浮黎
ふり
崩壊:スターレイルに登場する全宇宙の最上位存在である星神の一柱。「記憶」の運命を司る。
万物を俯瞰し、記憶し続ける星神。己が創り出した記憶のアーカイブ世界「浄土」に座して、世の万物が疲れる事を知らず同じ轍を踏む様子をただを眺めている。
頭に垂珠があしらわれた冠冕を被った水晶の像の姿をしており、句読点を挟まず、脈絡もなしにぶつ切りの言葉を捲し立てる喋り方をする。
数ある星神の中でも特に謎が多いミステリアスな存在で、いつ、どこで誕生したかもわかっておらず、司る「記憶」の運命と共にひっそりと宇宙に現れた。
宇宙に姿を見せることは滅多に無いが、宇宙の蝗害など宇宙の歴史において忘れがたい歴史的大事件が起こる前兆に、その瞬間を宇宙の記憶に刻むためにどこからともなく現れるとされている。そうして、災厄により消失した星系の記憶を保存するなど歴史的に重要な役割を果たしている。
記憶とは、不朽の情報である。
無限に輪廻する宇宙から見れば、星の崩壊もブラックホールの蒸発でさえも一呼吸の間の出来事でしかない。滅びる運命にある物質世界の万物の存在を証明し続ける事の出来るものは記憶のみなのである。
其が観測者に徹しているのは、世界の姿が時の流れに押し流されて忘れ去られないようにするためだという。
またメモキーパーの間に伝わる伝説では、いつか宇宙が滅亡した時、浮黎は浄土にある記憶をテンプレートにしてかつての姿通りに宇宙を再構築するとされている。
- 誕生
模擬宇宙DLC「宇宙の蝗害」でシミュレートされた宇宙において、其の誕生の瞬間が補足された。
宇宙の蝗害の中期、「繁殖」のタイズルスと「貪慾」のウロボロスの「両害」が全世界を巻き込んで争った。
数えきれない星系が痕跡も残さずウロボロスの腹へと呑み込まれ、無数の命が無為に消えていく凄惨な戦いの途中で、星々と名も残らない人々の慟哭を記憶してその存在を証明するために「記憶」の運命は拓かれ、浮黎は誕生した。
浮黎が人前に現れたことは極めて少なく、その出現を示す確実な証拠の内の一つはスターピースカンパニーが映像記録として所有しており、出現から消失までを鮮明に記録している。
映像はカンパニーの創始者兼終身名誉会長であるルイス・フレミングが完全に隠居することを宣言した際のもので、会見中に唐突に浮黎が降臨した。
映像上ではルイス・フレミングとただしばらく見つめ合っただけだが、この際に浮黎は「反有機戦争」に関する「知恵」のヌースの演算結果、「終焉」のテルミヌスの予言、「神秘」のミュトゥスの痕跡に関する記憶を3つの啓示という形でカンパニーに残している。
- 「神秘」との関わり
模擬宇宙DLC「黄金と機械」におけるシミュレーションの結果、ミュトゥスは浮黎の中から誕生したという仮説が浮上した。
これが「記憶」の運命を分割して「神秘」が現れたことを意味するのか、それとも単純にミュトゥスの誕生が浮黎まで遡れることを意味するのかは不明。
焼却人
根底の理念はガーデンに近いものの、こちらは記憶に対する敬意を失い、欲望に負け、堕落したメモキーパーとなった。彼らは星神の記憶をふるいにかける役目を自負しており、好き勝手に記憶を歪曲している。