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間黒男

はざまくろお

手塚治虫の漫画作品『ブラック・ジャック』に登場する無免許医ブラック・ジャックの本名。
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「神様とやら! あなたは残酷だぞ!医者は人間の病気を治して命を助ける!その結果世界中に人間がバクハツ的に増え、食糧危機がきて何億人も飢えて死んでいく……そいつがあなたのおぼしめしなら……医者はなんのためにあるんだ!!」


概要

手塚作品ブラック・ジャック』の主人公。無免許医師(いわゆる闇医者)だが、手術の腕は世界一ともいわれる天才外科医、ブラック・ジャック

主人公である医者だが彼自身の手術描写は少なく、ほとんどの回で彼が手術を引き受けるまでの経緯や手術後までを患者かその関係者の目線で描かれる回が多く、ブラックユーモア作品の主人公のように狂言回しに近いポジションである。

作品の性質上、実質的な話の主人公である大半の患者やその関係者は重病以外にも人格や周囲の環境に一癖も二癖もある人物ばかりであり手術以外も様々なトラブルに遭遇する、あるいは現在進行形で巻き込まれていることが多く、手術後結局命を落とす回すら少なくないが同じ黒服の男狂言回しの漫画とは違い大半が極端に自己中心的な願望や自業自得ではない。

年齢は原作漫画の作中でも明確に描かれていないものの、エピソードの時期によりばらつきがあるが、およそ三十歳前後として描写されている。(後述の事故にあった時の年齢が八歳であり、その事故が二十年前や二十五年前と語られているため。)血液型はO型。


来歴

幼少時に不発弾の爆発事故に遭遇して母と死別。父は愛人を作って海外へと逃げた。そのため身寄りのない孤児として育つ。


上述の事故により全身がバラバラになるほどの重傷を負うが、恩師・本間丈太郎の神懸かり的な手術と強引なリハビリで回復。過去を語る事は少ないが、首だけ動けるようになった頃に手にスリッパを履き、這う所から始めると言う壮絶なリハビリを成し遂げ、最後の試練として東京大阪間を徒歩で移動するという地獄のハイキングにより(なお、この修業は本間医師により書籍化された)歩けるようになり、その経験から外科医を目指した。つぎはぎだらけの姿は最初は漫画的ハッタリでしかなかったのだが後付け設定が成された。


事故により学校から離れていた事、母との死別と父の裏切り、退院後も体中に残った多くの傷跡などが災いし、社会に復帰した後も他者から避けられる(時にいじめ迫害にまで発展した)ことが多く、退院後から現在まで基本的にぼっちな人生を歩んでいる。

それでも時には数少ないものの心許せる友人と出会う事もあった。だが、その友人とは様々な理由で離別する運命にもあったりする。

そんな経験ゆえか人間それ自体を忌避するような態度を多く垣間見せている。


本間医師の手術に救われた経験により事故後から本間医師と同じく医者を目指すことを志す一方で、中学・高校時代は母と自分を破滅に追いやった人間たちへの復讐の方にウェイトを占める事が多く、そのために隠し投擲武器としてダーツの腕を磨いた。

だが、それが原因となって唯一、心を許していた友を傷つけ大切なものを奪った挙句に死に追いやるという悲劇を引き起こしてしまい、その一件をきっかけに将来医者を目指すという志をより一層強めることとなった。


大学は地方三流私大(現代的に言えばFラン大)のポン骨大学(『ヤングブラック・ジャック』では「ポン骨」は通称で「本越大学」が本来の名前だとなっている。ちなみに、この大学だが手塚が取材したモデルとなった大学が存在する)の医学部に進学。ここでも、こじらせた「ぽっち体質」は相変わらず。

それでも大学の先輩・同期・後輩には「医者のボンボン」が多く、現在において何名かは自家を継いでおり、それゆえにブラック・ジャックに力を貸す者もいる。

なおインターン時代に遅い初恋を経験しているが、やはり、とある悲劇に見舞われて悲恋に終わっている。


大学卒業と共に医師国家試験に挑むが、様々な理由(後述)から免許を取れずに終わる。


後に免許を取れぬことに開き直り、あの岬の崖の上に自宅を兼ねた診療所を開設する。しかし、その最中、建築を請け負った大工の棟梁が広島原爆に起因する白血病を発症。その治療に挑むも力及ばず苦い敗北を味わう。


以降、試行錯誤を繰り返しながらも学生時代から鳴らした驚異の腕をもって、世界一の技術を持つ無免許医師として現在に至っている。

世界一の腕を持つと自負する一方で、自分に匹敵しうる技術の持ち主がいないことに孤独感を抱いており、自分と互角に渡り合えるほどの手術の腕前を持つ者を探し求めつつ、それが叶わぬと知った時には人知れず孤独をかみしめている。


