「久しぶりだな、天津飯… それから孫悟空…だったか?」
概要
世界一の殺し屋・桃白白がサイボーグ化し、パワーアップを遂げた姿。マジュニア編の天下一武道会に登場。
桃白白は6年前のカリン塔での戦いの時に騙し討ちで投げつけた手榴弾を悟空に蹴り返され、あえなく爆死したと思われたが密かに生き延びており、それまで稼いだ莫大な私財を全て費やして改造手術を受け、サイボーグとして完全復活を果たした。彼に改造手術を施した人物については、一部のファンからは人造人間のテクノロジーに造詣が深いドクター・ゲロが関与しているのではと推察された事もあったが、原作での言及が全くなく、未だ詳細は明らかになっていない(もし当たっていた場合は、彼も人造人間17号、18号、20号同様の、人間をベースにした人造人間ということになる)。
搭載されたシステムや武器について
頭部のほとんどと両腕が機械化されており、戦闘力は以前よりも向上している。
戦闘力は210で、ピッコロ大魔王にはさすがに遠く及ばないながら、地球人の常識的レベルは遥かに超えた強さを身に付けている(一流格闘家のミスター・サタンでも18、ライフル銃を装備した一般人が5なので、普通の地球人は精々5以下と思われる)。
コンピューターを内蔵している様子で、スコープ化した両眼は捉えた視覚映像の拡大/縮小が可能で、対象をロックオンするシステムを搭載。
他にはスカウターの如く何らかのデータを分析している描写がある。
両腕にはそれぞれ武器を内蔵しており、左腕に仕込み刀、右腕には「どどん波」の強化版である「スーパーどどん波」を撃つための発射口が組み込まれている。
手首部分から両手を着脱するギミックが施されており、前者の武器使用時にはこれらを外す。
ちなみに原作のスーパーどどん波を撃つシーン、鳥山明氏の流れるような抜群の作画力で気付かない事が多いが、右腕から発射したはずが途中で左右が入れ替わってしまっているという作画ミスがある(其之百七十話「殺し屋桃白白のあがき」8ページ1コマ目を参照)。
活躍
第23回天下一武道会においてはこの姿で鶴仙人と共に再登場を果たした。
鶴仙流を離反した天津飯とチャオズへの制裁、孫悟空への復讐のために武道会に参加。
この時は一人称が「オレ」「オレ様」に変わっているが、一度だけ以前のように「私」も使っていた。
予選では正体に気づき動揺したチャオズを半殺しに追い込み、本選においては天津飯と対戦。
彼の手の内を熟知している桃白白であったが、天津飯は修行によって当時よりも遥かに成長しており、パワーアップを果たした自身の力を以ってしても全く歯が立たなかった。
予想外の展開に逆上し、左腕の仕込み刀で攻撃を始めた。
天下一武道会では武器の使用は反則なので、審判に反則負けを言い渡されるも構わず天津飯に攻撃を続ける。だが最初に不意をついた一撃以外はあっさりとかわされ、切り札である「スーパーどどん波」すら通用しなかった。
これらの見苦しい行為により、天津飯からは「武道家としての誇りさえも失ってしまったのですか」と失望と怒りを持たれてしまう。切り札も通用せず、手詰まりとなったところを背後からの強烈な一撃により気絶、戦闘不能となった(これにより、仮に反則負けにならなかったとしても、普通に天津飯に敗北していたことが証明されてしまった)。
鶴仙人に担がれて退場する際は、天津飯から「二度とわれわれの前に姿をあらわさないでください」と告げられ、その言葉の通り、原作において、以降は登場しなくなった。
…かに思われたが、アニメ版では『ドラゴンボールZ』のセル編において二回も(第170・174話)再登場した。
この時は用心棒として活動(殺しの依頼も全盛期の半額で引き受けている)しており、セルゲーム開始までの騒動のどさくさに紛れて一儲けをしようと企んでいたが、悟空と悟飯の活躍によって目論みは悉く潰される事となった。
悟空と遭遇した時は知恵の輪を解かせている間に逃げるという手段に出たが、瞬間移動であっさりと追いつかれて降参した。
悟飯が悟空の息子であると知った際には、過去のカリン塔での出来事を思い出して尋常ではない狼狽を見せて逃走した事から、相当なトラウマを抱えてしまっているようである。
