ポポロクロイス物語とは、田森庸介の漫画。また、それを原作にしたアニメ・ゲーム。
ゲームでは主人公の名前から「ポポロクロイス物語」「ポポローグ」「ポポロクロイス物語II」「ポポロクロイス物語 ピエトロ王子の冒険」をピエトロ世代、
「ポポロクロイス〜はじまりの冒険〜」「ポポロクロイス〜月の掟の冒険〜」はピノン世代と呼ばれる。
ピエトロ世代では、全て2Dで描かれていて、多くのファンから評価を得ている。特に、ポポロクロイス物語Ⅱのラストシーンは有名。
ピノン世代では、ゲームは3Dになり、ロード時間が6~10秒かかるため、前作のファンから「なぜ3Dにした」と批判されることが多い。
逆に、ここからポポロクロイスを知った者も多く、高い評価をつけるファンもいる。
変遷
・1978年 - 雑誌『だっくす』(清彗社、直後に『ぱふ』に改題)にて漫画『ポポロクロイス物語』初公開、翌年にかけて計3話掲載
・1984年10月 - 朝日小学生新聞に漫画『ポポロクロイス物語』連載開始
・1994年 - 劇場用アニメ『ポポロクロイス物語』パイロットフィルム制作
・1996年7月12日 - ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下SCE)よりジーアーティスツとの制作で、プレイステーション用ゲームソフト『ポポロクロイス物語』発売
・1998年10月4日〜1999年3月28日 - テレビ東京でアニメ『ポポロクロイス物語』放送(製作:SPEビジュアルワークス)
・1998年11月26日 - SCEより、プレイステーション用ソフト『ポポローグ』発売
・2000年1月27日 - SCEより、プレイステーション用ソフト『ポポロクロイス物語II』発売
・2002年6月20日 - SCEより、プレイステーション2用ソフト『ポポロクロイス〜はじまりの冒険〜』発売
・2003年4月 - 雑誌『りぼんオリジナル』(集英社)にて井上多美子作『ポポロクロイス〜ピノンの大冒険〜』連載
・2003年10月5日〜2004年3月28日 - テレビ東京でアニメ『ポポロクロイス』放送
・2004年3月18日 - SCEより、プレイステーション2用ソフト『ポポロクロイス〜月の掟の冒険〜』発売
・2005年2月10日 - SCEより、プレイステーション・ポータブル用ソフトとして『ポポロクロイス物語〜ピエトロ王子の冒険〜』発売
・2005年5月19日 - SCE(台湾の現地法人)より、『ピエトロ王子の冒険』の台湾向け及び香港向けバージョン発売
・2005年12月6日 - 米国Agetec社より、『ピエトロ王子の冒険』のアメリカ合衆国向けバージョン発売
・2006年6月16日 - 英国Ignition Entertainment社より、『ピエトロ王子の冒険』のヨーロッパ向けバージョン発売
・2006年6月30日 - 米国Agetec社より、『ピエトロ王子の冒険』のオーストラリア向けバージョン発売
・2009年1月15日 - SCEより、RPG風カードゲームのiモード用ゲームアプリ『ポポロクロイス物語 カードクエスト』配信
ポポロクロイス物語(原作漫画)
作者は田森庸介。以降、これを原作とするアニメやゲームが製作された。タイトルはイタリア語の「ポポロ(人々)」、フランス語の「クロイス(交差)」から創られた造語で、「様々な人々や種族が交差する」という意味である。姿かたちや種族を越えた思いやり・愛情、仲間の大切さなどがシリーズを通じて根底に流れている。1981年に「朝日小学生新聞」に連載開始。1986年に制作がストップし現在でも再開されていない。緻密なトーンワークと生きているような動きのアクション、壮大なファンタジー要素を取り入れた世界を描いている。ピエトロ王子やナルシアなど一部のキャラクターのデザインが後に製作されたゲームと異なり、またピエトロ王子が竜の力を持たないなど設定面での違いも見られる。
ポポロクロイス物語(ゲーム)
1996年7月12日にソニー・コンピュータエンタテイメントから発売されたプレイステーション用のRPG。ポポロクロイス物語シリーズの一作目でもある。
童話のような雰囲気とは裏腹にゲームの難易度は高めである。しかし、グラフィック、音楽、ストーリー、キャラクター軒並みに評価は高く、PS時代の名作との呼び声も多い。