外見

頭髪の半分が白髪、残りが黒髪という特異な容貌。これは、当初は髪の艶の表現であったが、のちに「爆発事故の恐怖で半分が白髪になった」と設定された。幼少期の手術痕が体中を走っており、顔の皮膚は一部分だけ色素が濃い(原作ではだが、アニメ版など多くの媒体では褐色が多い)。


またブラック・ジャックを紹介されて「自分の傷跡も消せない藪医者など信用できるか」と言う患者も居たりするが、不発弾事件からの治療の際に(母子家庭な上、無愛想で嫌われ者だった)黒男に唯一人だけ移植用の皮膚の提供をしてくれた同級生(混血児だった事もあり虐められる側だったが、誰とでも仲良くしようとする心優しい少年だった)に対する感謝の証として浅黒い皮膚(カラーでは青く塗られる事の方が多いが)をそのまま残しているとされている(これも後付け設定であり、現実には移植された皮膚は新陳代謝で入れ替わるのでこのようなことは起こらない)。


傷跡と顔の色で嫌が応にも目立つため、周囲からは再手術で痕を消すことを薦められているが、恩師と友人への感謝の印として、絶対に治そうとしない。指摘されるのも嫌がる。


傷を除いた「素顔」は一応設定上は美形なようで、患者や女医など、関わった女性から思いを寄せられることも多い。顔のパーツがほぼ一緒なジョナサンを治療して傷跡を全て消した際には「男前になったじゃないか」と皮肉を叩いている。


服装

外気温に関係なく常に黒いロングコート(アニメではマント)やスーツを纏い、その下にはワイシャツに黒いパンツリボンタイ愛用し、そのロングコートの中には手術道具一式を忍ばせ、時には武器としてもつかう(たまに何も入っていないことも割とよくある)。

また黒のベストを着用していることもある。


法外な医療費

「そうですね、ケースにもよるが500万から3000万…」(本人の発言)


患者に法外な報酬を請求することで知られるが、弱者からは最終的に一銭も取らないことが多々ある。ただし初めから請求しないことはまれで、受け取らなかったり後で返したりする場合が多い。

この法外な報酬は、本人曰く「技術に対する正当な対価」であり、患者が法外な請求を払ってでも生きる意欲を見せようとするかどうか、試しているということらしい。

(とある犯罪シンジゲートの調べによればざっと100億ドルは稼いだとかいう噂。

このブラック・ジャックの気分次第でころころ変わる報酬設定はそのまま彼の悪評に繋がっており、真面目な医者からはゴロツキ扱いされることも多々ある)


実際、ブラック・ジャックは生きることを簡単に投げ出そうとする相手や他力本願な考えに対しては理由や過去問わず厳しい態度で臨むことが多く、死ぬと分かっていてヘラヘラとした患者に対し激怒することもあった。一方で、生きることや治療を投げ出さず、自分の力で頑張ろうとする患者に対しては敬意を表し、優しく接する。

前述した態度の患者の中には彼からの説教を受けて更生の一歩を踏み出した者も多く、リハビリをやり遂げた患者達には法外な治療費を受け取った場合でも、最終的には「おつり(上と下)」「受賞の祝い金を送る(おとずれたチャンス)」となんだかんだ理由を付けて99%近くを返金する事が多い。


また、父親に捨てられて母に早くに死なれ孤独な幼少期を過したため、母親への思慕を持ち続けている。そのこともあって、母親が病気になって苦労している人や、患者とその母親の間に何かしらの問題があったりする場合なども、陰ながら真摯に面倒を見る話も多い。

そういった件もあってか、父に再婚相手の手術を依頼された際、医師としての矜持を保ちつつ医者ならではのやり方で復讐を果した。

腹違いの妹もいるが、彼女の去就は原作と派生作品で大きく異なる。

篤い友情等にも手術代を奢って報いる事どころか20億円(+車やモーターボート代金)払って病院を買い取りタダで手術する事もある。

これは少年期の頃、手術の痕を気味悪がって近寄らなかったクラスメイトが多く、あまつさえいじめにさえ晒されて人間の醜さを実感する中にあっても、少数だが親友と言える人物たちに恵まれた事が大きい。自分に手を差し伸べてくれた人には全力で恩義を返すのである。

