星神(スターレイル)

あいおーん

崩壊:スターレイルに存在する最上位存在。

概要

『崩壊:スターレイル』に登場する概念。

星の深海を彷徨う神秘的存在であり、人間には見えない運命を歩み、その計り知れない力を行使するもの。（アーカイブ項目より）

思考する天体と称される程の絶対者として宇宙に君臨し、星々の盛衰、誕生と滅亡を決定づける力を有している。

ストーリー内での第三人称は「其」。

概念

※ヴェルトの紹介より

• 作中では、「運命」という、虚数の一部で、形而上学的な精神集合体とされる概念が存在している。「星神」とは、一つの「運命」の概念が内包する虚数エネルギーを、完全に占領した知的生命体のことを指す。
• 運命のエネルギーを自由に使えるため、宇宙においてほぼ無敵の強さを誇っている。しかし、一つの運命を司る星神になった時点で、その運命に縛れられることとなり、その「原動力」の内核に従うことでしか行動できなくなる。

特徴

• 何らかの運命を歩む知的生命体であれば、星神に昇格する可能性を秘めている。
  • 作中では神秘的な生き物だけでなく、人間も、昆虫も、機械生命体も、しまいには生き物かどうか怪しい概念的な存在でさえも、星神になることができる。
• 外見もまた、人型から怪奇的な形をしたものまで多種多様。

一覧

プレイアブルキャラクターの運命を司る星神

運命	壊滅
星神	ナヌーク
性質	衝突、憤怒、破壊
紹介	文明や生命の存在を宇宙にとっての癌と捉えており、崩壊現象=エントロピーの化身として、反物質レギオンに力を与え、幾千もの世界に混乱をもたらしている。
関連派閥	反物質レギオン、アナイアレイトギャング

運命	巡狩
星神	嵐
性質	決断、冷酷、復讐
紹介	生命に不死を齎す薬師を敵視しており、休むことなく世界を巡り続けている。
関連派閥	仙舟同盟、巡海レンジャー

運命	知恵
星神	ヌース
性質	思考、論理、策略
紹介	天体計算機から昇華した星神で、宇宙の答えを探すために、「天才」と呼ばれる人々にメッセージを送るとされている。
関連派閥	天才クラブ、博識学会

運命	豊穣
星神	薬師
性質	無私、利他、治癒
紹介	生命を絶滅させることなく、繁栄させることが目的であり、豊穣の民に不死を与えたが、不死を忌むべきものとする嵐と仙舟同盟に命を狙われている。
関連派閥	豊穣の民、薬乞い

運命	虚無
星神	Ⅸ
性質	怠慢、疲労、無意味な行動
紹介	謎に包まれた存在であり、その姿は幾重もの霧に包まれている。他の星神と一切交流せず、数多の宇宙の本質は虚無であり、存在の意味がないと信じている。
関連派閥	混沌医師、第Ⅸ機関

運命	存護
星神	クリフォト
性質	忍耐、犠牲、守護
紹介	最古参の星神の一角。星神という概念が誕生するより遥か昔の太古の時代に、「古獣」との「黄昏戦争」に参加したことがあり、戦後に星神に昇格したあとも、生ける世界を守るために防壁を築き続けている。「琥珀の王」とも呼ばれる。
関連派閥	建創者、スターピースカンパニー

運命	調和
星神	シペ
性質	理解、支持、協力
紹介	生命が宇宙の法則に立ち向かうためには、個々人の特徴を消し、同じ調和の中に統合する必要があると考えている神。また、「秩序」の星神・エナを吸収している。
関連派閥	ファミリー

その他の現存する星神

運命	愉悦
星神	アッハ
紹介	喜びを知ることは、知的生命体の独占的権利であると信ずる神。「存在の木」を登り、全宇宙を目に収め、赤子の鳴き声に歓笑し、その笑い声は宇宙の静寂を引き裂いたという。
関連派閥	仮面の愚者、弔伶人

運命	記憶
星神	浮黎
紹介	この世には純粋な記憶より包容力のある存在はないと信ずる神。浄土の中央に禅座し、世の万物が疲れることを知らずに同じ轍を踏むことを眺めている。
関連派閥	ガーデンオブリコレクション、焼却人。