比較的オーソドックスなRPGだが、ワールドマップ・町・ダンジョンが全て同じスケールで描かれることや、フィールドからバトルの移行がシームレスに展開することが特徴的。隠し部屋やサブイベントなどの隠し要素が豊富に用意されている。
グラフィックは全て2Dのドット絵で描かれている。また、一部のイベントシーンはアニメーションムービーで表現されており、うつのみや理、磯光雄、宮沢康紀など知っている人は知っている大御所アニメーターが参加している。
ドット絵のスタイルは続編である『ポポローグ』、『ポポロクロイス物語II』にも受け継がれている。
2007年9月27日より、プレイステーション3・PSP向けゲームアーカイブスで配信が開始された。
ポポロクロイス物語(アニメ)
ゲーム『ポポロクロイス物語』のアニメ第1作で1998年10月4日から1999年3月28日までテレビ東京系列で放送された。放送時間は日曜7:30~8:00。
この作品は当時発売のポポローグとのタイアップで企画がスタート。ポポローグは物語をあまり意識せずゲーム性を重視していたため、この作品は逆に人間ドラマを中心に描く非戦闘的な話作りとなった。
また、ゲーム「ポポロクロイス物語」との関連性がしばしば議論にあがるが、設定ではポポロクロイス物語の続きであるとされている。
物語は、明るくかわいらしいデザインタッチとは裏腹に、ポポロクロイス王国が乗っ取られて王家が没落貴族になる他、主人公が自殺未遂をしたり、ホラー的な小心理劇が描かれたりするなど、子供向けアニメとしてはショッキングな展開も多い。
しかし、それ故にメッセージ性の高いエピソードとなり、ヒュウという少女を中心とした主人公ピエトロの成長物語として一定の評価がなされている。
ちなみに全編通して作画のクオリティが高い「作画アニメ」としても知られている。
ヒュウという時代を先取りしすぎたようなツンデレ少女がでてくる。
ポポローグ
1998年11月26日にソニー・コンピュータエンタテイメントから発売されたプレイステーション用のRPG。ポポロクロイス物語シリーズの二作目でもある。
前作『ポポロクロイス物語』の2年後という設定で、シリーズでは番外編的な作品。ストーリーとは直接関係のないキャラクターを雇ってパーティーを組む傭兵システムと、ローグライクゲームの特徴を持った自動生成ダンジョンを採用。(ポポローグのネーミングの由来はローグライクから来ている)
長大なダンジョンの攻略に重点が置かれるなど、物語よりゲーム性を重視した作品となっている。
また、前作で一緒に冒険した「ナルシア」や「白騎士」「ガミガミ魔王」は仲間にならない。
それ故にユーザーからの評価は分かれているが、夢の中という独特の世界観やシュールレアリズム的な雰囲気、やり込みの多さからシリーズ1の評価をつけるファンもいる。
キャッチコピーは「『お母さんを返せ!』の次は『お父さんのバカ!』だ」。
2007年10月10日より、プレイステーション3・PSP向けゲームアーカイブスで配信が開始された。
ポポロクロイス物語Ⅱ
前作『ポポローグ』と同じく、『ポポロクロイス物語』の2年後からストーリーが始まる。
『ポポロクロイス物語』で一緒に冒険をした仲間に新たなキャラクターが加わり、主要なイベントがフルボイス化された。他の特徴として、冒険する世界が広くなったことやバトルのエフェクトが派手になったこと等が挙げられるが、基本的なシステムは第1作を継承している。
また、「愛」や「仲間」といったシリーズ共通のキーワードがキャラクターのセリフなどで具体的に繰り返し語られるなど、メッセージ性がより強調された作品となっている。キャッチコピーは「2人の恋に、涙がポポロ」。
戦闘の難易度が大幅に低くなり、本筋のストーリーはライトユーザーでもクリアできる仕様となっているが、ストーリーの評価は高い。
第1作目と同じく、一部のイベントシーンはアニメーションムービーで表現されており、こちらも知っている人は知っている豪華な制作陣によって作られている。(攻殻機動隊S.A.C. 2nd GIGの制作陣とほぼ被ってる)
2007年12月26日より、プレイステーション3・PSP向けゲームアーカイブスで配信が開始された。