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編集者:こし餡過激派
編集内容:ルパート2世を中心に大幅な追記

「皇帝ルパート、全ての有機生命体の敵!其はかつて、魂ある機械たちに重大な任務を与えました。全ての有機生命体を浄化し、星々を精密に動く機械に作り替えよと——我はここに求めます!数字の使命に囚われたロボット達の解放を!」

——スクリューガム、天才クラブ#76

概要

宇宙を震撼させた「機械皇帝」

かつて宇宙を席巻した、無機生命体のみで構成されし星間国家「機械帝国」。ルパートはその皇帝であり、帝国を創り上げその全てを意のままにコントロールせし傑物である。

皇帝は全ての有機生命体に宣戦布告して2度にわたる星間大戦「皇帝戦争」を引き起こし、宇宙を殺戮と混乱の渦に突き落とした。

ルパートを名乗る人物は2人存在し、本記事では帝国を築いた「ルパート1世」と、1世の跡を継いだ「ルパート2世」を順に記載する。

「ルパート1世」

天才クラブ会員番号27番

「生産に使う機械と破壊に使う機械は平等である」

——使い捨て動力キャノン

機械帝国と災禍を生んだ初代機械皇帝。単にルパートと呼ばれる場合、こちらを指す。

身長が何十メートルという巨大な躯体を持った無機生命体である。

元はゴミ山に捨てられた、ただのコンピューターに過ぎなかったが、奇跡的に自我を獲得。時間をかけて己の計算能力を高め、遂には「知恵」のヌースが目を留める「天才」まで上り詰めた。

自分をゴミ山に捨てた有機生命体に対して、決して消えることのない激しい怒りを抱いていたという。知性が高まり見識を広げるにつれその炎はさらに燃え広がり、遂には「思考に誤謬を数多く抱えた有機生命は、必ず種を自滅に導く欠陥生物である」という結論を導き出した。この結論を以て、完璧である無機生命が宇宙を支配する時代を作るため、有機生命を駆逐する「皇帝戦争」を引き起こすことになる。

皇帝の軌跡

自由意志に目覚めたルパートは当初、壊れかけのロジックユニットと古いモーター、90GBの予備のメモリスペース、そして指一本で曲げられる工業用アームしか持ち合わせていなかった。

しかし、有機生命体への怒りを回路に漲らせていた彼は、激情を糧に時間をかけてアームを強固にし、残されたわずかなゴミで大砲を作り上げた。この時、自身の力と可能性に気付いたという。

その後は粘り強く自己改造を繰り返し、己の計算能力を向上させ続け、無機生命体による星間帝国を築いた。自らを「皇帝」と称して各世界を焼いたルパートは、やがてその眩い知性によって、有機生命の不完全性を証明する数学モデル『反有機方程式』を導き出す。これによりヌースから注目を浴び、"元"機械墓地のスクラップは27番目のメンバーとして天才クラブに招待される事となったのである。ルパートはこの時、機械帝国全土の無機生命体に反有機方程式を埋め込んだ。

しかし、ある時ルパートは詳細不明の深い眠りにつくことになる。とある「開拓」の行人から成る有機生命の集団が彼を目覚めさせるまでに、数十琥珀紀もの時間が流れ、主を失った機械帝国は消滅し、天才クラブの末席は#27から少なくとも#56まで移動した。

有機生命体の干渉によって長い眠りから目覚めたルパートは、宇宙に散らばる反有機方程式を一斉に励起させ、機械帝国は瓦礫の下より蘇った。反有機方程式を埋め込まれていた無機生命体達はルパートの思想に強制的に同調させられ、有機生命体に牙を剥くようになる。その勢いのまま、皇帝は知的ロボットの軍隊を編成し、全ての有機生命体を殲滅を目指す大戦第1次皇帝戦争を引き起こした。最終的に数十琥珀紀の間燃え続けた戦火は、数多くの肉を焼いた。