運命	貪慾
星神	ウロボロス
紹介	最古参の星神の一角。領域の渇いた飲み手、終わりのない食い手、思考するブラックホール。星神であり、古の獣でもある
関連派閥

運命	神秘
星神	ミュトゥス
紹介	全てを体得して理解する認識は妄言であると信ずる神。思考の霧と感覚の雨を降らせ、色相、連山、謎、幻影を通じて概説不可能な理を世界に示した。
関連派閥	虚構歴史学者、リドラー

運命	均衡
星神	互
紹介	最古参の星神の一角。凡人がよく口にしている因果の連鎖は、事態の背後にある煩雑なトポロジーの大まかな戦略に過ぎないと信ずる神。自身の意志を宇宙移行理論の中に解けこませ、永劫に世の万物の平衡、安定を維持している。
関連派閥	仲裁官

運命	終焉
星神	テルミヌス
紹介	「末王」と呼ばれる存在。時間を逆行する存在であるらしく、宇宙を彷徨い、必ず実現する予言を至る所に残している。
関連派閥	葬儀客、厄災前衛、星核ハンター

死亡扱いの星神

運命	不朽
星神	龍
紹介	最古参の星神の一角。物語開始以前に死亡したとされているが、詳細は不明。持明族を含めた数多の「龍の血族」を残している。また、「繁殖」は「不朽」から誕生した運命であるとされている。
関連派閥	龍の血族

運命	純美
星神	イドリラ
紹介	奇妙に移り変わる宇宙の姿に、世界が存在する究極の意味、すなわち「美」と称するものを垣間見た神。ある日、忽然と消えた。
関連派閥	ミラーホルダー、純美の騎士団

運命	秩序
星神	エナ
紹介	最古参の星神の一角。宇宙の秩序を司る星神。秩序を守るために対「繁殖」の戦争に加わったが、その過程で類似した運命を司る「調和」の星神・シペに吸収された。
関連派閥	天外聖歌隊

運命	繁殖
星神	タイズルス
紹介	「蟲の王」とも呼ばれ、世界に大規模な蝗害をもたらしていたが、最後は複数の星神によって討伐された。
関連派閥	スウォーム

運命	開拓
星神	アキヴィリ
紹介	人間と交流することが好きな星神だったとされ、自らに追従するナナシビトと共に、星穹列車に乗り、未知の世界を開拓し続けた。「存在の木」の源を探す途中で消えたとされるが、詳細不明。
関連派閥	ナナシビト、星穹列車

星神の歴史

暦

暦	一年の区切り	使われている地域	備考
琥珀紀	クリフォトが槌を一回振るう	スターピースカンパニー、宇宙ステーション「ヘルタ」	クリフォトの推定生誕時を紀元とする紀年法。1琥珀紀の長さは一定でなく開拓歴で換算すると76~240年。
星歴	約12標準月が経過	仙舟同盟	9つの仙舟が出航した日を始まりとする紀年法。博識学会が使用している暦の12標準月が星暦の約1年。
開拓歴	12の歳月が経過	星穹列車	宇宙で最も広く使われている暦の一つ。かつてアキヴィリによって開拓された世界の多くが使用している。
建創紀		ヤリーロⅥ・ベロブルグ	開拓暦700年前にベロブルグが建創されて以降、開拓暦に代わって新たに作られたヤリーロⅥ特有の紀年法。

星神誕生前

古獣時代	星神が誕生する前の太古の時代。「古獣」（黄昏古獣）と呼ばれる存在が宇宙を闊歩し、支配していた。
黄昏戦争	詳細は不明。まだ星神ではなかった頃のクリフォトが参戦し、古獣と戦う。 スターピースカンパニーの記録によれば、ウロボロスを除いた古獣は黄昏戦争後に消えたとされている。（但し、実際は少数の古獣が生き残っている模様）

