己紹介する。
新たな仲間・クットロランを加えて一行はサムネルシアにたどり着くが、街は既に火炎蛇に焼き尽くされていた。
ダンは「サムネルシアを滅ぼしたのはエースシンの仕業」と聞かされ、エースシンと火炎蛇への憎しみを募らせ、王の身を案じてサムネルシア場へと向かう。
サムネルシア場内では兵士曰く「城の地下から火が出た、エースシンの仕業ではないらしい。」「王は腹心や女妾を連れてさっさと逃げた」。
そこへクイッカサー将軍に地下へ続く隠し通路に案内される。
そこではエースシンの王女が囚われていた。火炎蛇は自分のものではないと主張する。
ダンはサムネルシアを疑う王女と彼女に肩入れするアイシャに腹を立て、パーティを離脱してしまう。
アイシャはエースシンの王女「マリティ」と共に彼女の主張の真偽を確かめるために地下施設へと赴くが、突如起こった床の崩落によりさらに地下へと落ちてしまった。
星の意志(CHAPTER13~CHAPTER15)
目を覚ますとアイシャは洞窟の中で一人になっていた。エミュとクットロランとは合流したものの、マリティはエルガムントの催眠波によって操られてしまう。
エルガムントを倒し、マリティは正気に返った(彼女が暗闇を怖がっているのは父親が暗闇の中殺されたからだという)。
その後、エミュは「王妃セレンティアより息子へ」と書かれてあったオルゴールを発見する(セレンティアは大昔無実の罪で息子ともども処刑された某国の王妃で、その憎しみがエルガムントに取り込まれているらしい)。
彼らは地下洞窟を進んでいくと奥で絶滅したはずの生き物(飛魚、毛玉、飛竜)と出会う。
さらに奥では生き物達と滅びの運命を受け入れて静かに暮らしている老婆・ガガがいた。
さらに奥には火炎蛇がたくさんいた。
ガガは一行に「この世界は破壊を司るブラックエネルギーと創造を司るホワイトエネルギーで成り立っている」「人類はブラックエネルギーに偏り、火炎蛇が生まれた」と二つのエネルギーの概念について語る。
すると、ガガは伝説の生き物トリオと共に火炎蛇に焼かれ灰の体となってエミュに力を与えた。
彼女は「火炎蛇が生まれるのは星の意志、エネルギーのバランスを保て」と一行に世界の命運を託した(曰く火炎蛇は傷付くことのない不死なる存在で、星の意志と関係しているらしい)。
欲深き王の野望(CHAPTER16~CHAPTER19)
エネルギーのバランスを保つために地上を目指すアイシャ一行は、洞窟を抜けた先にサムネルシア城地下にある機導兵生産工場に到着。
機導兵の生産を止めるためにブラックエネルギーを発生させている装置を探そうとしている中、クットロランが初期化処理ビームによって再起動し、襲い掛かった。
そんな一行を助けたのは、なんとダンだった。
ダンに案内された先で一行は奥で魔導士長がブラックエネルギーを抽出して火炎蛇を生み出しているのを目撃する(機導兵を作る時に生まれる副産物が火炎蛇らしい)。
ダンは混乱しつつも魔導士長に火炎蛇生産の理由を問いただそうとするが、なんと魔導士長の正体は機導兵を用いて世界征服を目論む野心家「サムネルシア王」であった。
王はダンにアイシャ達の排除を命じ、そこへジーカウェンも登場。
ジーカウェンはガガから話を聞いたというアイシャに驚き、アイシャ達が「使命」とやらをどう果たすのか訝しそうにその場を去った。
ダンは世界が滅びに向かっていると知らされ、王への忠誠を捨ててアイシャ達に従い和解した。
第3章
古の憎悪(エルガムント)の最期、エースシンへ(CHAPTER16~CHAPTER23)
戦艦防衛戦(CHAPTER25~CHAPTER25)
最終決戦(CHAPTER26~CHAPTER31)
主な登場キャラクター
- アイシャ(CV:明坂聡美)
ミリニア国の王女。
慈愛に満ちながらも芯が強く、その育ちの良さゆえか素直でお人好し。
- ダン(CV:子安武人)
サムネルシア国の魔導剣士。
信義に熱い性格で、自身の属する国のやり方に疑問を抱いている。
- エミュ(CV:坂本真綾)
不思議な能力を持つ「森の民」の末裔。
- マリティ(CV:植田佳奈)
非常に勝ち気で気が強いエースシンの皇女。
- ジーカウェン(CV:宮野真守)
サムネルシア国の傭兵で謎多き人物。
- ブルネク(CV:青野武)
ミリニア国の摂政でありアイシャの傅役。
火炎蛇により焼却されたが「灰の戦士」として復活した。
- クットロラン(CV:小野坂昌也)
「ロジック・ボム」により正義感を持つ未来から来た機導兵。
機械の増大で滅亡に瀕している未来を変えるために、アイシャに加わった。
- エースシン女王(CV:榊原良子)
エースシン国の女王であり、マリティの母。凄腕の魔法使いでもある。
関連タグ
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