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幸福な王子の編集履歴

2013-03-02 07:37:47 バージョン

幸福な王子

こうふくなおうじ

幸福な王子とは、オスカー・ワイルド著の童話である。

作品解説

昔、ある町に、身体は金箔、両目の瞳はサファイヤ、服の飾りはルビー、心臓は鉛と、豪奢の限りを尽くした王子の像が立っていました。

そこへエジプトへ渡っている最中の一羽のツバメが、寝床を探して像のところまでやってきました。

すると、頭上から涙が降って来ました。見ると金箔の王子の像が泣いていました。

王子の像は、その視界に入ってくる貧しい人達の生活ぶりを見て、悲しんでいたのでした。

そして王子の像はツバメに「貧しい人達に自分の身体に付いている宝石を分け与えてくれ」と頼みます。

ツバメは願いを聞き入れ、まずは病気に苦しむ子供のいる家族にルビーを配ります。


願いを聞き遂げ、出発しようとしていたツバメでしたが、その翌日、王子の像は「まだ飢えに苦しんでいる人達がいる、もう一日だけ待っておくれ」願います。

早く出立したかったツバメですが、王子の切なる願いを聞き入れ、目のサファイアを貧しい劇作家に配ります。


いよいよ出立しないと間に合わなくなったツバメは、ついに王子の像に別れを告げようとします。

しかし王子の像の嘆きは収まりません。王子の像はまた「あと一日待っておくれ」と願い、もう一つの瞳のサファイアをマッチ売りの少女に渡してくれるよう頼むのでした。

ツバメは「そんなことをしたら目が見えなくなる」と心配しましたが、「貧しい人が救われるなら」と王子の像は考えを変えません。


その優しい心に触れたツバメは、エジプトへ渡ることを諦め、最後まで王子の像の願いを聞き遂げる決意をしました。ツバメは視力を失った王子の像のため、町の要素を彼に伝えるようになりました。


王子の像は自分の身体の金箔を配るよう願いましたが、配れば配るほど王子の像はどんどん見すぼらしい姿に変わり果てて行きました。

そして王子の像からかつての綺羅びやかな様子が消えた頃、町は冬を迎えます。


寒さに耐えられないツバメは身体がすっかり弱ってしまっていました。

死期を悟ったツバメは、最期に王子の願いが聞けて幸せだったことを告げ、最後の力で飛び上がり王子の像にキスをすると、ついに力尽きてしまいました。

それを聞いた王子の像は、ツバメが死んでしまったことに大きなショックを受け、ついに鉛の心臓が割れてしまいました。


二人が動かなくなった翌朝、町の人々は「いつの間にか美しく亡くなってしまった。溶かしてしまう」と、王子の像を溶鉱炉にかけてしまいました。

しかし鉛の心臓だけは溶けなかったので、ツバメの死体と一緒にゴミ置き場に捨てられてしまいました。


その頃、神様が天使と一緒にこの町へやってきました。神様が天使に「この町で一番美しいものを持って来なさい」と命じました。

天使は、割れた鉛の心臓と、ツバメの屍を持って来ました。神様は「確かに、これぞこの町で一番美しいものだ。二人は天国に連れて行ってやろう」


こうして王子の像とツバメは、天国で幸せに暮すのでした。


曖昧さ回避

幸福の王子、幸せな王子、幸せの王子など、表記ゆれが多く存在する。一応この記事名が一番普及しているようである。


残酷な童話の代表作

せっかく自分の身を犠牲にしたのにも関わらず、心ない町民によって恩を仇で返されるという悲劇性が、本作でもっとも語られる部分である。

一応物語上ではある程度救いのある終わり方こそしているものの、大筋を見ればこの作品の結末はハッピーエンドとは言い難い、どこか釈然としないものが残る。

昔の童話の残酷性が際立つ作品であり、後の改変によってもこの報われない結末は変わらないことが多いようだ。


王子の像について

王子の像の出自もまた不幸で、その国の王子が若くして急逝したため、それを悲しんで立てられたという背景がある。

よってその自我は死んだ王子の生き写しであると伝えられるものもあるが、本作のあらましを解説するうえで上記の経緯は省かれやすいので、単に自我を持った王子の像というファンタジー性が強調されやすい。


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童話 ドキドキ!プリキュア

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