データ
主なプレイヤー
うさぎ
切り株
ゲーム内容(ネタバレ注意)
巨大迷路を舞台にした、300人の「うさぎ」と30人の「切り株」による鬼ごっこ。モチーフはおそらくこれ。
ルールは、うさぎチームは生存型(期間内生き残れば良い)、切株チームは対戦型(プレイヤーを一定数殺害する必要がある)の非対称ゲームだが、後述する理由により、実質的には両チームとも「対戦型」の様相を呈している。
切り株のルール
鬼ごっこの鬼に相当。期間内に5人のうさぎを殺すことでゲームクリアとなる。条件を達成できなければ、体内の仕掛けが作動して死亡する。
チーム戦ではなくあくまで個人戦であり、それぞれの切り株でクリア判定がなされる。切り株が切り株を殺したとしてもクリアには直接関わらない。うさぎを5人殺し終わっても期間が終了するまでは待機していなければならないため、うさぎの報復を警戒する必要がある。
武器として、アサガオを模した8発装填の銃(コミカライズでは、トカレフに似た自動拳銃の銃口部分に、朝顔形アタッチメントがついている)、笹の葉を模したナイフ、マツボックリを模した発煙弾がそれぞれ10個ずつ支給される。
解説役は人面樹のマスコット。
うさぎのルール
期間内を生き残ることでゲームクリアとなる。
ただ切り株から逃げるだけでなく、武器を奪ったりして逆に殺してしまうことも可能である。
解説役はたぬきのマスコット。役割を終えた後、「何か隠し持ってるかも」という理由によりプレイヤーたちにボコボコに破壊された。
主人公・幽鬼の師匠である白士いわく「亀や狼ならやらなかったが、タヌキならかちかち山で殺してるから問題ない」とのことだが、一般常識に乏しい幽鬼には意味が通じなかった。
経過
切り株側は、唯一の経験者である萌黄がリーダーを務める。単独でのクリアは困難だと判断した萌黄は初心者たちにこれが殺人ゲームであることを「指導」して、恐怖政治で支配してゲームに臨む。
うさぎ側は積極的に切り株の排除に動き、尋問して切り株側の状況を把握し、人数と経験の差で優位に立つ。
しかし、うさぎ側だった殺人鬼のプレイヤー・伽羅がルールを無視した虐殺を始めたことで状況は一変。うさぎ・切り株問わず次々殺害されていき、うさぎを巡って切り株同士でも殺し合いが発生し、幽鬼が伽羅を仕留めた時点で生存者は3人のみとなる。
唯一生き残っていた切り株である藍里はすでにうさぎを5人殺し終え、幽鬼にも戦意がなかったため、これ以上状況は変化しないと判断されて3日目に早期終了するという異例の結末となった。
結果
生存者が330人中3人のみという、殺人ゲームでも過去最低の生存率を記録した。
生存率
- 理論上の最大生存率: 300名(90.9%) ※ウサギが損失ゼロで切株を全滅させた場合
- 実際の生存率: 3名(0.9%)
生存者
- 幽鬼(伽羅により右目を負傷するも生存。のちに失明)
- 白士(伽羅により全身を解体されるも生存。肉体的限界を感じて引退)
- 藍里(5人のうさぎを殺害し生存)
死亡者
- 萌黄(幽鬼に銃弾で頭を撃ち抜かれて死亡)
- 墨家(胸部を複数回刺されて死亡)
- 伽羅(幽鬼に笹の葉ナイフで滅多刺しにされて死亡)
その後への影響
キャンドルウッズの参加プレイヤーはその大半がベテランであった。
初心者は切り株側、ウサギ側あわせても60名程度であることから、270名ほどがベテランだった計算となるが、これは業界全体でみてもベテランプレイヤーの大半だったらしく、それらが全滅したことで業界は大打撃を受け、プレイヤー層が大幅に入れ替わっていくこととなる。
結果、キャンドルウッズはプレイヤーたちの間で「キャンドルウッズ以前」「以後」と区別されるほどの象徴的事件となり、作中で折に触れて語られることとなる。
余談
本来想定されていたゲーム内容
上記の通り開始からほどなく伽羅によって滅茶苦茶にされて早期終了となってしまった本ゲームだが、元々説明されていた「迷路を舞台にしたサバイバル」のフィールドたる迷路は、以下のような物である。
・全体ではサッカーの競技場ほどの広さの敷地すべてを使って、巨大迷路が作られている。
・通路は、二人がすれ違うのにやや苦労するほど狭く、入り組んでいる
・迷路の各所には水や食料、風呂やトイレなど、一週間過ごすためのアイテム、設備が各所に点在している
サッカーコート一枚分の広さに対して300人超の参加者、というとかなり手狭に聞こえるが、迷路の密度を濃くすることで補っていることがわかる。
またゲームの本格開始前には、ウサギ側にはある程度の範囲(コートの約半分程)を事前探索する余裕が与えられており、一方で切株は、開始までスタート地点の小部屋に留め置かれていた。
フィールド設定としては、いかにして300人超に一週間もの間フィールド内鬼ごっこさせられるか、を考えた仕掛けだった事がうかがえる。
ただし、そのフィールドの大仕掛けに対してプレイヤーのバランスには不可解な点があり、少数かつほぼ初心者のみだった切株側は、ゲーム開始からわずか半日足らずで半壊してしまっている。
伽羅が暴れなかったところで、初日で切株チームが全滅しての終了となっていた可能性が高く、それは事前に想像できることでもある。
そこから考えると「伽羅がゲームを荒らすこと自体は、運営の想定のうちだったのでは」と思わせる部分がある。
過去9度のゲームすべてでプレイヤー皆殺しの暴挙を働いている伽羅が、今回もそうするであろうことは容易に想像できることであり、また前記した「普通に考えれば切株が即全滅して終わるゲームバランス」も「伽羅が暴れて情勢が劇的に変化すること」が折り込みだったと考えると、不自然でもなくなる。
そこから逆算すると、運営の思惑は「伽羅には程々に暴れてカオスな展開を作ってもらおう。ベテランが300人近くいればそう簡単にはやられないだろうし、適当なところで倒せるだろう」くらいのものだったのではないかと想像される。
わずか半日で皆殺しの憂き目にあうとは、さすがに予想できなくても仕方がないと言える。
その他のプレイヤーについて
樺子(カバネ):切株チーム。名が体を表すかのように、開始直後に萌黄の「指導」で見せしめにされて死亡。コミカライズでは名前を呼ばれるシーンがなく、無名のまま犠牲となる。
櫛枝(クシエダ):切株チーム。ウサギチームに捕まり、暴力的でない尋問を受けて情報を吐かされた。その後の描写はないが、ゲーム結果からすると伽羅に殺害された模様。
緋川(ヒカワ):切株チーム。萌黄の「指導」にもっともはやく適応したが、後に萌黄自身によって殺害される。コミカライズでは指導での登場シーンが他のキャラに置き換わるなどして、登場しない。