「花は咲き乱れ避けられない衰退へ向かう。鳥は翼を広げてさえずり、避けられない墜落に向かって飛ぶ。川は音を立てながら、逃れられない乾きに向かって流れる――なぜすべては滅ぶ?『短命』の治療薬が宇宙にはあるはずだ」
————作者不詳 『短しこの人生』
概要
崩壊:スターレイルに登場する全宇宙の最上位存在である星神の一柱。「豊穣」の運命を司る。
すべての生物の育成者であり、生命を絶滅させることなく繁栄させることを目的とした楽土の神。
「豊穣の民」、「薬乞い」から信奉されている。
出会うことさえできれば望みは拒まず加護を与え、命を奪うようなことは決してしない。しかし、模擬宇宙の星神図鑑によれば仙舟同盟の事例に限らず「ほとんどの場合、薬師と接触した生命は死よりも残酷な苦境に陥る」と記されており、薬師が善神か悪神かは博識学会でも長らく意見が割れている。また、薬師自身が己の加護がもたらす悲惨な結果に自覚的かは不明で、こちらもよく議論されているらしい。
ゆえに敵対する仙舟同盟からは「寿瘟禍祖」、信奉している薬王秘伝からは「薬王(慈悲薬王)」と呼ばれている。
また狐族の古い伝説によると、杖を振るう描写がある。
星神の軌跡
「宇宙の蝗害」の末期、あるいは戦後に誕生した星神であり、「繁殖」の運命から分裂して新たに生まれた可能性が示唆されているが、詳細は不明。
祈りを拒まず望まれたものを与える神とされ、かつて「不老長寿」を求めた仙舟人の先祖たちに建木を与えて長命種とした。しかし、同時に仙舟人は一定の年齢に達すると狂暴化したり人の形や理性を保てなくなる「魔陰の身」という症状を発症するようになってしまった。
能力
不老不死
「薬師」は生命体に長寿を与える力を持つ。
まず其は仙舟「羅浮」に「建木」を授け、原住民を「不死」に変えた。
不死の度合いは種族や個人によって異なる。狐族の寿命は250~450年で、平均寿命は307歳。天人(仙舟原住民)は魔陰に堕ちるまでの平均寿命が800歳とされている。狐族、天人、歩離人はいずれも再生治癒能力が強化されており、歩離人が最も優れている。
メインストーリーでは羅刹が「豊穣」の力によって、機械仕掛けの人形である雪衣の身体を癒す能力を見せた。
最初の天人で「薬師」の使令である「倏忽」を殺すことは不可能とされている。「十王司重罪人名簿」によると''それ''はまだ生きており、幽囚獄に「箱」として幽閉されている。同じ罪人である「無生候」も仙舟の民3120人を殺害し、被害者の血液を飲んで長生を手に入れた。
また倏忽の肉は、応星が白珠を復活させるために使われた。このプロセスは失敗し、応星は非常に強い治癒能力を得たため、それ以来何百回も死から蘇っている。
魔陰
薬師から不死を得た長寿種のみ蔓延する疾患。記録によると、薬師と接触した者は即座に魔陰に襲われるという。其の運命を占おうとしても、占い師は魔陰に襲われる。
関連派閥
豊穣の民
「忌み物」としても知られ、「薬師」によって不老不死の祝福を受けた、いくつかの長寿種族からなる主要派閥。歩離人、造翼者、慧駿、蔡陽、視肉といった様々な種族が存在する。彼らは不滅の肉体と魂に動物的な特徴を持ち、基本的に好戦的で略奪を好む傾向が強い。
薬王秘伝
「薬師」を崇拝する地下組織。主に「仙舟同盟」に潜伏し、星神を「慈悲薬王」とも呼んでいる。ゲーム内では主要な敵対派閥である。
薬乞い
薬師と出会って不老不死となることを求めるものたち。
放逐団
豊穣の信奉者であり、薬師に従い生命体を危険な状況から救い出し、野生に放つ活動をしている。他の派閥とは異なり、非好戦的で遵法精神に富んでいるため、仙舟での活動が許されている。しかし豊穣の使命の元に生態系を無視して生物をばらまくため、地衡司にとって頭痛の種である。
余談
他の星神との関係については、「巡狩」の嵐とは完全な敵対関係(というより嵐が一方的に敵視している)にある他、模擬宇宙に登場したレプリカはヘルタの期待通り主人公をアキヴィリと呼び、口づけと共に再会を喜ぶ言葉を投げかけている。