概要
初代・2代目とも日産・シルビアをベースとした2ドアのクラシカルクーペである。アメリカのティファニークラシックがモデル。特徴的なスタイリングであるが、光岡の他車種同様、キャビン部分はシルビアそのものである。フロントバルクヘッドより前部分を延長している。
クラシカルなデザインだが現代車としてふさわしい性能を持ち合わせ、さらにシルビアをベースとしているため、メカニカルメンテナンスが容易という点が最大のポイント。メッキパーツを除いては、部品はかなり流通している。
だが、車体が大型でホイールベースも長いため機動性に欠ける(最小回転半径6.3m)上、ロングノーズのため視界が悪いことから、運転するにはかなりの「慣れ」が必要な車である。
ちなみに、左右についているタイヤカバーと、6本のエキゾーストパイプはどちらもダミーで、中にはバッテリーなどが入っている。また、フロントについている4本のラッパ状のクラクションは本物で、ちゃんと作動する。
歴史
初代
S13型シルビアをベースに、ホイールベースを延長。さらにFRP製の専用ボディを装備した。だが、内装はロゴがあることを除いて、ほとんどシルビアのままである。エンジンはCA18DE型(直列4気筒DOHC)をFRレイアウトで搭載。スペックに変更は無し。トランスミッションは4速AT。
1996年に限定500台で発売したが、発売直後から大きな話題となり、2001年に完売した。
2代目「ニューラセード」
S15型シルビアをベースに開発された。光岡自動車のサイト内などでは、先代と区別するためにしばしば「ニューラセード」とも表現される。デザインは初代の意匠を受け継いでいる。初代同様、内装はほとんどシルビアのまま。エンジンはSR20DE型(直列4気筒DOHC)をFRレイアウトで搭載。トランスミッションは4速AT。
2000年に限定100台で発売され、2004年に発売された本革シート特別限定仕様車をもって、ラセードの生産を終了した。
また、第35回東京モーターショーに、ラセードのコンバーチブルモデルが参考出展されたが、結局発売までには至らなかった。
S15シルビアの原型が残っているのは、フロントガラス、ドア、ミラー、サイドガラス、天井の前である。