アニメ版でもこれを最後に以降は登場しなくなった。
鳥山氏の発言によると、何らかの巻き添えで死亡しているが悪人なので生き返っていないかもしれないとのことである(ファンの間では魔人ブウ(悪)のアサルトレインorその後の地球爆発で死亡したと噂されているが、あくまで噂なので本当のところは不明)。
ゲーム作品
ゲーム作品の『Sparking! NEO(※Wii版のみ)』と『Sparking! METEOR』では通常の桃白白とは別枠で登場している。
当て身等で消費する気力量が多いなどの欠点を持つが、気力ゲージの初期値や体力の最大値などを始めとした基本ステータスが上昇、更に『METEOR』ではデフォルトで舞空術が使用可能と全体的に強化されている。
また、『METEOR』においては試合前にいくつか専用の掛け合いがあり、天津飯とチャオズには天下一武道会での台詞を口にする他に、悟空と悟飯(少年期)に関してはアニメ版の『Z』で対峙した時のようなやり取りなど、原作とアニメ版を知っているファンならニヤリとする演出が組み込まれている。
……この時の悟空から「タオペーペー」と訛って呼ばれており、別の意味でニヤリとしてしまいそうだが。
また、則巻アラレとも掛け合いがあり、その際の桃白白は「このガキ! あの時はよくもやってくれたな!!」とアラレに対して怒りを露にしている。
『ワールドミッション』では時の裂け目に現れた存在として登場。シーラスが起こした異変のどさくさに紛れ暗殺稼業に手を付けていたが、主人公が異変を解決しようとしていたため妨害に現れる。
基本的に主人公は相手が誰であっても敬語で応じるのだが、彼に対しては「小細工ばかりする悪党」として軽蔑されていたため蔑視されていた。説得に応じなかったため戦いとなるが、敗北。降参した振りをして不意打ちするが反撃され、「もう殺しはしない!殺しはやーめた!」と言って泣き叫びながら逃げ出した。
ちなみに主人公にはなぜか孫悟空の姿を重ねている。
上記ゲームでの必殺技
- 仕込み刀
「ふはは、殺してやるぞ!」
左腕の仕込み刀を振りかざしつつ接近、ヒット後に特殊演出に移行する突進攻撃系の技。刀で斬り付けたと同時に刀と打撃を交えた早業で連続攻撃、刀で数回突き刺した後に回し蹴りでフィニッシュする。
最初の斬り付けは原作にて天下一武道会での戦いで天津飯の胸に傷を負わせた攻撃、早業はその前に天津飯に全て紙一重で躱された攻撃(この際は仕込み刀はまだ使用していない)で、フィニッシュの回し蹴りは更にその前に難なく片手で弾かれたものが元ネタと思われる。
アニメ版『Z』では、ラオ・チュウという武術家との戦いでも打撃の折に斬り付け攻撃を使ったが、辛うじてではあるが躱されている。
- どどん波/スーパーどどん波
「とっておきの兵器をお見舞いしてやる!」
鶴仙流の代表的な技で、「スーパーどどん波」はその強化版。原作ではサイボーグ化後は通常の「どどん波」を使っていないが、ゲームでは普通に使用可能。
後者の「スーパーどどん波」は究極技に位置しており、右腕の発射口から「かめはめ波」等と同系統の波動系の気功波を放ち、技発動の前後には右手を着脱する動作が入る。ちなみに、こちらでは後述のように相手を追尾する効果は無い。
原作での「スーパーどどん波」は、前述の仕込み刀を天津飯に折られてしまい、最後の悪あがきとして放ったもの。気の力と機械化によって威力は通常の「どどん波」を遥かに凌ぎ、更にはロックオンした相手を追尾する事も可能になったが、着弾前に天津飯の「気合返し」で掻き消されてしまった。
アニメ版『Z』でも前述のラオ・チュウに止めとして放つが、駆け付けた悟飯に妨害された(当然ながら受けた悟飯は全くの無傷)。
担当声優
大塚周夫:初代担当声優。後述のアニメドラゴンボールZ再登場時を除いた多くの各種メディア作品で同役を長年演じた。
岸野幸正:当初はドラゴンボールZ再登場時及び同話放送前後に発売された各種ゲームでの代役としての登板。大塚氏没後の各種メディア作品では正式な二代目として再登板した。