「愛」は無敵ですもの…
概要
第4部「ダイヤモンドは砕けない」に登場する女子高生。
身長167cm、射手座。ぶどうヶ丘高校の一年生で、虹村億泰と同じクラス。
虹村形兆によって入学前の二月頃にスタンドの矢で射ぬかれ、スタンドに覚醒したスタンド使いである。
1992年にして『普段は温厚だが偏執的な愛で男性を追い詰め、恋の邪魔者は殺害することも厭わない美少女』というヤンデレ女のテンプレ設定を完備した存在であり、おそらくジャンプ史上初、日本の漫画作品でも最初期のヤンデレキャラである。
無論連載当時にヤンデレなどという言葉はなかったため、作中では「プッツン由花子」という表現が使われていた。
人物
ウエーブの長い髪が特徴。例によって固定の色設定はないが、基本的に黒髪(紫がかった黒)であることが多い。改造制服を着たキャラクターが多い劇中においては珍しく、あまり改造されていない半袖のセーラー服を着用している。
豹の様にしなやかな美人で、成績優秀かつ料理や裁縫も上手いハイスペックな美少女。
その一方で非常に思い込みが激しい身勝手な性格の持ち主であり、自分の意に沿わない相手はたとえ誰であろうと平然と危害を加える(TVアニメ版では目の中で黒い炎のようなものが燃えている演出が取られているシーンもある)。興奮すると眼輪筋が痙攣して、暴力的な気分になるらしい。
ちなみに、彼女の性格を形成した過去や経歴は一切語られていない。
元からこういった性格なのか、はたまたヤンデレに至る壮絶な経験があるのか……?
また自分が美人なのもそれなりに自覚して自負しており、特に髪には一際強いこだわりを持っている。自分の美貌に傷を付ける者はたとえ康一でも許さない。
一方、ジョセフ・ジョースターに対して「こんにちはジョースターさん」としっかり挨拶したり、TVアニメ版では杉本鈴美をさん付けで呼んでいたりなど礼儀はわきまえている(しかしアイズオブヘブンでの掛け合いでは康一に会いたいのに目の前ででかくて邪魔という理由だけでジョセフたちにキレだすものもある。また、ジョルノに対しても彼が康一の鞄を盗んだことを滅茶苦茶恨んでいる掛け合いもあった)。
作中での行動
広瀬康一に一方的な好意を抱いており、カフェに呼び出して告白する(TVアニメ版では間田敏和のエピソードで先行登場しており、康一に一目惚れしていた描写が追加されている)。
康一に告白した由花子だが、優柔不断な彼はなかなか返事をしようとしなかった。焦れてキレた由花子はつい怒鳴りつけてしまい、返事が聞ける雰囲気じゃないと思ったのか正気を取り戻すと引き下がる(今更取り繕っても遅く、康一には「ヤバい女」という認識を持たれてしまう)。仗助と共に一部始終見ていた億泰からも「な、なんかよー、膨らんだ風船が萎んじまった気分だなー。羨ましいだとかの気持ちがぶっ飛んだぞ…」とドン引きされていた。
その後、康一から由花子を引き離そうとした仗助たちの策略により「康一はカンニングもするし借りたカネを返さないセコイ男」という偽りの情報を聞かされる。
由花子は気にした様子を見せなかったが、内心では「康一を立派な男に教育する」ため拉致監禁を決意。他人の別荘を勝手に使って康一を閉じ込める。
英語の問題を出しながらも間違えたら消しゴムを食べさせようとしたり、電気椅子を作ったりなど、方向性がどんどん過激なものになって行った(後者に関しては、康一が由花子の反応を見て3択問題を攻略しようとしたことから「カンニングしているのは本当だった」と思い込んでしまったのも大きい)。
どうあっても自分の愛を受け入れようとしない康一にブチ切れて戦闘に突入するも、最終的には康一の成長したスタンド能力の前に敗北。
さらにその戦闘中に「康一を殺す気でいた自分すら救う事を考えていた」彼の優しさに気付き、心から負けを認める。たとえ康一に相手にされないとしても愛し続ける事を心に誓った。なお、直後に康一を迎えに来た仗助達はボロ負けしたにもかかわらず嬉しそうな顔をしていた由花子にドン引きしていた。
