概要
てんとう虫コミックス23巻及び、藤子・F・不二雄大全集11巻に収録「勝利をよぶチアガール手ぶくろ」に登場。
チアガールのポンポンを模した道具。普段は手のひらサイズだが、女性に向かって投げると自動的に手にはまり大型化。装着した女性はチアガールと化して投げた人物を掛け声と踊りで応援し、この応援を受けている間はゲーム、スポーツ、口論と何でも必ず勝てる。
ちなみに大山版では黄色で、水田版ではピンク色になっている。
ストーリー
スネ夫とオセロで勝負したのび太は、あと一歩のところまで追いつめていたが、そばで見ていた女子2人が助言したことで、どこに打てばいいいのかスネ夫が気付いてしまった。「教えるなんてずるい」と抗議しても、「教えてななかいないわ。あそこって言っただけよ」と言われてしまい、それからも女子達が応援を続けたことで結果はスネ夫の勝利となってしまった。
本当は自分が買っていたのに、応援団のせいで負けたと怒りながら帰宅したのび太は、スネ夫は普段女子に安物のブローチやネックレスをあげて機嫌を取っていることや、あんなに応援されたら誰だって実力以上の奮い立つことをドラえもんに訴えた。そして自分なんか、誰も応援してくれやしないとしょげ始め、これにドラえもんは「ひがむな」と「チアガール手ぶくろ」を出してくれた。
この道具の説明を聞いたのび太は、再びスネ夫の家に向かい勝負を挑むと、「また負けに来たの」や「どうしても負けたいと言うから」と言われたものの、「見てろ!!」と再びオセロ勝負を開始。そして手ぶくろを先ほどの女子達に向かって投げ、彼女たちが応援を始めたことでスネ夫は困惑し、更に足で蹴っ飛ばされてしまった。
そこで応援なんか関係なく勝つことを決め勝負を始めたが、のび太にオセロを全て黒にされてしまい完敗となった。そしてのび太が「オセロに限らず自分はもう何をやっても誰にも負けない」と言ったため、次は表に出てかけっこで勝負することになり、相変わらずのび太は余裕の表情だったが、スネ夫は女子達に帰るよう言いこの場に女の子がいなくなってしまった。
のび太は女の子がいないと困ることを説明するも、関係ないと言われそのままかけっこがスタートし、早々劣勢になったため、しずかの家に駆け込み彼女に助けを求めるも、今は料理中だからと断られてしまった。だが彼女が家に入ろうとした瞬間に手ぶくろを投げたことで応援してもらえ、のび太はスネ夫より先に空地に到着し勝利することができた。
そして今度は相撲で勝負することになったが、しずかは忙しいからと帰り出してしまったが、いざ勝負が始まると再び応援を始め、のび太はまたも勝つことができた。だがスネ夫は今度はジャイアンと勝負するよう言い出し、「あんなの軽い」と余裕でいたのび太だったが、鍋の火がかけっぱなしだからと今度は本当にしずかが帰ってしまった。
一方スネ夫は「ジャイアンのウスバカなんか軽くぶっ飛ばす」とのび太が言っていたと本人に伝えていて、これに激怒したジャイアンにのび太は追われることになってしまった。捕まってしまうも、その時投げた手ぶくろがその場にいたお婆さんの手に渡ったことで、何とか勝つことができた。だがその後、帰宅が遅くなったことで、宿題が済んでいないことに両親がカンカンに怒っているとドラえもんが伝えて来た。
それでものび太は「負けるもんか!」と家の中に入って行き、パパからガミガミと叱られるも、その最中にママに手ぶくろを投げ、応援をしてもらったことで逆にパパを叱ることとなった。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1981年1月22日に、水田版は2009年2月13日及び、2022年9月3日にそれぞれ放送している。
1981年版
- サブタイトルが「チアガール手ぶくろ」に変更。
- 「教えるなんてずるい」というのび太に対して、女子2人が言った台詞は言った者が逆になっている。
- 移動中に言っていたことも、のび太はまとめてドラえもんに話しており、ドラえもんがスネ夫だけ応援された理由を聞いてきたので、スネ夫が普段女子達に安物のネックレスやブローチをあげていることを説明している。
- 勝負の前、「スネ夫さんしっかり」と応援したのは、眼鏡をかけた方の女子になっていて、もう一人の女子は「スネ夫さんが負けるわけないわよ」と言っている。
- しずかは道を通りかかったとこで、Uターンしたのび太に声をかけられている。
- しずかは怒りながら、鍋の日がかけっぱなしだと言って帰っている。
- スネ夫は「ジャイアンななか簡単に片手で捻りつぶすと言ってた」とジャイアンに伝えていた。
- のび太は帰りが遅くなったものの、辺りはそんなに暗くなっていなかった。また最初にお叱り出したのはママで、すぐにのび太が手ぶくろを投げたため、パパが叱る描写は一切描かれていない。
- 本編終了後のショートアニメは、チアガールの恰好をしたドラえもんが踊り、最後には恥ずかしそうな顔をするというものだった。