概要
ジェンダーギャップ指数(英:Gender Gap Index : GGI)は、経済・教育・医療・政治参加の4分野で世界各国の男女間の不均衡を示す指標である。男女格差指数(だんじょかくさしすう)とも訳されている。
非営利財団の世界経済フォーラムが2006年から Global Gender Gap Report(『世界男女格差レポート』)にて公表している。
また、公表しているのが経済関係の団体である事からも判るように、あくまで「公開されていて数値(≒統計情報)で表せる情報を元にしている」「企業活動や政治などの経済に深く関わる分野における男女格差を重視している」などの特徴が有り、この点(例えば、数値で表しにくい男女格差や、一般家庭などにおける男女格差、その他、個別調査なしに表に現われにくい男女格差は反映されにくい)を批判するフェミニスト活動家も少なくない。
要は「ある2つの国が、20位とか30位も順位が違うのであれば、順位が低い方の国は、高い方の国に比べて明らかに問題が大きいが、1桁前半内の順位の違いは誤差の範囲内」ぐらいの信頼性の指数と考えるべきであろう。
更に言えば、例えば、ある年に、ある国の歴史上初めて女性の首相・大統領が誕生したとしても、短期間(女性の首相・大統領が誕生した年)の内に、民間企業・公的機関の女性管理職や国会議員・地方議員に占める女性の割合(などの統計に現われる数値)が大きく上昇しない限りは、翌年のその国のジェンダーギャップ指数が大きく変る事は無い。(逆に女性が首相・大統領だった期間中に、民間企業・公的機関の女性管理職や国会議員・地方議員に占める女性の割合が下がってしまえば、あるいは「その国の歴史上初の女性首相/大統領」が誕生した事で新たに組閣された政府・内閣の閣僚の中に占める女性の割合が、結果的に、それまでより大幅に下がれば、ジェンダーギャップ指数は、当然、下がる事になる)
もう1つ付け加えるならば、ジェンダーギャップ指数そのものが統計値を元に機械的に計算されたものであり、現在のジェンダーギャップ指数の計算式では「女性の首相や大統領が誕生した」だけではジェンダーギャップ指数には大きな影響はなく、「女性が首相や大統領だった期間が長く続いた」時に、ようやく、ジェンダーギャップ指数にある程度以上の影響が出るようになっている。
ジェンダーギャップ指数の計算に用いられる主な統計値
- 国会議員の男女比
- 閣僚の男女比
- 最近50年における行政府の長の在任年数の男女比
よくある誤解
- 小池百合子都知事は日本のジェンダーギャップ指数を改善しているのか?
- 上記の通り、地方自治体首相の男女比や在任年数はジェンダーギャップ指数の計算に用いられないので、小池百合子都知事の存在は、日本のジェンダーギャップ指数には何の影響も与えていない。
- 何故、女性に対して抑圧的なイメージが有る「ムスリムが多数派の国」でも、ジェンダーギャップ指数が日本より遥かにマシな国が有るのか?
- 算出に用いられる統計値が上記の通りなので、国会議員や閣僚に占める女性の割合が日本よりも遥かに上だったり、女性の首相・大統領の長期政権が続いた国が有れば、その国の多数派がムスリムで、イスラム教を表向きの理由とする女性に抑圧的な政策や社会慣習が存在していても、当然ながら、ジェンダーギャップ指数は日本よりもマシな値になる。
では、計算式や算出方法そのものがおかしいのでは無いのか、と言われる方も当然居るでしょうが、そりゃ、フェミニストの中にも批判派が少なくないような「指数」ですので、としか申し上げようが有りません。