ちなみに拉致監禁中に康一に英語の勉強を強要、やり方こそ過激ではあったものの後日康一は英語のテスト成績が上がっていてかなり複雑な康一であった(もっとも康一のテストの点数が悪かったのは、由花子のことで気を病んでいたため本調子ではなかったからなのだが……)。
原作では仗助・億泰を「不良ども」と軽蔑した感じの呼称で呼んでいたが、TVアニメ版では削除されている(康一を拉致する際の台詞。原作では「不良なんかに康一をバカにされた」ことを口にしている)。
後に矢安宮重清死亡後、スタンド使い達の集会シーンで由花子も顔を見せており、殺人鬼の話を聞いた際「あたしの知らないところでとんでもないことが起こってたのね…」と、さすがの彼女も杜王町に殺人鬼が潜んでいることに恐怖を感じた様子。
直後の「山岸由花子はシンデレラに憧れる」編にて再登場。ジョセフに薦められて(TVアニメ版では康一をストーキングしている際にたまたま通りかかって)、康一の気を惹きたい一心でエステ『シンデレラ』に入り、その際の自らの軽率な行動が原因で危うく自分の「顔」を失いそうになるが「康一が選んだのならどんな運命も受け入れる」と真の愛に目覚め、晴れて両想いとなった。
その後はジャンケン小僧(大柳賢)のエピソードでも登場。康一抜きで仗助&億泰とカフェでお茶を飲むという意外な一面が見られた。康一繋がりで割と仲が良いのだろうか?
TVアニメ版後期のOPのラストシーンは、これまた意外なことに仗助と億泰の間でポーズをとっている。
それ以降は原作だと最終回で杉本鈴美の成仏を見送った以外は目立った登場シーンはないが、TVアニメ版では3クール目のOP「Great Days」の映像でメインキャラと並ぶ扱いをされていたり、鈴美の成仏シーンでは「終わったのね 鈴美さん」という台詞が追加されたりエピローグで康一との交際の様子が描写されたり(この時、康一にお弁当を作ってきてあげたようである)など多少なりとも出番が増えている(また、康一の母と姉にも彼と歩いている所を目撃されていた)。
スピンオフ『岸辺露伴は動かない』にて再登場して以降は胸元に「由」の字のブローチを付けるようになっている。康一からの贈り物だろうか?
実写映画版
メインストーリーにはほとんど関わって来ない立場で登場。
転校生である広瀬康一の世話役をしているのだが、教室の外からじーっと見つめて康一を恐怖させたり、その他当然のように机をくっつけて隣に座ったり、一緒に登下校したりしている。
さらには、明らかに常人が個人で作成できる厚みとクオリティを超えた“康一専用の”英語の問題集を作り、康一君の成績が悪いとあたしの責任になるの。あたしのプライドが許さないというこじつけじみた理由で明日までにやってくるようにと押し付けている。康一は「由花子さんは責任感からやっている」と解釈している。問題集の内容がかなり本格的と言うか高校生がやるには難易度が高く、康一が難色を示した時は笑顔から真顔になって睥睨するという形で怒りを示した。
エンディングでは自転車に乗って通学する康一と擦れ違うが声すらかけられなかった。それでも不快な様子はなく、康一が仗助&億泰と親しげに会話するのを微笑みながら見送っている。
なお、この描写の際に髪の毛がなびく様が描かれている。風で揺れただけか、それとも────。
スタンド『ラブ・デラックス』
髪の毛と一体化しており、触手のように自由に伸ばし動かすことができるスタンド。
詳しくは当該記事を参照。
演者
※ 後にOVA版『岸辺露伴は動かない』のエピソード「ザ・ラン」にて、橋本陽馬の恋人である早村ミカを演じている。
関連イラスト
関連タグ
ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 岸辺露伴は動かない
第1部「ファントムブラッド」のキャラクター。髪の毛を操り戦う。
第3部「スターダストクルセイダース」のキャラクター。ジョジョのヤンデレ(心酔)キャラ繋がり。
第8部「ジョジョリオン」のキャラクター。髪の毛を好きなところに生やすことができるスタンド「ラブラブデラックス」を所有する。