その事もあってか、同窓会には元クラスメートたちに悪態を吐かれながらも、数少ない友人に会うために出席する場合が多い。


悪人に対して

金さえ貰えば仕事は選ばず世界中何処にでも飛ぶフットワークの軽さゆえに大悪人からの依頼を受ける、あるいは診察や治療を妨害されるといったエピソードもしばしばあるのだが、大体酷い目に合わせている。


特に『こっぱみじん』では最高額の150億円という額を請求し、受け取っておきながら患者を見殺しにして、遺体を文字通りこっぱみじんにしている。

これは同情の余地のない独裁者が患者であり、その患者の遺体の各部は独裁者に苦しめられた多くの重傷者に移植され、結果として大勢の人を救っている。診察料を受け取ってすらいない何十人もの子供達を現地の医師たちも使って短時間で治療するというブラックジャックの超人っぷりと狭義心を示す名エピソードとして有名な一方、一種のブラックユーモアとすらいえるぐう畜エピソードとしても有名。


一方「依頼人から報酬を受け取ったら後はもう用は無い」と言うスタンスは貫いており、『猫上家の人々』では整形手術の代金を依頼人とその夫人から取りに来た際に、独自調査を行った結果、依頼人の正体が夫人の浮気相手で、本物の主人は既に死んでいた事を知った事で夫人の手で口封じに真実を知った浮気相手諸共抹殺されそうになった際は「とばっちりは御免だ!」と、銃を持った夫人をお得意のメス投げで返り討ちにしている。


法外な医療費の使い道

大まかに言うと

  1. 「自由診療ゆえの薬や医療器具の代金」
  2. 「難病や未知の病気の治療法を確立させるための研究費」
  3. 「恩師や友人たちなど過去に恩を受けた人々への恩返し
  4. 「自身と母をこの運命に追い落とした人間への復讐のための資金」
  5. 「大がかりな自然保護のための土地などの購入や管理費」

などが本編上で挙げられている。金には困っていないのだが彼自身は私生活を質素に済ませており、診療所も年季の入ったぼろ屋のままである。(これは棟梁の回復を待ち続ける、というゲン担ぎの意味合いも強い。台風地震などの災害で完全に倒壊してしまった回もあるが、その後も元に戻っているのを見る限りでは、棟梁の工事が中断した状態をそのままそっくり再現して保存している模様。)


身体能力

爆弾事故を引き起こした「5人の男たち」に復讐するために学生時代はダーツを猛特訓しており、その腕前を活かして常に黒いコートの中に隠し持ったメスを投擲することを得意としている。その技術は神業的で、首を吊った老人のロープだけを斬り落としたり、四方八方から飛びかかってくる人食いを迎撃したり、相手の向けたライフル銃銃口に突き刺したりするほど。

仕事柄悪人に襲われることも多いため、格闘技術もチンピラ程度なら簡単に圧倒するほど高く、3日間何も食わされていないズタボロの状態でも隙をついてゴロツキ二人を倒している。傷だらけの外見とは裏腹にタフネスであり、半殺し同然に打ちのめされても手術を行えるほどである。

また「ディンゴ」では周りに人家が無い荒野で無菌バルーンの中で自分の腹に巣食った突然変異のエキノコックスを取り除くため、自分一人で開腹し摘出手術をしている。


医師として

無免許医であるために誤解されやすいが、彼自身の医療知識そのものは正規の医科教育をキチンと受けた上で身に着けている。原作では一貫して、地方私大である「ポン骨大学」の医学部の卒業生(派生作品では中退者だったり別の大学の卒業生だったりと一定していない場合がある)である。

また、彼自身は本間丈太郎のような理想の医師像とかけ離れた自分に対し、少なからず後ろめたく思っている節があり、「金がもらえるなら悪人でも直すんだろう」と子供に言われた時はムキになって反論している。時に彼の持つ技術を信望して弟子入り志願にやってくる若手医師もいたが、その際にも「私みたいな医者にはなるな! 誰かに軽蔑されるような医者にだけはな!」と必死さのあふれた苦渋の表情で叫び、追い返した。

一方で、あるエピソードでは「私のような立場の医者も必要なんだ」と発言しており、自分の医者としてのあり方を恥じつつも、自分の様な立場の人間だからこそできることがあると自覚している。あえて憎まれ役を演じている節もあり、アウトローだからこそできるやり方で裏社会の住人にも救いを与えたり、悪党たちに制裁を加えることもある。