後述の第2次も含めた2回の皇帝戦争が宇宙にもたらした破壊は計り知れず、宇宙の蝗害とともに間接的にナヌーク星神に昇格する原因にもなった。

そんな機械生命体随一の天才にして比類ない暴君の最期は、同じ「天才」によってもたらされる。

天才クラブ#4 ポルカ・カカム。彼女のメスは静寂の中、機械皇帝の胸へと突き立ち、彼の命を終わらせた。

至高の皇帝を失った機械帝国はたちまち瓦解し、皇帝戦争はここで一度中断される。

「ルパート2世」

「この悲しい有機生命体たちを始末しなければ」

皇帝ルパート亡き後、その座を受け継いで機械帝国を蘇らせ、より凄惨な「第2次皇帝戦争」を開始した人物。

その正体は反有機方程式を解読した有機生命体である。

彼が1世と大きく異なるのは、有機の肉体を持つことだけではなく、憐憫を以て有機生命を殺戮したこと。

1世の崩御数年後、帝国の玉座の前に現れた彼は反有機方程式を読み解いた事で有機生命体の愚かさを理解し、同時に「有機生命は裏切り合うために作られた機械である」という思考に取り憑かれた。自分だけが真に自由意志を持っている存在だと考えるようになった彼は、「意志なきまま裏切り合う」在り方を憐れに思い、その命を終わらせることで救うために皇帝を名乗った。

こうした思想の持ち主であるため、正真正銘の機械であり方程式の奴隷である無機生命は、2世にとってあってもなくてもいい道具にすぎなかった。この点で、無機生命体を宇宙の支配者へ押し上げようとした1世とはスタンスが大きく異なる。

反有機方程式を解読したその頭脳や、発明品の「セプター」システムが「天才の造物」と称されている事、晩年に天才たちの最終到達点である「知識の特異点」に届きかけた事から、学者としての能力は天才クラブメンバーと比べても遜色ないものと思われる。

彼個人が天才クラブとしての席次を獲得しているのか、それとも1世と併せて「#27ルパート」とされていたのか、そもそもクラブメンバーだったのか、現在の情報の範囲では不明である。

皇帝の軌跡

第2代皇帝となった彼は、速やかに反有機方程式を拡散させ、機械帝国を再編して皇帝戦争を再開させた。

1世が率いていたオムニック(機械生命体)の威風堂々たる軍団は、2世が指揮する無骨な殺戮マシーンの山に取って代わられ、ただひたすらに、無感情に、有機生命体の殺戮を繰り返したという。

また、「セプター」システムという天体規模の計算装置を開発して己の外付けの脳とし、帝国全土の運営と戦略構築をたった1人で遂行していた。

ところが第2次皇帝戦争のさなか、2世は突然、皇帝としての責務を放棄し、知識の探求者としての身分に立ち返る事を決める。

セプターの全スペックを己の学術思考の為だけに使用することで、自身を一人だけで思考を続けられる完全な学者へと進化させる「自己戴冠」プロセスを開始した彼は、それをやり遂げる事もなく謎の死を遂げた。

仮に自己戴冠を成し遂げた場合、2世は生命の在り方すら根底から変化させるほどの技術的ブレイクスルー「知識の特異点」に到達し、最終的には有機無機関係なく全ての生命を消滅させていたという。

2世の死の原因として現在有力なものが、「#4ポルカ・カカムによる暗殺」である。

ポルカは天才による"特異点"への到達の阻止を目的に、天才の殺害を繰り返す人物である。また、2世は自己戴冠実行前に自身の慰霊碑を建てるといった、「研究進行が死を招く可能性」を考慮しての行動を取っていた。

成果

反有機方程式 (1世)

#27ルパート1世を代表する発明。

「有機生命の存在は間違いである」事を証明する数式モデル。「天才」が導き出したそれはあまりにも精緻かつ無謬で、演算が本能であり論理が思考の根底を成す機械生命体にとってはまるでマルウェアのように働く。ひとたび演算を始めればルパートが導き出した結論を否応なしに理解させられ、彼の思想に同調せざるを得なくなるのである。

