番傘とは
和傘(唐傘)の一種。なのだが、おおよそ和傘全般の意味として誤用されることが多い。
番傘とは「番号を書いた傘」のことで、当時としては安価で頑丈な傘、粗末な傘であった。しかし洋傘が普及した現代においてはビニール傘が100円に対して、和傘が30000円前後と、非常に高価なものとなっている。
柄が太く一人用の物は番傘、広げた時に蛇の目紋に見える模様を描いたものは蛇の目傘、華やかで大ぶりなものは端折傘(つまおりがさ)、という具合に大まかな見分けがつく。
イラストにおいて主な色は紅、朱色のような色のものが多いが、紫や桃色に花を散りばめたものもある。和風な絵を演出するには欠かせない小物。こういったイラストには大抵が端折傘が描かれている事が多い。
構造
構造としては少ない骨で布を広げ、張力で形を保つ洋傘と異なり、30本程度の竹の骨で折り目をつけた油紙を支える形になっている。
閉じた時に濡れた面が外に出る洋傘に対して、濡れた面が折り目の内側に入ることで周囲に雫をまき散らさない利点がある。しかし、構造上使用後に頂部を下にしておくとそこに水が溜まり、浸水して破損の原因となるため、頂部を上にして吊るして保管するといった工夫が必要になる。
主な素材は竹と油紙。防水性に優れるが耐久性には劣り、重い。
端折傘
時代劇などで高貴な身分の人に後ろから差しているものが端折傘。
あまり注目されないが、端折傘はその名の通り、柄の端が折れ曲がっている。
野点などの場で固定して使われている傘もこれである。というか安価な洋傘全盛の現代ではそのくらいしか使い道がない。