医師免許について

ブラック・ジャックがなぜ無免許なのかはハッキリと語られている訳ではないが、作中の様々な描写から理由を推定することが出来る。

  • 肩書きやルールに価値を見出さないから
  • 法外な治療費の請求を続けるため。(現実では医療保険を適用しない自由診療であれば医師の裁量で治療費を設定できる。)
  • とある病気を前にするとトラウマで手が震えてメスが持てなくなる体質のため(無意識下の暗示が原因であり、後に催眠治療が施された)
  • 復讐の為にあえて取らない。
  • 病院内規や学会における倫理委員会の示す人道的な治療方針を幾度となく簡単に逸脱し、必要を認めたならば禁断の技術の使用や危険な手術すらも躊躇わず、いたずらに患者の命を危険に晒す(我欲で生命を弄んでいる)と見なされているため。
  • BJが患者を脅迫したことで世界医師会連盟に苦情が殺到しているから
  • 医師免許取得のための面接に出席できなかった
  • 爆発事故のトラウマ
  • 団体に所属することを嫌っているから
  • 日本医師会が恩師の本間丈太郎に対して不当な扱いを行ったから。


作者の事情としては「アウトローっぽさ」を演出する要素として付け加えられた設定であるらしいが、日本の法律では無免許で医療行為を行うのは犯罪であり、発覚すれば逮捕される。

もっとも劇中でも逮捕をちらつかせてタダ働き(主に死にかけの犯人の治療)をさせる刑事も存在するが。


研修医として救急病棟で勤務していた時代もあり、どの時点でモグリ医者となったのかは不明である。

上記のように友情には篤いため、世話になった大学の同期や、その関係者、あるいは恩師らに対しては、なんだかんだと言いながらも世話を焼く事が多い。そのためポン骨大学の出身者からは悪態を吐かれながらも(自身も吐くことがあるのでお互い様ではあるが)いざという時には手助けをしてもらえる場合がある。


医師免許への執着が皆無というわけでもなく、世界医師会連盟から特例で免許を交付すると言われた時は、珍しく鼻歌を歌うほど浮かれており、それが諸事情でお流れになった時は気落ちしていた。

一方、お世話になってる(BJも"お世話"している)大学の先輩(業界にかなり影響力のある名医の息子で現在は親の後を継いで大病院の院長となっている)から「医師免許を取れるようにしてやろうか」と言われた時には(先輩や大学の迷惑になる、として)丁重に断っている。


ちなみに手塚プロ公式作品である「ヤングブラックジャック」ではブラック・ジャックがいかにして無免許医師になっていくかなどが描かれている。そちらでは医学生の時代から脳手術などを非合法に何度も行っており「こんなことを続けていれば医師免許を取れなくなるぞ」と言われている。


世間の評価

まちまちであり、天才的な外科技術に敬意を表されることもあれば、モグリのゴロツキとして軽蔑されることもある。やっていることは犯罪なのだが、規定の医療の枠組みに囚われない存在であるため超法規的存在としてその活動を黙認されている。いわばグレーゾーンの医師として認知されており、何度か警察沙汰になっても最終的にはおとがめ無しになっている。ブラックジャックの顧客には有力者も多く、ブラックジャックの患者になるはずだった外国の有力者の孫を日本の医学会が強引に奪うものの治療に失敗、報復として自分の息子を撃たれ、その治療の為にブラックジャックに泣き付いたと言うエピソードまであり、ブラックジャックの医療行為に関しては超法規的な見て見ぬフリとなっているようだ。


一人の人間として

高い技術を持ちつつも医療行為の超法規的なスタンスゆえ医師としての評判は賛否両論ではあり、自身もそんな在り方を恥じている部分がある。

反面、弱者に対する思いやりや狭義心、恩義をかけてくれた人への義理固さ、そして権力を武器に弱者を踏みにじったり、人としての良心を持たない真正の悪党と言える人間には激しい怒りを見せる。

医者としてのふるまいは褒められたものではないものの、一人の人間としてはまっとうな性根の持ち主である。

また医療ミスは滅多な事ではしないが日常生活の中では人並みにミスを犯す事もある。実際ピノコが無茶苦茶に調合した患者用の飲み薬をジュースと間違えて飲んで腹を下してしまい、諸事情あって自分をコレラ患者と勘違いして大騒ぎする一幕もある。


嗜好など

好物カレーライスお茶漬けラーメン寿司。仕事先には海外が多く、豪華な料理を食べることも多いので日本の(質素な)家庭の味が好きらしい。寿司に関してはやや複雑だが自分が治療を行った大将が握る行きつけの店がある。


ボンカレーはどう作ってもうまいのだ」


タバコを嗜む描写も多く、たまにパイプで吸っていることもある。

これは作品発表当時、タバコの健康に対する害については軽視され、あまり注目されていなかったため。むしろ当時は、これを声高に叫ぶ事は「大げさ」と忌避し、タバコは「程度を守れる、できる大人のたしなみ」とする社会背景があった。