星神時代

琥珀紀	星暦	出来事
元年		最古参の星神が誕生 クリフォトが「存護」の星神となる。 ウロボロスが「貪慾」の星神となる。 龍が「不朽」の星神となる。 エナが「秩序」の星神となる。 互が「均衡」の星神となる。
		異なる「運命」を歩む知的生命体が相次いで星神となる。
????		「存在の樹」を求める途中で、「不朽」の星神・龍が消失。（死亡扱い） 宇宙の各地で「不朽」の啓示を受けた「龍の血族」が誕生する。
1168		「開拓」の星神・アキヴィリが星と星を繋ぐ航路を切り開く。 これにより、宇宙は「第一次繁栄」を迎える。
1357		「壁」に守られて超新星爆発の災害から生き残れた文明が、クリフォトの「壁」を作り続ける行為に感化され、やがてその追随者となる。 初めて自ら進んで築城材料をクリフォトに献上する「後方支援隊」が成立（後のスターピースカンパニーの前身）
1383前後?		タイズルスが「繁殖」の星神となる。 「宇宙の蝗害」が始まる。 「宇宙の蝗害」の経緯 「繁殖」の星神・タイズルスと「貪慾」の星神・ウロボロスが衝突。 全宇宙の3分の2が二つの星神の戦いに巻き込まれ、数十億もの星系が無数の虫と共にウロボロスの腹の餌食となる。 他の星神の参戦 「繁殖」と「貪慾」の戦争を食い止めるために、「秩序」の星神・エナが「存護」の星神・クリフォトに助けを求める。 これに興味を示した「愉悦」の星神・アッハの計らいによって「開拓」の星神・アキヴィリと「調和」の星神・シペも参戦。 傾いた宇宙のバランスを正すために、「均衡」の星神・互もこれに干渉する。 最終的に、「宇宙の蝗害」は「繁殖」「貪慾」「秩序」「存護」「愉悦」「開拓」「調和」「均衡」の８つの星神、８つの運命を巻き込んだ宇宙大戦となる。
1388		スターピースカンパニー成立。（「宇宙の蝗害」の末期）
		「宇宙の蝗害」の結果 「秩序」の星神・エナが「調和」の星神・シペに同化されて消える。 「貪慾」の星神・ウロボロスが消える（食欲が一時的に満たされた？） ５つの琥珀紀に及ぶ戦いの結果、クリフォトの神槌に打ち砕かれる形で、「繁殖」の星神・タイズルスが死亡。
????		「宇宙の蝗害」末期、あるいは終戦後に誕生した星神 浮黎が「記憶」の星神となる。 「記憶」の星神・浮黎の中から「神秘」の星神ミュトゥスが誕生する。 薬師が「豊穣」の星神となる。
	元年	九つの仙舟が不老不死を求め、薬師を探す旅に出る。
1465前後?		スターピースカンパニーの「政治宣伝部」「荷役部」「技術部」の内部競争が原因で「辺境星系貿易戦争」が勃発。 数琥珀紀に渡る辺境星系貿易戦争はやがて機械生物の世界にも災いをもたらし、後の「第一次皇帝戦争」のトリガーとなる。
1470前後?		「天才クラブ」会員番号27の「皇帝」ルパートによって引き起こされた「第一次皇帝戦争」が全宇宙を巻き込む大災害となる。
	1400	「皇帝戦争」の影響で、仙舟で「金人」の反乱が勃発。
		「皇帝戦争」の影響で、アドリヴン星が荒廃する。
1490前後?		ルパートが会員番号4のポルカ・カカムによって殺される。 「第一次皇帝戦争」が終了。 宇宙は「第二次繁栄」を迎える（血錦時代）
2000前後?		星間エネルギー戦争が勃発。 約500紀続いた宇宙の「第二次繁栄」（血錦時代）が終わる。 戦争の影響で「知恵」のヌースが宇宙の秘奥に対する演算を中断する。
	3287	ルパートの後継者を名乗る「ルパート二世」によって引き起こされた「第二次皇帝戦争」が勃発。
	~4000	仙舟「三劫時代」の一つ「火劫」の大戦中、嵐が「巡狩」の星神となる。
????		「繁殖」のタイズルスの子孫がアドリヴン星を侵略。 「壊滅」の運命を切り開いたナヌークが「壊滅」の星神となる。そして、自分の故郷・アドリヴン星を燃やし、壊滅させる。
????		「第二次皇帝戦争」が終わる。 スクリューガムがヌースに選ばれ、第76番の「天才クラブ」会員となる。 この事件を切っ掛けに、有機生命体と機械生命体が平和関係を回復する。
2147		「万界の癌：星核」と呼ばれる謎の現象が発生する。宇宙を汚染するようになる。 アキヴィリが開拓した文明を繋ぐ道は星核の影響で塞がれてしまい、宇宙各文明世界が分断されてしまう。
2157		「星核ハンター」がスクリューガム星に侵入し、星の主であるスクリューガムと交戦し、撃退される。 姫子が星穹列車を見つける。星穹列車が再発。 「反物質レギオン」の「使令」である絶滅大君・風焔がティアヌア星系に現れ、ティアヌア星系は壊滅されてしまう。
2158	8100	「天才クラブ」会員番号83のヘルタと、スターピースカンパニーが長期的な提携契約を結ぶ。 メインストーリー開始