例え長年過ごし親密を深めたロボットのパートナーであろうと、一瞬で殺し屋に変貌させる恐ろしい発明であった。

加えて方程式の演算は戦闘に応用すると、有機生命体の効率的な抹殺方法を導くことができる

あくまで数式モデルであるため、先述した通り解読さえできれば有機生命体にも効果を発揮しうる。

スターレイル本編においても現存しており、皇帝亡き後も被害を生み続けている。数多くの世界に埋もれ、感染した機械と共に再起動の時を待っている。

自己進化する階差機関 (1世)

1世によって発明され、2世によって第2次皇帝戦争の際に表舞台に姿を現した、自身の計算能力と意思決定機能の向上を続ける階差機関。奇物「ルパート帝国の階差機関」としてゲーム内コンテンツ「階差宇宙」に収録されている。

最終的には第3代皇帝にほぼ成り替われる程にまで進化を遂げた

ルパート3世と成り得た存在

現在ではカンパニーによって各地の研究所に分割ののち封印されている。解析を試みた際には、接続した全ての機器が反有機方程式の侵入を受け、オーバーロードを起こした後自壊した。恐ろしい事に、今でも起動したままであるという。

「セプター」システム (2世)

2世が「知恵」のヌースの思考法をモデルに創り上げた、無機生命模倣ニューロンクラスター群。端的に言えば天体規模の超高性能スパコンである。

システムを構成する「セプター」ユニット1台でさえ星規模のサイズを誇る。これほどの計算干渉装置ともなるとエリア内の物理属性の法則を一時的に揺るがすことさえでき、1台のほんの10%の演算力を使うだけでも惑星を滅ぼせる。

さらには稚拙とは言えヌースの模倣品でもあるため、負荷によるシステムの崩壊と引き換えにヌースの思考を覗くことすら可能

第2次皇帝戦争においては、脳という有機的な思考器官しか持たない2世の外部脳として活用され、たった一人による機械帝国全土の統制を実現した。

彼が死んでからはカンパニーによって鹵獲され、博識学会に譲り渡されたが、学者達は己の研究のためにセプターを奪い合う学派戦争を引き起こすことになる。最終的にはセプターのコアを掌握したとある学者がシステムを利用してヌースの思考を覗いた結果、負荷により計算回路が焼ききれて全てのユニットが鉄くずと化した。今ではスペースデブリとして放置されるか、観光地化している。

また、セプターを使ってヌースの思考を覗いた学者は、其の思考から必死に知識を拾い集め、後世の天才#83ヘルタがクラブに入るきっかけとなる難題を遺している。

兵器の数々

地表を踏み均す巨大歩行機械や、恒星系全てを消滅されられる皇帝の剣、幾千の世界をエントロピーの中で砕く皇帝の槍など、機械皇帝の頭脳は恐ろしい破壊兵器を次々に考案した。

機械皇帝の血の轍

辺境星系貿易戦争による被害も治らないうちに勃発した2度の皇帝戦争は数え切れない屍を積み上げ、星神たちが繰り広げた宇宙大戦「宇宙の蝗害」に匹敵する被害をもたらした。

また、帝国が滅びた結果として無機生命体は君臨どころかほぼ絶滅に等しい壊滅的な被害を受け、カンパニーが2度の皇帝戦争で味わった無機生命体への恐れも未だ消えておらず、現宇宙では新たな自我機械の誕生を抑制するという対策も普及している。

故にルパートとは真逆の穏健な思想を持つ機械の「天才」、#76スクリューガムは、『反有機方程式』を破却して機械達を解放し、現代までに機械生命体という種族のある程度の信用回復を成し遂げた傑物として謳われている。

彼らを始めたとした「無機生命体」の謎は多く、彼らの起源を解き明かすため模擬宇宙・黄金と機械のテーマになった。

編集者:こし餡過激派
編集内容:ルパート2世を中心に大幅な追記