レバレッジ
ればれっじ
概要
レバレッジ(leverage)とは「てこの原理(てこの作用)」のこと。
投資・資産運用の世界でよく用いられる言葉だが、かっこよく言ってるように見せて実態は借金である。
ただし「レバレッジ」という呼び方をする借金はただの浪費に使う借金では無く、人生を良くも悪くも変えられる力のある借金とも言える。
主に先物取引やFXなどの取引において、証券会社や銀行などからの借入金(借金)などを利用して手元資金の何倍もの取引を行い、投資効率を高めるのが狙いである。
特に現物の株式投資でレバレッジをかける取引は信用取引と呼ばれる。またデリバティブ(金融派生商品。バイナリーオプション、オプション取引、為替スワップなど)はレバレッジをかけることを前提としていることが多い。
レバレッジの中でも、元手資金の数十倍規模に達するようなハイリスクなものは「ハイレバレッジ」と呼ばれる。
一般には「証拠金」と呼ばれる現金や有価証券が必要となり、購入した資産の価値が下落して一定水準を下回ると「追証金」を入れるように証券会社から催促される。これが払えないと「強制ロスカット」と言って、負債が残るような状況でも強制的に損切りをさせられる。
これがもし現物取引であれば元本回復までガチホ(ガチホールド、つまり絶対に手放さないこと)ができるのに、である。
つまりレバレッジを効かせることでリターンは大きくなるが、その分破滅のリスクも大きくなる。投資で大成功を収める場合も、投資で身を滅ぼす場合も、このレバレッジによるものであることがほとんどである。
総じてギャンブル要素が強くなるので、自信も知識も無い人間は手を出してはいけない。
レバレッジ型投資信託
「株式指数の○倍の動きを目指す」としているレバレッジ型投資信託もある。「ブル」(上がった時儲かる)と「ベア」(下がった時に儲かる)の2種類がある。
証拠金や担保も必要ない上に煩わしい手続きも無く、100円程度から画面上のボタン一つで購入可能なお手軽さがメリットである。
またどんなに下落しても追証金や強制ロスカットは発生しないため、全財産を突っ込むようなマネさえしなければ破産リスクは低い。
しかし株価が横ばいの状況で発生する「逓減効果」がキツいという弱点がある。これは例えば、100円の株が20%下落すると80円になり、その後で20%上昇しても96円にしかならず元本を回復できない、という現象である(資産が大きくなるほど利益幅も大きくなる「複利効果」の逆と考えれば分かりやすい。つまり資産が小さくなれば利益幅も小さくなるのである)。
この効果自体は現物取引でも発生するが、レバレッジ型では更に被害が大きくなってしまうため長期的な保有には向いていないとされる。
また仕組みとして先物取引を用いて擬似的に大きな値動きを実現しているため、現物に比べてトラッキングエラー(指数追跡ミス)が生じやすい。
そのため読み通りの方向に指数が動いたにも関わらず、基準価額が下がって損失を出してしまう、という理不尽な事態に遭ってしまうリスクもある。
さらに所有中の手数料(信託報酬)も総じて高いため、手軽とはいえ結局のところ上級者向けであることは変わらない。