余談

名称について

「星神」は「せいしん」や「ほしがみ」ではなく「アイオーン」と読み、これはグノーシス主義の「真の神＝アイオーン」の概念が元ネタとなっている名前である。

グノーシス主義が唱える神話、もとい反宇宙的二元論では、

• 偽の、または悪の宇宙があり、これを統治する低次の存在、それが即ち「偽の神＝アルコーン」である。
• 真の、または善の宇宙があり、これを統治する高次の存在、それが即ち「真の神＝アイオーン」である。

とされている。

本作では「アイオーン」を上位的な存在（星神）の名称として使用しているが、「真の神」としての元ネタとも相まって、何らかの伏線になっているのか、何かを暗示しているのかは現状不明。

なお、同社のもう一つの作品に、これと逆の概念である「偽の神」を意味する「アルコーン」が登場している。

原神の魔神任務(メインストーリー)カリベルトにおいてエデが洞窟で出会った罪人と称す謎の声に対し「まごう事なき偉大な神。七神なんかとはまるで格が違う！」と評しているがこれが星神なのではないかという考察もあった。現在はこれが間違いであると判明している。

星神の一瞥

「星神」は一つの運命の全宇宙の虚数エネルギーを全て掌握する存在である。言い換えれば、全宇宙の運命を手にかけるような存在の注目を一瞬でも引けるだけでも、塵のような人間にとってはとんでもない偉業を成し遂げたと言える。

故に、並の人間は、ただ星神に「一瞥」されただけで、その眼差しの先に留まった瞬間にその運命の強大な虚数エネルギーを得ることができる。

また、このほかに、ただの瞬きの注目を得るに止まらず、星神から直接力を分け与えられた「使令」という、星神直轄の配下と言うべき者たちが存在している。

逆に言えば、「一瞥」もされないほぼ大多数の生命には極めて冷酷・無関心なのが彼らである為、一向に報われない現状に愛想を尽かして改宗したり、信仰する故郷にまで牙をむくようになった人間も歴史には多い。

「開拓」だけは完全な例外とされ、同じ運命を歩む生者たちの隣に立ち、仲間・個人として行動してたという。

最古の星神

クリフォトが「黄昏戦争」の後に生まれた最初の星神であるというのは、あくまでもクリフォトを信仰するスターピースカンパニーの関連資料でしか確認できないため、定説ではない。

ピノコニー篇では、かつて「調和のシペ」に同化された星神である「秩序のエナ」も「最古参」の星神であるとのテキストが確認できる。

また、持明族の龍師濤然が語る「不朽の龍」の紹介においても、龍祖は歴史が生まれる前から始まりの混沌を遊弋していたと紹介されている。ここでいう「歴史」が「琥珀紀」のことを指すのであれば、「不朽」の龍は「存護」のクリフォトよりも古い星神ということになる。

なお、模擬宇宙図鑑の「均衡」の開発日誌では、「均衡」「貪慾」「不朽」「秩序」を最古の星神として挙げており、「存護」は含まれていない。