概要
初登場は『ヤンキーくん』編(2、3巻)。
通称「マサル」。貧しい母子家庭で育ち、高校も行かず無為に過ごしていた。
紆余曲折の末にカウカウファイナンスの従業員となり、以降レギュラーとなる。
先輩社員の高田と仲がよく、兄貴分として慕っている。
実写版では中盤から丑嶋と敵対するため、漫画とは違う結末を迎えている。
人物
小柄な少年で、不良のように髪を金に染めて逆立てている。高圧的な態度で債務者から取り立てるなど如何にもチンピラらしいが、実際は弱者相手にしか強気になれない小心者で、格上が相手だと怯えて何もできなくなる。ただ覚悟を決めた時は丑嶋も一目置くような度胸と行動力を見せる。
また闇金の従業員として様々な悪事に手を染める一方、DVや売春、人身売買のような人の道を外れた行為には抵抗があり、それに汲みする人間を強く憎むなど独自の正義感も持つ。
丑嶋のことは一線を超えた犯罪を繰り返していることや、弱者にも容赦がないこと、自分に屈辱を味わわせたことなどから強く憎んでいる。しかし本心では生き抜くための知恵を教わったことに恩義を感じており、丑嶋が滑皮の言いなりになっていた時には強く失望する等、向ける想いは複雑である。
(おそらく自分を苦しめた父親の姿と、理想の父親像の両方を重ねている節がある)
経歴
暴力を振るう父親と、その言いなりになって売春や闇金で稼ぐ母親という最悪の環境で育った。案の定、マサル本人も社会の輪から外れてしまい、高校には行かず落ちぶれた生活を送る。
ある時、暴走族のリーダーを務める愛沢浩司のバイクを盗んだ事が発端でトラブルに巻き込まれ、200万円を借り入れるために丑嶋馨の元へ連れていかれる。丑嶋は金を貸す価値などないと一蹴するが、マサルはカウカウファイナンスでのタダ働きを申し出る。過去に多人数の愛沢グループへ立ち向かった度胸が評価され、その場で入社が決まる。
以降は同社での闇金業に精を出す傍ら、会社の顧客情報を悪用し私腹を肥やす。しかし不当に稼いだ金は丑嶋に回収されており、それが原因で窮地に陥った際に助けを求めるも見捨てられる。命からがら救出された後に丑嶋へ謝罪しクビは免れるが、以降は丑嶋への復讐心を奥底へ秘めながら、金融屋のノウハウを学ぶために面従腹背の精神で働き続ける。
鬱憤を抱えながら丑嶋のもとで働いていたが、『ヤクザくん編』で丑嶋が人身売買に手を貸す場面を見て怒りが再燃、復讐を決意する。飯匙倩に丑嶋の情報を流して抗争を促し、更に肉蝮に丑嶋の居所を教えて暗殺者として差し向ける。だがどちらも失敗、マサルは加納の家から金を盗んで沖縄に逃亡する。
結末くん
マサルは村田という偽名を使い、丑嶋の影に怯えながら沖縄の闇金業者で働いていた。
あるとき心優しい風俗嬢・のどかと出会い、自分の罪と恐怖を癒してもらう。のどかが子持ちで、またDV夫の奴隷として働かされていることを知ると、自分と母親の姿を重ねたのか彼女の自宅に殴り込みをかけDV夫を制裁する。そしてのどかに風俗を辞め、支援員の助けを借りてやり直すよう助言する。
(ただし貧困の原因はマサルが働いている闇金からの借金である)
だが間もなくマサルを追ってきた丑嶋、柄崎、戌亥がやってくる。飯匙倩との抗争で加納が死んだことを伝えられ、その件で制裁を受ける。更にのどかを殺すと脅され、盗んだ金を返すよう詰められる。マサルは自宅にある隠し場所を吐く。
そこには事前に仕掛けておいた対侵入者用の毒ガストラップがあり、それで丑嶋を出し抜こうとするも「もう裏切るな」という丑嶋のひとことに気持ちが揺らぐ。結局、丑嶋を殺すことはできず、言われた通りに金を渡し、のどかのことも見逃してもらう。
その後、車で海に連れていかれ今度こそ死を覚悟するも、丑嶋と柄崎はあっさりとマサルを解放する。マサルは二人の意図が理解できず怒りを向けるも、丑嶋には「あ?お前何してほしいの?」といなされてしまう。その一言にマサルは激昂し...
コケにしやがって!! 丑嶋ァッ!!!!
俺と母ちゃんをコケにしやがって!!!!
テメェだけは絶対に許さねェ!! テメェの生き方だけは絶対に認めねェ!!
でも 本当は......
あんたからもっと...
親父や兄貴みたく いろいろ教えて欲しかったンだぁ!!!!
と、自分がずっと内に抱えていた本心を打ち明ける。丑嶋と柄崎はマサルの心情を察したのか「じゃあ教えてやるよ」と、愛の鉄拳でアザができるほどマサルの顔をボコボコにする。事が済んだ後、二人は加納の嫁からもらったというマンゴーを渡し、三人で食べた後「じゃあな」とマサルに別れを告げる。
全てが片付いた後、マサルはのどかを連れて支援の申請に行ったようで、またのどかを苦しめていたDV夫についても、借金をチャラにする代わりにのどかに近づかないことを約束させた。のどかは新しい一戸建てに住むことができ、また幼馴染の男性の助けを借りて生活を立て直すことができた。
マサルは平穏が戻ったことを見届けると、自分の正体をのどかに明かし、親子で幸せになって欲しいと告げ、彼女らのもとを去っていった。
名言くん
俺の母親は男から殴られていつもオドオドしてた。
闇金から金借りたり身体売ったりしてる女だった。
そんな母親に育てられたら、ガキも絶対に同じこと繰り返すぜ!!
お前の子供も俺みたいにしたいのか?
(逃亡者くん編)
演者くん
実写版:菅田将暉