御城(死亡遊戯で飯を食う。)
みしろ
「この女!わたくしがいったいどんな気持ちで……!」
概要
ライトノベル『死亡遊戯で飯を食う。』の登場キャラクター。
トップ絵、手前から二番目の金髪の人物。
ボリューミーな金髪縦ロール、という漫画のようなお嬢様キャラであり、性格面においても「高飛車で自信家、プライドの塊」と見た目通り。
主人公・幽鬼との初対戦では、そのプライドを幽鬼に完全にへし折られてしまうが、敗北の悔しさをバネに、後に強敵となって立ちふさがる事となる。
プロフィール
苗字は不明ながら、本名は「一美(かずみ)」であることが分かっている。
プレイヤーネーム「御城(ミシロ)」からすると、苗字の読みが「みしろ」の可能性もある。
容姿
概要の通り、漫画のようにボリューミーな金髪縦ロール。
これは立ち絵のデザイン的誇張ではなく、作中のリアルにおいても本当にそうであることが示唆されており、なんと「大きく振って相手の視界を完全に遮る」という技に用いられる。
顔立ちは当然のように美人だが、性格も相まってキツ目の印象を受ける。
性格・生い立ち
性格は概要の通り高慢な自信家であり、一方でいったんメンタルが崩れると脆いという、いかにもな「高飛車お嬢様」キャラ。
トラウマの対象に遭遇した結果、泡を吹いて気絶する、というコミカルな一面も。
……しかし、デスゲームに参加するだけあって「病的なまでにトップに立ちたがる」「その為に生じたストレス発散のため、過剰な暴力行為も辞さない」という致命的な人格的欠陥がある。
見た目通りに実家も裕福だったようだが、どれだけ努力しても自分より上がいる世間に苛立っており、その怒りをぶつけて自分の部屋をメチャクチャに破壊したり、妹を、病院に緊急搬送されるほどに痛めつけたりしたことがある。
このコンプレックスの根源は、母親が「一美」という名前に「どんなささいな事でもいいから、いっとう抜きんでて欲しい」という願いを込め、それを娘にも語って聞かせたため、との事である。
これだけ聞くと真っ当な願いに聞こえるが、回想でわずかに語られただけであるため、単に御城が
親の愛を理解できない歪んだ子供だったのか、それとも母親がこういった発言を何度も繰り返して、自覚なくストレスを与えつづけるタイプだったのかは不明。相性が悪かったことだけは確かだろう。
そうした生活の果てに、エージェントから「デスゲームの世界ならいくらでも上を目指せる」とスカウトされ、プレイヤーとなった。
作中の活躍
幽鬼の10回目の参加ゲームスクラップビルにて初登場。
キャンドルウッズ以降に参加した新規層ながらこの時点で8回目と、初心者を卒業しつつある段階であった。
スクラップビルにおいては、幽鬼以外のプレイヤーとは顔見知りであり、既に自分が「リーダー」として掌握していたところ、唯一の異分子である幽鬼が自分よりもクリア回数が多いと知ったことで、強い反発を抱く。
当初はしぶしぶその主張を受け入れていたものの、幽鬼がキャンドルウッズ以降のブランクや巡り合わせの悪さなどで何度か失敗したことにつけこみ、主導権を取り戻す。
最終的には、完全に意見を違えた幽鬼と決別し、忠告に耳を貸すことなく彼女を置いて先に進むことを決める。
しかし結果的に幽鬼の数々の忠告はみごとに的を射ており、反発心からそれを意図的に無視して突き進んだ御城は、ゴールを間近にして、トラップのひとつである「狼のような巨大な獣」に襲われてしまう。
噛みつかれた右腕を犠牲にすることで何とか逃げ延び、瓦礫で簡易シェルターをつくって隠れることに成功するも、もはや脱出の望みはなく、今までの人生への後悔や、自分をこんな境遇に追い込んだ人々への恨みつらみを抱えながらうずくまっていた。
そこへ、戻ってきた幽鬼と遭遇。
彼女に「今までの非礼を詫びれば助けてあげる」と挑発されるも、最後のプライドでそれを拒否し、幽鬼の手を振り払った。
直後、ふたたび獣に襲われるも、御城の「折れなさ」に感銘を受けた幽鬼によって助けられ、生還する。
作中の活躍その2
幽鬼の30回目のゲームゴールデンバスにて再び登場。
作中ではスクラップビルから8カ月の時間が経過しているが、この間になんと30回以上のゲームをこなし、幽鬼をも上回る40戦目のプレイヤーとなっていた。
その狂気ともいえるプレイ姿勢の原動力はただ一つ、
「自分を心底から叩きのめした幽鬼を、いつか見返してやること」
である。
御城にとって、幽鬼は「己が心から屈服させられた初めての相手」であり、本人の言を借りるなら「まるで神のような」というほどの体験であった。
「トップであること」に対するこだわりが非常に強い御城にとってこれは耐え難い認識でもあり、スクラップビル以降、彼女のすべては「いつか幽鬼を越えること」となっていた。
その愛憎いりまじる思いの果てに、ついにゴールデンバスにて幽鬼と邂逅。
しかし、ちょうど本作デスゲームにおけるジンクス「30回目の壁」にぶち当たっていた幽鬼は大きく調子を落としており、そのブザマさは彼女を失望させた。
激昂する御城は、幽鬼を即座に倒すことなく、散々に罵倒しながら殴りかかる。
その結果、叱咤にも似た罵倒によって調子を取り戻した幽鬼は逆転に成功。
致命傷を負った御城は、至福の表情をうかべながら、ステージである浴槽の中へと沈んでいった。
御城の弟子達
本作のデスゲームプレイヤーたちは、一つの壁である30戦目を超えたあたりから弟子を取る者が多い。
この例に漏れず御城にも幾人かの弟子がいるが、他の「師匠プレイヤー」とは異なり、御城が弟子を取る目的はすべて「いつか幽鬼を上回る為」である。
そのため、御城が弟子に取るのは「自身に強く依存してくる、中身のない子」であり、彼女たちには呪いをかけるように「もし自分が倒れたら、自分の代わりに幽鬼を倒せ」と言い聞かせていた。
彼女の弟子の一人は「この人は、自分を増やしているんだ」と解釈している。
余談
御城は、参加ペースが判別できるプレイヤーの中では群を抜いたハイペースの持ち主である。
初登場時点で8戦目だったが、これはキャンドルウッズ以降の三カ月のうちとなる為、キャンドルウッズ直後の参加だとしても二週間に一度は参加している計算となる。
これは幽鬼が「死亡遊戯で飯を食う」、つまり「99連勝する」という長期目標を掲げて以降の基本ペースと同等である。
幽鬼との出会いと敗北の後は更にハイペースとなり、約8カ月で32戦、イコール平均して1週間に1度以上参加している計算になる。
ゲームの中には数日~一週間程度かかるものもあるため、インターバルで考えると数日に一度のペースで参加していたものと考えられる。
作中これほどのペースで参加しているプレイヤーは他に登場しておらず、幽鬼に対する狂気的な執着の一端が垣間見える。