タバコの煙害が注目されだしたのは作者死後の1990年代後半で、それが本格的になったのは2000年代からである。そのため「医者なのにタバコ」という非難については、原作品で描かれる時代背景から言えば見当違いなので注意。

ただし、2000年代以降に作られた派生作品では、禁煙を是とする風潮に考慮して修正される場合が多い。


OVA版

他媒体より全体的に落ち着いた雰囲気で、原作にあった言葉を荒げる場面は余り見られないのが特徴。

また患者への法外な医療費の請求は完全に『患者とその家族の「生きたい(生かしたい)と思う意思」の確認』と、『BJ自身が命を少しでも生かす努力をした証』となっている。

実際劇中でも、患者の命を救えなかった場合や患者が自分の命を諦める発言をした場合には報酬を受け取らず帰ろうとする他、国際医師免許の取得権よりも紙切れ同然の「手書きの1ドル借用書」を大事にしている。


そして原作との最大の違いがDr.キリコとの関係である。原作やTVアニメでは険悪に描かれることが多い2人だが、OVAでは2人の性格変更もあり「治る見込みが無く死を望む末期患者」へのアプローチで対立するのみであり、その心象に含む部分は見られない。


その為かDr.キリコは偶然保護したBJの重症患者の女性の治療の為に情報を独自に集めており、それらをBJに提供。彼女が安楽死を希望しても金銭の支払い能力が無いことを理由にやんわりと断っている。

BJの方も最初こそ患者を引き取った後にDr.キリコを素っ気なく追い出すも、その後の彼の情報提供を何も言わず受け入れており、結果それが患者に寄生した擬態型エキノコックスと言う難敵の発見に繋がった。


絵師神の絆

「ガクドニア」に現れた敵性体「シメキリ」と戦う力を持つ「伽羅少女」で、「絵師神」と呼ばれる存在により創作物から実体化した。

あくまで「少女」なので年齢は18歳で、身長も相応の物になっている。「ブラック・ジャック」名義である為本名が「間黒男」なのかは不明。


その性別の変化以上に全身の傷が無い事が特徴。とは言っても傷の意匠自体は服の模様や縫い跡、髪留めなどに受け継がれている為完全に消え失せた訳ではない。

実は元々は顔に傷があった事が判明しており、顔の皮膚の提供者がガクドニアに実体化しているからその形見である顔の傷も消失したとされている。


性格、嗜好は主人公に好意を寄せている事以外はほぼ原作と相違が無く、超一流の外科手術の腕を持つ無免許医である事や言葉遣いも共通。また巻き込まれ体質の苦労人らしい。


担当声優

本編

大塚明夫

関智一(若年期)

梅原裕一郎(ヤングブラック・ジャック)…ちなみに大塚氏はナレーションを担当しており、お馴染みの大塚明夫声のブラック・ジャックが過去を振り返っているといった体になっている。


ゲスト出演時

本編アニメ化前

伊武雅之(100万年地球の旅 バンダーブック、火の鳥2772 愛のコスモゾーン)

野沢那智(海底超特急マリンエクスプレス、鉄腕アトム、ブレーメン4 地獄の中の天使たち)

本編アニメ化後

神谷浩史(アトム:時空の果て)

東山奈央絵師神の絆


手塚スターシステム

どこに出しても目立ちすぎるため大抵「単なる作者の遊び」的なモブとして登場することが多いものの、『ミッドナイト』においては本編と同一人物という設定で登場する。

また、『火の鳥 望郷編』では間ロミという女性が主人公(「間」は言わずもがな、「ロミ」はピノコのモデルになった少女と同じ名前)なのだが、彼女が故郷・地球へと帰還した最終章では暴走族のボス・フォックス役で登場し、余命いくばくもないロミを美しい湖畔に誘っている。

うろ覚え_火の鳥・望郷編 だいたいこんなかんじ


前述した通り手塚アニメでは度々登場しており、『鉄腕アトム』アニメ第2期では原作そのままの役回りで登場。「ブラックジャックの大作戦」なるサブタイトルであり、タイムマシンを使用してアトムとブラックジャックを引き合わせるという手塚本人が書いた突拍子もないシナリオになっている。

バンダーブック』では宇宙海賊のボスとして登場。凄腕の剣士という設定であった。


また『PLUTO』には「高額な治療費が必要な日本人のもぐりの医者」と恐らく彼だと示唆される形で間接的に登場している。


関連イラスト

ブラックジャックログ詰合わせBLACK JACK fanart

BJ不機嫌なBJ


関連項目

手塚治虫 アトム 写楽 ボンカレー

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