概要
もっとも有力な対戦車車両は、戦車そのものである。
しかし、戦車は高価であるため大量配備は困難であり、より廉価で手軽に調達できる兵器として用いられたのが対戦車自走砲である。
戦車と対戦車自走砲の大きな違いは装甲防御力にある。
戦車は、強固な装甲によって、敵の戦車砲などの攻撃手段に(少なくともある程度までは)対抗できるのに対し、対戦車自走砲の大半は薄い装甲しか持たず、敵戦車の砲撃に耐えるのは困難である。
このため対戦車自走砲は、敵戦車と正面から撃ち合うような戦いは行わず、専ら防衛戦闘や待ち伏せ攻撃に投入された。
現代において、戦車を除く対戦車車両といえば、その大半が対戦車ミサイルを備えるものを指し、対戦車自走砲というカテゴリーは既に過去のものとなっている。
対戦車自走砲と駆逐戦車
広い意味では駆逐戦車も対戦車自走砲の一種と捉えることができるが、駆逐戦車は対戦車自走砲と違い、厚い装甲を備えており、どちらかと言えば「旋回砲塔を持たない戦車」に近い存在である。また、既に独自にカテゴライズされている兵器であるため、駆逐戦車を指して対戦車自走砲と呼ぶことはほとんど稀である。
表記ゆれ
自走対戦車砲